2025年12月 北海道歯科医師会「オーラルフレイル」
最近よく聞くオーラルフレイルって、なんですか?と患者さんに聞かれることがあります。皆さんはこの言葉をご存じでしたか?
今回は、原因から治療まで簡単にお知らせできればと思います。
オーラル(口腔)フレイル(虚弱)の根本的な原因は加齢といわれています。
一般的に、オーラルフレイルの始まりは食事の時にむせこみが増える、硬い食品が噛めなくなる、滑舌が悪くなるなどで、この状態を放置すると嚥下障害や構音障害など身体的、社会的な障害を引き起こすことが考えられます。
このため、オーラルフレイルの発症予防、兆候が見られた時には適切な改善対策が大切になってきます。
オーラルフレイルの状態に陥ると、食事への満足度が低下したり、他者との交流が円滑に行えなくなることで精神面でダメージを受けることも見受けられます。それにより活動低下、さらには口腔機能の低下により食事量低下などによって低栄養状態へと陥りやすくなります。
そのまま放置しておくと、オーラルフレイルからフレイルそして要介護状態へドミノ倒しのように悪化していきます。
オーラルフレイルは歯周病やむし歯による残存歯数の減少によって徐々に引き起こされるため、重症化する前に症状がない場合でも歯科医院で定期的(3~6か月)に健診を受けることが大切です。
また、口腔機能を改善するには唾液分泌を促したり、咀嚼や嚥下に必要な筋肉を鍛えたりする口腔体操などを行うことはとても効果的で、現在ではそれぞれの自治体などで口腔機能向上の講座や講話が行われていますので、機会があれば参加してみてはいかがでしょうか。