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メールマガジン85号(2018年12月5日)

 「ビワ等の種子を使用した健康食品に注意してください」 
 北海道薬剤師会

 アンズ、ウメ、モモ、スモモ、アーモンド、ビワなどのバラ科サクラ属植物の種子にある仁や未熟な果実の果肉や葉には、アミグダリンなど、体内で分解されると非常に強い毒性をもつ青酸(シアン化水素)を発生するおそれのあるシアン化合物が含まれています。これを多く摂取すると、頭痛やめまい等の健康被害を引き起こすおそれがあります。食品衛生法では、天然にシアン化合物を含有することが知られている食品及びその加工品については、青酸換算で10ppm を超えてシアン化合物が検出されるものを規制しています。
 
 2017 年にビワの種子を粉末にした食品からシアン化合物が高濃度で検出され、製品が回収される事案が複数件あり、厚生労働省は天然にシアン化合物を含有することが知られている主な食品に「びわの種子」を追加し、各検疫所に対して輸入食品の自主検査等の指導の徹底を呼び掛けました。また、農林水産省はビワの種子の粉末の摂取に関する注意喚起を行い、都道府県や関係団体を通じて、ビワの種子を原料とする食品の製造者や関係者に対して、安全な食品を提供するよう指導しています。

 このたび、国民生活センターが調査(2018年6月14日掲載)を行った結果では、ビワ(種子もしくは葉)を原材料とした健康茶ビワの種子を原材料とした健康茶3 銘柄では、飲用する状態ではシアン化合物の濃度が10ppm を超えませんでしたが、多量に飲んだり、濃くして飲まないよう注意が必要と考えられました。また、ウメエキス4 銘柄中3 銘柄でシアン化合物が10ppm を超えて検出されましたが、一日摂取目安量以内であれば健康影響が現れる可能性は低いと考えられました。しかし、シアン化合物の濃度を検査等で確認している旨や多量摂取に関する注意がみられた銘柄はありませんでした。シアン化合物が高濃度で含まれるビワの種子を原材料とした健康茶等については、利用する必要性を考え、利用する場合は、安全性について調べられていることを確認した上で、一度に多量に摂取しないよう注意を促しています。

 ちなみに、青梅は熟していないので、シアン化合物が高濃度に含まれていることが知られており、そのまま食べるのに適していませんが、梅干しや梅酒、梅漬け加工をすることにより、シアン化合物が分解し、大幅に減少するので心配ありません。種子を単純に乾燥・粉末にしたような食品では、シアン化合物はほとんど分解せずに残っている可能性があるので注意が必要になります。

 アミグダリンについては、「がんに効く」などとうたわれていることがありますが、ヒトにおける安全性・有効性が否定されているばかりではなく、海外ではこれを含むサプリメントの摂取により重篤な健康被害が発生したという報告が複数件あります。インターネットや書籍の情報では、「ビタミンの一種」、「ビタミンB17」と称しているものがありますが、アミグダリンの有効性に関する情報については科学的に十分な根拠はありません。

 ビワの種子を活用したレシピに関する情報(ビワ種子を使った杏仁豆腐やビワ種子の煮物など)がありますが、料理にシアン化合物が残っている可能性がありますので、注意してください。ビワに限らず、ウメ、モモ、スモモ、アンズなどの種子も同様です。