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北海道支部

2025年10月 北海道医師会「自分の身体を知りましょう」


我々医療職は、患者さんの状態を知る場合、基本的な情報を得ることから始まります。それはバイタルサインと言って、日本語では生命兆候と言います。医療職の者は、バイタルと略します。これは患者さんの状態を表す最も基本的なものです。主に、体温・脈拍・血圧・呼吸の4つの項目が基本です。しかしこれは年齢・体重・性別・全身状態や周囲の環境によっても変化をします。
重要な事は、この基本的な生命兆候は、自分自身で測定できる事です。毎日血圧・脈拍・体温を測る事ができますし、それを手帳に記載することをお勧めします。もう一つ体重も自分で測定できます。これらは、自分で健康状態を把握する上で、非常に参考になります。

1)血圧 自動血圧計を使用します。測定方法は腕で測定するもの、手首で測定するもの、指先で測定するものがありますが、腕(肘)で測定するのが一般的です。心臓と同じ高さで測定します。朝・寝る前が推奨されていますが、朝のみ、寝る前のみでも良いです。測定の習慣を付けましょう。朝は、起床後1時間以内で、排尿後、薬を飲む前、食事の前、1~2分安静にしたのちに測定します。腕の末端に近くなるほど、血圧が高くでますので、注意が必要です。お話をしていると血圧が上がるので、静かな状態で、話をしないで測定します。正常値は上が135mmHg未満、下が85mmHg未満となっていますが、2025年日本高血圧学会が最新の治療のガイドラインを公表し、75歳未満の方は、最高血圧が140mmHg以上、最低血圧が90mmHg以上を高血圧症とし、75歳以上の方は、血圧の目標を最高血圧が130未満、最低血圧が80未満としております。かかりつけの先生がいましたら、よく相談をして下さい。

2)脈拍 自動血圧計で測定されます。正常値は1分間に60~80回程度ですが、50台でも心配はありません。いつも90以上ある場合には注意が必要ですので、かかりつけの先生に相談をしましょう。40回以下の場合も注意が必要ですので、かかりつけの先生に相談をしましょう。30台の場合は深刻ですので、循環器の先生に相談しましょう。自動血圧計で測定不可と出る場合は、不整脈の場合が多いので、かかりつけの先生に相談をしましょう。危険ではない不整脈と、致死性の不整脈や脳卒中の危険がある不整脈もあります。

3)体温 正常体温は36℃~37℃と言われています。しかし、最近は35℃台の方が多く、ご自分の平熱(普段の体温)を知っておくことが必要です。手帳に体温を記載していると役立ちます。急に動けなくなったと救急車で搬送されてくる方がいますが、殆どは体温が上がっていることが多いです。高齢者は37℃後半になったら動けなくなります。体調が悪い時には必ず体温を測りましょう。

4)呼吸 正常呼吸数は概ね12回~18回とされています。普段から呼吸数を把握しておきましょう。10回程度なら正常ですが、20回を超えると異常と言えます。その時は、体温が上昇していないか、胸が苦しくないかをチェックしましょう。呼吸数が多い時には、肺や心臓の病気・発熱が考えられます。呼吸数の異常は、緊急性がありますので、注意が必要です。コロナウイルス感染症が蔓延した時に購入した方もいると思いますが、血中酸素飽和度を測定する装置が有効です。正常値は96%~99%と言われています。これも装置がある方は、いつもの数値を覚えていれば安全です。

5)体重 体重測定は極めて重要です。特に高齢者は、心不全や腎不全になると体重が増加し、むくみが出ます。心不全の早期発見には体重増加がもっとも重要な要素になります。急激な体重減少も問題で、がんやホルモンの異常が考えられます。毎日の体重測定は健康状態の把握に有効です。2025年心不全診療ガイドラインが改定されました。日本循環器学会・日本心不全学会に加え、7学会(日本心臓病学会・日本心血管インターベンション学会・日本心エコー図学会・日本心臓リハビリテーション学会・日本不整脈心電学会・日本心臓血管外科学会・日本胸部外科学会)から推薦があった方々の協力のもと作成されています。最近は高齢者の心不全が非常に増えています。息切れ・むくみ・体重増加・食欲不振・腹部膨満感(おなかが膨れた感じ)・倦怠感などがあれば要注意です。すぐに医療機関を受診しましょう。

自分の身体に興味をもち、普段からご自分で測れるものは、ご自分で測るようにしましょう。そしていつもと違うことがあれば、病気の早期発見につながります。それが無駄な医療費を払わないで済む近道です。

(副会長 藤原秀俊)


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