令和01年09月01日
今春から乳幼児用の液体ミルクが発売されました。現在は江崎グリコと明治の2社から販売されています。
日本ではこれまで乳等省令(乳及び乳製品の成分規格等に関する省令)において、乳幼児用の乳製品は粉乳に限定されていましたが、昨年8月に改正され、液体ミルクの国内販売が解禁となりました。
粉ミルクの場合は、哺乳瓶を煮沸消毒して粉ミルクの分量をはかり、お湯で溶かしてから適温まで冷ますといった手間がかかります。液体ミルクの場合は哺乳瓶に移し替えるだけなのですぐに授乳できます。
乳児用液体ミルクは、液状の人工乳を容器に密封したものであり、常温で長期間の保存が可能です。授乳者の負担軽減や安全面で次のような利点が考えられます。
① 夜間や共働き世帯で時間が限られているとき、保育者の体調がすぐれないとき、さらには母親が
不在のときなどでも、簡便かつ安全に授乳を行うことができる。
② 調乳用のお湯(70℃以上)が不要であり、授乳に必要な所持品が少なくなることや、調乳を行わ
ずに済むことから、簡便に授乳を行うことができる。
③ 地震等によりライフラインが断絶した場合でも、水、燃料等を使わずに授乳することができるた
め、国内の流通体制が整い、使用方法やリスクに関して十分に理解されることを前提として、災
害時の備えとしても活用が可能である 。
④ 乳児を伴って来日する外国人の利便にも寄与する。
昨年の北海道胆振東部地震では輸入品が支援物資として被災地にとどけられましたが、液体ミルクへの認識不足から配られなかったということもあったようで、今後の周知も課題となっています。
海外の液体ミルクには乳首型の吸い口がついたものもありますが、今回、国内で作られたものは両社とも消毒した哺乳瓶に移し替えて使用するタイプのもので、災害時には哺乳瓶を消毒できない場合もあることから粉ミルクや液体ミルクとあわせて、使い捨ての哺乳瓶を備蓄するよう勧められています。
・開封前によく振るなどの使用方法を確認すること。
・水で薄めず、消毒済みの哺乳瓶など清潔な容器に移して与える。
・開封後は速やかに与え、飲み残しは雑菌が繁殖しやすいので捨てる。
・常温で保存できるが、直射日光があたる場所や火の近く、夏場の車内などは避ける。などです。