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北海道支部

2022年10月 北海道医師会 「睡眠障害とその対処 質の高い睡眠をとるコツ」


はじめに
 皆さんはご自身の睡眠にどのくらい満足されているでしょうか。また、普段はまあまあよく眠れている方でも、睡眠不足の翌日はなんとなく体調が優れなかったり、逆に睡眠時間が長かった時は朝方に変な夢を断続的に見たり、という経験もあるのではないでしょうか。また、睡眠は、生活習慣病とも密接な関係があることがわかっています。
 今回の「健康コラム」では、質の高い睡眠をとるコツについて考えてみたいと思います。

睡眠時間は人それぞれ
 最適な睡眠時間は何時間だと思いますか。実は、この質問には正確な答えはありません。睡眠時間は人それぞれで、皇帝ナポレオンの睡眠時間は3時間、かの天才アインシュタインは10時間だったと言われています。日中眠気で困らなければ、その人にとって十分な睡眠時間が取れていると考えて良いと思います。また、歳をとるにつれて、睡眠が浅くなり、必要な睡眠時間は短くなります。私が普段診察している高齢の患者さんは、6時間前後の方が多いようです。

就寝時刻と睡眠の質
 次に見直して欲しいのは、床に就く時間です。実は、就寝時刻にこだわるのはあまりよくありません。理想的なのは、眠くなってから床に就くことです。また、就寝前のカフェインの摂取や、喫煙は控えるようにしましょう。また、ぬるめのお風呂に入る、アロマを楽しむなど、自分なりのリラックス法を試してみるのも有効です。しかし、ひと言で「眠くなってから」といっても、普段就床時刻の早い方にとって実際に就寝時刻を遅らせることはなかなか難しいかもしれません。30分でも、1時間でも、少しずつ遅くするようにしてみてください。というのは、床に就いている時間が必要以上に長いことは、睡眠の質を下げることが知られているのです。熟睡できる時間は人によって概ね決まっているので、それを超えた時間は眠りが浅くなり、熟睡感が減少し、睡眠の満足度が下がってしまうのです。

朝の光で体内時計をリセット
 もうひとつとても大切なのが、就寝時刻にかかわらず、毎朝同じ時刻に起床して、光をたっぷりと浴びることです。これには脳の松果体という所から分泌されるメラトニンというホルモンが関係しています。日光を浴びると、メラトニンの分泌が抑制され、体内時計がリセットされます。そして、メラトニンは、光を浴びた14〜15時間後に再び分泌が増加し、深部体温が低下することで、自然な睡眠へと導いてくれます。つまり、朝、体内時計がリセットされることで、理想的な睡眠のリズムか作られるのです。日曜日の朝に寝坊すると、なかなか寝付けずに月曜日の朝に辛くなることがあるのは、これが原因だと考えられています。

昼寝は? お酒は?
 睡眠に関係するそのほかの生活習慣について考えてみたいと思います。まずは、昼寝についてです。睡眠には、記憶を定着させる効果があると言われています。また、午後の仕事に向けて、脳をリフレッシュする効果もあります。ですから、昼寝は必ずしも悪いとは言えません。ただし、夜の睡眠に影響させないためには、昼寝をするなら、15時より以前にとるようにして、時間は30分以内にとどめましょう。また、睡眠薬代わりの寝酒はやめましょう。寝酒は、眠りを浅くすることで夜中に目覚める原因となり、結果的に睡眠の質を下げることがあります。夜中の喫煙も交感神経を刺激してしまい、眠りにくくなるので注意が必要です。また、就寝前や夜中にテレビやスマホを長時間見ることも、体内時計のバランスを崩す原因になります。しかし、いずれにしても、焦りや過度の心配は禁物です。睡眠にはリラックスが最も大切ですので。

解決しなければかかりつけ医に相談を
 いろいろ試しても不眠が解決しないときは、かかりつけ医や専門医に相談しましょう。医療機関での不眠症などの睡眠障害の治療は、睡眠薬を使った薬物療法が中心となります。現在使われている睡眠薬は、副作用も少なく、医師の指導のもとで適切に使用すれば、一度使い始めると次第に量が増えてやめられなくなる、といった心配はありません。不眠症のタイプによって、様々な特徴をもったお薬がありますので、医師と相談して自分に合ったお薬を処方してもらうと良いでしょう。また、睡眠障害は、こころの病気や睡眠時無呼吸症候群などの身体の病気によっても起こることがあります。そのような場合は、かかりつけ医の先生から専門医を紹介してもらい、検査や専門的な診察を受け、必要な治療を受けることが大切です。

参考文献 精神・神経疾患研究委託費「睡眠障害の診断・治療ガイドライン作成とその実証的研究班」平成13年度研究報告書より

(常任理事 荒木啓伸)


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