2023年12月 北海道歯科医師会 「ご存知ですか?知覚過敏について」
知覚過敏(象牙質知覚過敏症)は、冷たい飲み物や食べ物、甘いものを食べたとき、冷風、歯みがきなどの刺激により歯に生じる一時的な痛みで、特にむし歯や歯の神経の炎症がないときに現れる症状です。
知覚過敏は、歯の内部にある象牙質が露出することで起こりやすくなります。
原因は、加齢や歯周病、歯のみがき方による歯肉の退縮、打撲などにより歯が欠けたりすること、咬み合わせによる歯のすり減り、むし歯の治療の影響、酸性の飲み物、食べ物により歯の表面が溶け象牙質が露出することなどが挙げられます。
治療法としては、歯みがき剤による再石灰化を促す方法や硝酸カリウムという成分の含まれた歯みがき剤を使用し歯の神経の興奮を抑える方法、知覚過敏に効果的な薬剤を痛みがある歯の部分に塗布し、象牙質の内部の小さい穴を封鎖する方法、歯科の材料により象牙質の露出部を覆ってしまう方法、歯の神経を取り除く方法(上記の処置で治らない重症の場合)などがあります。
予防法としては、歯肉が退縮するような歯のみがき方(力の入れすぎ、頻繫にみがく等)をしないこと、酸性の飲み物、食べ物を過剰に取り過ぎないこと、歯垢(プラーク)が付着した状態を長く続けないようにすることが重要です。
このように、歯周病とむし歯の予防が知覚過敏の予防にもつながっていきます。むし歯なのか知覚過敏なのか判断が難しいこともありますので、早めに歯科医院で受診することも大切です。