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北海道支部

2020年 3月 北海道薬剤師会 「防水スプレーを吸い込む事故に注意しましょう」


 防水スプレーは、家庭用のものが安価で販売され、その利便性からも広く使われています。しかしその普及にともない、防水スプレーガスの吸入が原因とみられる急性中毒事故など健康被害を起こすことがあります。
 
防水スプレー
 防水スプレーは撥水成分(防水加工の素材)であるフッソ樹脂やシリコン樹脂を石油系溶剤やメチルエチルケトン、酢酸エチル、アルコールなどに溶解したものです。クリーニングなど業務用では、この防水剤を溶剤で希釈し、噴霧機械などにセットして使用します。家庭用には、揮発性のよい有機溶剤で希釈された後スプレー剤として製品化されています。防水スプレーは噴射後、溶剤は気化し、布表面に付着した撥水剤により防水効果を発揮します。
 
防水スプレー使用時の事故の特徴
・雨や雪のシーズンに、靴や衣類にスプレーしようとして事故が起こっています。
・屋内はもちろん、屋外でも風向き等で吸い込む事故が起こっています。
・大人の事故が多く、大半の事例で症状が出ています。

症状
 過去の事例からの主な症状は、咳、呼吸困難、嘔気、嘔吐、発熱でした。
典型的な経過は、使用後まもなく深呼吸ができず、息苦しくなり、息を深くしようとすると咳がとまらなくなって、いっそう息苦しくなり、さらに寒気や発熱が出現します。
重症例では、胸部Ⅹ線検査の異常所見や白血球数の増加、低酸素血症が報告されています。
症状発現までの時間は、使用中や使用後1時間以内が多く、比較的早い時期に発症します。

処置
家庭で可能な処置
吸入:新鮮な空気を吸わせる
 眼 :流水で15分以上洗浄
経皮:石けんと水で洗浄
医療機関での処置
特異的な治療法、解毒剤、括抗剤はない
呼吸不全の発生に留意し、呼吸数・深さ、呼吸音、胸部X線検査、必要に応じ血液ガスをモニターする
対症療法:呼吸管理、必要に応じ、酸素投与


確認事項
1)使用状況と量:屋外で使用したのか、室内か。大量に吸入した可能性があるか?
2)患者の状態:咳や、息苦しさなど、変化はないか?
3)製品名や溶剤の種類など、容器に表示はないか?
受診について
1)咳やめまいなど、なんらかの症状がある場合には受診を指示
2)眼や皮膚についた場合、家庭での処置後も症状があるようなら受診を指示
3)経口の場合、有機溶剤中毒を考慮し、体重10 kgあたり2 mL以上、液体として飲んでいるようならば、受診を指示

まとめ
 玄関や室内、浴室などの屋内や自動車の車内など、換気の悪い場所で防水スプレーを使用し、細かい霧状の粒子を吸い込む事故が発生しています。特に一度にたくさん使用した場合には、大量に吸い込むことがあります。
屋外で使用した場合にも、風向きによって吸い込んだ事故が起こっています。また、使用した本人だけでなく、近くにいた人が吸い込んでしまうこともあります。

中毒事故を防ぐために
◆ 使用前に製品表示、特に使用方法や使用上の注意をよく読む。
◆ 必ず屋外で使用する。屋内や車内では絶対に使用しない。
◆ 使用する際には必ずマスクを着用し、風下にならないよう注意する。
◆ 一度に大量に使用しない。
◆ 周囲に人がいないことを確認してから使用する。
◆特に乳幼児のいる方やペットを飼っている方は注意が必要。 乳幼児やペットは体が小さいため、健康被害を受けやすいと言えます。乳幼児やペットが近くにいる場所では絶対に使用しない、手の届かないところに保管するなど、注意が必要です。

出典:公益財団法人日本中毒情報センター、「防水スプレーを吸い込む事故に注意しましょう」


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