令和04年07月11日
気温も上がり、冷たいビールが美味しい時季になりました。
しかし、ビールには「プリン体」が多く含まれており“痛風の原因になる”というイメージを持たれている方も多いかもしれません。
特に夏は、ビールなどの飲酒量が多くなりがちであり、汗をかくことで脱水にもなりやすいため、痛風発作が起きやすいとも言われています。
では、痛風を防ぐためにはビールのプリン体を避けるだけで良いのでしょうか。
◆「痛風」ってどんな状態?
「痛風」には健康診断の項目のひとつである尿酸が深く関係しています。
尿酸とは、体内の新陳代謝の過程で生じる老廃物のことです。通常、尿酸ナトリウムとして血液中に溶けた状態で存在していますが、何らかの原因で過剰となると、結晶となって関節内に蓄積し、激痛を伴う炎症反応が突然起こります。
この急性の関節炎を「痛風」といいます。
◆「痛風」はプリン体が原因!?
尿酸は、体内で産生されたり食事で摂取したプリン体が分解されることで作られます。そのため、プリン体を多く含む食品の摂取は少なからず尿酸値に影響します。
お酒の種類によってプリン体の含有量が違いますので、チェックしてみましょう。
ビール:3.3〜9.8mg
発泡酒:1.1〜3.9mg
日本酒:1.2〜1.5mg
ワイン:0.4〜1.6mg、
ウイスキー:0.1〜0.3mg
焼酎:0mg
◆プリン体の少ないお酒を飲めば痛風は防げる!?
では、プリン体の少ないお酒を飲めば痛風は防げるのでしょうか。たしかに、プリン体の少ないお酒を選ぶことは尿酸の増加に対して良い影響が期待できます。
しかし、アルコールは体内で代謝される過程で尿酸を産生し、腎臓で尿酸の排出を妨げる働きがあり、アルコール自体が尿酸値を上げる要因になっています。
また、アルコール度数の高いお酒ほど尿酸を作りやすくなるのも特徴です。
そのため、飲酒は適量を意識し、ビールやチューハイを選ぶ際はなるべくアルコール度数の低いものを選ぶなど心掛けてみてはいかがでしょうか。
暑い夏、水分をしっかりとって、体内の尿酸を排泄することも大切です。
1日2リットル以上の水分摂取を行い、日頃の飲酒習慣を見直すことで、健康的に夏を乗り切りましょう!