第14回:歯科健診の重要性について
歯科の重要性に関して、2017年に国の骨太の方針に記載されはじめ、2021年には全身との関連性に係るものとして生涯を通じた切れ目のない歯科健診の重要性が記載されております。しかし、現在の主な歯科健診として妊産婦歯科健診、乳幼児歯科健診、小学校から高校までの学校歯科健診、歯周病健診などがありますが、この中で義務付けされているのは乳幼児歯科健診と学校歯科健診のみとなっております。
現在、歯周病と全身疾患の関係性については
・糖尿病
・誤嚥性肺炎
・心筋梗塞、狭心症
・認知症
・低体重児出産
などが挙げられており、歯科健診を受診することで、これらの全身疾患の予防にもつながります。特に、佐賀県は糖尿病+糖尿病予備軍の割合が平成30年のデータでは全国ワースト2となっておりますが、歯周病を治療することで糖尿病の症状の改善につながるというデータもあります。
また、むし歯に関しても初期むし歯を早期に発見することで短時間での治療が可能になりますが、発見が遅くなれば治療にかかる時間も増えますし、症状によっては歯の神経を取る治療や最悪歯を抜く必要も出てきます。
歯の数が多いほど医科医療費が少ないとのデータも出ておりますので、自覚症状がない方も是非定期的に歯科健診の受診をされてみてはいかがでしょうか。
佐賀県歯科医師会 地域保健部
成人産業保健委員会 委員長 泉福 浩志