平成29年06月23日
健口で健康に ~手に入れよう!口から体の健康を~
みなさん、自分の歯が何本あるか知っていますか?
「自分は痛みがないから」、「歯磨きしているから大丈夫!」と思っていませんか?
あなたはどうでしょうか?
|口の健康が全身の健康の第一歩となる
一般的にはまだ、自分の口の中に関心がない人や口の中の健診を受けてない人は多いように思います。
しかし、最近は早朝や夕方にウォーキングやジョギングをしたりする人をよく見かけたり、また、スーパーなどでも糖質ゼロや塩分ひかえめの商品が多く並んでいたりと運動や食生活に気を使い、体の健康を気にしている人は多くなっているような気がします。
体の健康はもちろん大切ですが、「お口は健康の入り口」とも言われ、口の健康を保つことが体の健康を手に入れる第一歩になります。
ここでは、口に関する情報を通して、みなさんの『健康』のために少しでもお役に立てたらと思います。
|口の機能は多様かつ重要な役割を果たしている
まず、口には日常生活を支える様々な機能が以下のようにあります。
◎口の機能(口腔機能)
・咀嚼(噛んで食べやすくする)
・摂食、嚥下(食べる、飲み込む)
・構音、発音(言葉を発したり、音をだす)
・顔貌の形成や感情の表現
・味覚(食べ物の味を感じる)
・唾液(消化への関与、免疫物質の分泌など) 等
このように、生命維持やコミュニケーションなど、人として生きるのにとても重要な役割を果たしており、口腔機能が低下してしまうと、全身の健康状態に悪影響を及ぼしたり、QOL(Quality of life:生活の質)の低下を招いたりします。
したがって、口腔機能をしっかり維持するということは人間として日常をいきいきと過ごすためには欠かせないことなのです。
|国民の8割がかかっている歯周病は、全身の病気に大きく影響している
口腔機能を健康に保つためには、体の他の部分と同じように病気の早期発見・早期治療、さらに予防に努めることが大事です。
口腔機能を低下させる口の病気には、むし歯だけでなく、歯周病やがんなど様々なものがありますが、ほとんどの病気はすぐに症状がでず、ある程度、病状が進行してから症状としてあらわれます。冒頭の「痛みがないから大丈夫!」「歯磨きしているから大丈夫!」と思っていると、気づいたときには、もうすでに手遅れなんてこともあるかもしれません。
中でも歯周病は、日本人の約8割がかかっているといわれ、歯が抜ける原因の第1位にもなっています。また、全身の病気と特に関わりがあり、全身の健康に大きく影響します。
次回からは、そんな国民病といっても過言ではない歯周病について詳しくお話していきたいと思います。
一般社団法人 佐賀県歯科医師会
成人産業保健委員会副委員長 尾鷲 俊行
※ 次回は、平成29年9月頃公開予定です。