第27回 医療DX(デジタルトランスフォーメーション)とは
令和07年05月12日
第27回
医療DX(デジタルトランスフォーメーション)とは医療DXとは「保健、医療、介護の各段階(疾病の発症予防、受診、診察、治療、薬剤処方、診断書等の作成、診療報酬の請求、医療介護の連携によるケア、地域医療連携、研究開発)において発生する情報やデータが最適化された基板を通して保健、医療や介護関係者の業務やシステム、データの保存の外部化、標準化を図り、国民自身の予防を促進し、より良質な医療やケアを受けられるように、社会や生活の形を変えること」と定義されています。
現在、国策としてオンライン資格確認システムが促進運用されていますが、単に個人の保険証の確認だけでなく診療情報の共有化が図れ、1人の患者さんを治療していく上で医歯薬が一体となって良質で個人個人の的確な治療や投薬を行っていくことが可能となっています。
医療DXが推進されると患者さんのメリットとして
1.電子カルテ導入などによる診療の効率化
2.デジタル技術の進歩による診断精度の向上
3.予約管理システムのオンライン化による事務の効率化
4.医師と患者さんの間の情報共有がスムーズになることによるコミュニケーションの質の改善
5.医療データの長期管理、活用
などがあげられます。
また、医療側の問題として下記のような事があげられます。
1.サイバー攻撃やデータの漏洩などデータセキュリティとプライバシーの保護が求められる
2.システム整備やデジタル技術の互換性など技術的な障壁
3.医師やスタッフの技術的なトレーニングや知識の習得
4.高度な技術の導入にかかる高額な初期投資費用
5.デジタル技術の使用に関して厳しい規則や法律の遵守
超高齢社会を迎え医療のニーズが増す中で医療DXは、患者さんの利便性向上やコスト削減などのメリットがある一方で、セキュリティ管理やデジタル格差などによるさまざまな課題もあります。医療DXは黎明期にありますが、医療界が一丸となって課題を解決しながら生み出されたサービスや製品をうまく取り入れて医療の効率化を図っていき皆様のさらなる健康増進に寄与する事になればと思います。
日本歯科医師会PRキャラクター「よ坊さん」 |
徳島県歯科医師会 副会長 小川和宏 |
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