第17回 歯科医院でお口の健康診断を受けていますか?
            
        
        

第 17 回
歯科医院でお口の健康診断を受けていますか?
 今年の国の骨太の方針の中で国民皆歯科健診という内容がはいり、連日テレビ等でも大きく報道され議論されていました。
 私たち歯科医からすると、むし歯や歯周病などのよく見られる歯科疾患の多くは、患者さん自身の歯磨きやうがいなどの自己管理と、歯科医院での定期健診やお口のクリーニング、早期治療や予防歯科などにより、歯に関わる多くの疾患は防ぐこともでき、歯の寿命を延ばすことができるということは周知のことであり、歯科健診をうけることは歯のみならず全身の健康にとって大切なことであることは紛れもない事実です。
 この方針の基本となっている考えは、歯科医院で定期的に健診を受けている人ほど他の全身の疾患に関わる医療費が少なくなっているというデータがあり、定期的な歯科健診は全身の健康状態に大きく役立つことがわかってきたことによるものであります。
 お口の中に存在する細菌が心臓病などの全身の病気の原因となることもわかってきており、歯石除去などのお口の定期的なクリーニングがこれらの全身疾患の防止にも役立つと言われています。
 歯科健診は、義務教育である中学生まで、人によっては高校、大学などの学校での歯科健診、社会に出てからは就職先によっては事業所健診などで年に1回は受ける機会はあると思われます。
 しかしながらこれらの集団での歯科健診はスクリーニングといって、あくまで健康診断(健診)の一環で、何か疾患がないかどうかの有無の判定のためであり、歯科医院での検査や診断基準とは少し内容にも違いがあることもあり、歯ぐきや歯並び、かみ合わせの状態などの判定が経過観察になっていたとしても、歯科医院へ受診したほうがいいことも多くあります。
社会人になると多くは自主的に歯科医院に行かない限りは歯科健診を受ける機会はなくなってしまいます。
 幼少期からの成人、老人にいたるまでの切れ目ない定期的な歯科受診を継続し、虫歯はフッ素塗布などの予防歯科などを取り入れる、歯周病は早期からメンテナンスを開始することにより歯の喪失を遅らせる、歯並びやかみ合わせに関しても早期に治療を開始することにより悪影響を最小限にとどめることなどにより歯の健康寿命をのばし、よく噛める状態を長く続けることができれば健康寿命も延ばすことができます。
 また、コロナ禍ということもあり、歯科健診をやめてしまった方も多くいるかもしれません。
 歯科医院ではガイドラインにそった感染予防対策ができておりますので、安心して歯科健診の受診をしていただけたらと思います。
 
 
    
        
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             日本歯科医師会PRキャラクター「よ坊さん」 
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         徳島県歯科医師会              理事 西 英光 先生 | 
        
        
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