令和03年11月30日
自分のために 歯科医院でブラッシング指導を受けてみましょう
皆さんは歯科医院で口の中を赤く染めて歯磨きの練習をしたことがあるでしょうか?
歯周病や虫歯の原因は磨き残しのプラークの中の細菌であるということは皆さんご存じですが、それをしっかりととるということにはなかなか手が回っていないのではないでしょうか?
歯周病の治療の一環として、ブラッシング指導を受けてもらう患者さんはいますが、来院される方すべてが受けているわけではありません。
小学生なら、学校で染めだしをして練習することもありそれほど抵抗なく受けてもらえます。
でも、通常の治療を受けに来られている方で、積極的にブラッシング指導を受けたいといわれる方はやはり少数派です。
おすすめしたら、子供みたいとか、いまさら恥ずかしいとか、自分はちゃんとやっているとかたくなに拒否する方もおられます。
でも、歯科を受診するぐらいですから、完璧にできている方は非常に少ないです。
私は歯科医院で患者さんに最も受けてほしい治療行為はブラッシング指導だと思っています。
虫歯の治療も入れ歯を作るのもそれぞれ大事ですが、でもそれらはあくまで失った機能を回復させるためのものです。
最高でも元に戻すということです。そしてすべてが元に戻るということは残念ながらあり得ません。自動車は買い替えれば新車になりますが、いくらお金をかけても自分の口の中をリセットすることはできません。どんな独裁者でも無理です。裏技もありません。見た目はきれいになっても自分の歯に勝るものはありません。
歯の状態を悪くしない、そして気持ちのいい口の中を維持することは、ブラッシングがきちんとできないと不可能です。
そして、歯磨きを専門家から教わらない限り誰も自分の口の中をきちんと磨くすべを知る方法はありません。
いくら動画をみたり、専門書を読んでも口の中は一人一人違います。歯並びも違いますし、利き腕も癖も違います。一人一人キッチリと時間を取って歯科衛生士の指導を受けることで初めてその時の自分の口にあった磨き方がわかります。一度練習したからと言ってその後一生上手に磨けるということもあまりないです。時間が空けば自己流に戻るのが普通です。磨いているのに汚れが多くなってきたら、もう一度指導を受けられるのがいいでしょう。
一生自分の歯で食べるということは健康寿命を延ばし、快適に生活できる基本だと思います。
キッチリとそのためだけに予約をしてもらって行う価値のあるブラッシング指導を是非歯科医院でお受けください。
一本も歯がない方は入れ歯の掃除の仕方を教わりましょう。
日本歯科医師会PRキャラクター「よ坊さん」 | 徳島県歯科医師会 常務理事 石本 卓司 先生 |