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徳島支部

誤嚥性肺炎予防のための口腔ケア


歯科健康コラム

 第1回

誤嚥性肺炎予防のための口腔ケア

 

 古くから、「風邪は万病のもと」と言い伝えられてきましたが、現在でも高齢者の肺炎は直接死因の第1位であり、肺炎を中心とした気道感染の予防は、きわめて重大な課題となっています。

 ただし、細菌・ウイルスなどによる肺炎は、市中肺炎あるいは院内肺炎と、誤嚥性肺炎の2つに分けて、その対策を考えなければなりません。

 

 まず、市中肺炎・院内肺炎の代表的なものとしては、インフルエンザ菌による肺炎があります。

 このインフルエンザ肺炎について考えると、「感染源」対策としては、いわゆる流行状況の調査と罹患者の隔離措置を行います。「感染経路」対策は、マスク着用による空気感染の遮蔽と、うがいによる上気道に付着した微生物の除去が有効です。「感受性宿主(※1)」対策としては、近年ワクチン接種が注目されています。

 

 一方、誤嚥性肺炎は、市中肺炎・院内肺炎と大きく異なる点があります。インフルエンザ肺炎は、「感染源」と「感受性宿主」が別個のもので、その間に「感染経路」がありますが、誤嚥性肺炎は同じ個体内で起こる、いわゆる内因性の感染ということが言えます。

 誤嚥性肺炎は、口腔内の細菌を無意識のうちに飲み込んでしまうこと(不顕性誤嚥)により、肺炎を発症します。つまり、「風邪をひかない」「インフルエンザにかからない」などの注意をしていても、予防しにくいのが誤嚥性肺炎です。

 

 誤嚥性肺炎の予防法について、「感染源」対策としては、口腔咽頭細菌叢(※2)のコントロールです。「感染経路」については誤嚥自体の予防が、「感受性宿主」対策は免疫能の回復、すなわち抵抗力の増強が必要です。

  しかし、要介護度が高くなればなるほど、「感染経路」と「感受性宿主」への対策が難しくなるので、主に「感染源」対策としての口腔咽頭細菌叢のコントロール、すなわち『口腔ケア』が重要となります。

 

 目に見える清潔対策として入浴や全身清拭には熱心でも、口の中は、なおざりにされている場合が多いので、誤嚥性肺炎予防のためにも、ぜひ『口腔ケア』の励行をお勧めします。

 

 

※1 … 細菌やウイルスの感染を受ける個体、ここでは人間の身体

※2 … 口と喉に常在する細菌の塊

 

一般社団法人 徳島県歯科医師会

副会長   佐藤 修斎 先生

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