健診や人間ドックで用いられる基準値とは、健康な人々の検査データを統計学的に算出した数値のことです。このデータは、20〜60歳くらいまでの健康な人の検査成績をもとに、上限と下限の2.5%ずつを除外したもので、残りの95%の人の数値が基準範囲とされています。つまり、「現時点では健康と考えられる人の95%が含まれる範囲」が基準値ということです。 検査後、検査項目ごとに受診者の数値と基準値を照らし合わせて「異常なし」「異常あり」などといった判定をします。異常があった場合、より精密な検査が必要となります。また、異常がなくても、油断は禁物です。この機会に生活習慣を見直し、改善すべきところがあれば早目に改善しましょう。 |
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内臓脂肪の蓄積を基盤に、動脈硬化リスク(高血圧・高血糖・脂質異常)を複数あわせもった状態を「メタボリックシンドローム」といいます。
検査数値が「高血圧症」「糖尿病」と診断されない軽度の異常であっても、複数あわせもつと動脈硬化が進行し、心筋梗塞や脳卒中を発症する危険が高まることが分かっています。
特定保健指導では、メタボリックシンドロームのリスク数に応じた保健指導を行います。
内臓脂肪の蓄積 |
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必須 |
おへその位置での腹囲 男性 85cm以上 女性 90cm以上 |
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上記に加えて以下のABCのうち2つ以上に該当 |
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A |
血中脂質 中性脂肪 150mg/dl以上 HDLコレステロール 40mg/dl未満 のいずれかまたは両方 |
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B |
血圧 収縮期血圧(最高血圧) 130mmHg以上 拡張期血圧(最低血圧) 85mmHg以上 のいずれかまたは両方 |
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C |
血糖 空腹時血糖値 110mg/dl以上 |
内臓脂肪型肥満(腹囲とBMIで内臓脂肪蓄積のリスクを判定します) |
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内臓脂肪型肥満A |
腹囲:男性85cm以上、女性90cm以上 |
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内臓脂肪型肥満B |
腹囲:男性85cm未満、女性90cm未満 かつBMI:25以上 |
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追加リスク(健診結果・質問票より追加リスクをカウントします) |
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(1)血糖 |
空腹時血糖値※100mg/dl以上またはHbA1c 5.6%(NGSP値)以上 |
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(2)脂質 |
中性脂肪150mg/dl以上または HDLコレステロール40mg/dl未満 |
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(3)血圧 |
収縮期血圧(最高血圧)130mmHg以上または 拡張期血圧(最低血圧)85mmHg以上 |
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(4)喫煙歴 |
(1)~(3)のリスクが1つでもある場合にリスクとして追加 |
※H30年4月1日以降の健診では、やむを得ない場合、随時血糖を用いる。
動機づけ支援 |
内臓脂肪型肥満Aでリスクが1つ、内臓脂肪型肥満Bでリスクが1つ~2つ |
積極的支援 |
内臓脂肪型肥満Aでリスクが2つ以上、内臓脂肪型肥満Bでリスクが3つ以上 |