お口潤っていますか (令和2年7月)
令和02年07月01日
こんにちは!奈良県歯科医師会です。
令和元年5月から2か月に1回、「大人の歯とお口まわり」について、情報満載の健口コラムを連載しています。元気に働くために、また健康で長生きするために、お口まわりのケアは皆様の想像以上に大切です。
皆様の健康のために、私たち奈良県歯科医師会がお手伝いいたします!
お口潤っていますか |
ふだんしゃべったり、食べたりしてもお口の中が傷つかないのは、唾液が潤しているからです。
唾液には、たくさんのいい作用があります。
■お口の中の潤滑油みたいなもので、咀嚼・発音がスムーズになります
■食べ物と唾液が合わさり、食べ物がまとまり、飲み込みやすくなります
■唾液の中には消化酵素(アミラーゼ等)が含まれ、食べ物の栄養分が体内に吸収しやすくなります
■唾液の中には抗菌物質(リゾチームやラクトフェリン等)が含まれ、ばい菌が入ってきても、体を守る作用があります
■食べ物の中の味物質が唾液の中に溶け込み、舌の味蕾という味を感じる部分に届き、味を感じることができます(食べ物の味が分かります)
■唾液中のイオンの働きによって、お口の中のpHを中性に保ちます(食後は酸性に傾きますが、そのままだと虫歯になります)
■再石灰化作用があります(歯は毎日食べ物の酸や虫歯菌の出す酸でいくらか溶けていきますが、唾液が溶け出したカルシウムイオンとリン酸イオンを歯に届け修復してくれます)
これ以外にも、いろいろな作用を持ち、例えばがん予防の酵素や、老化防止のホルモンも含んでいます。
噛むとドンドン唾液は出ます。(1日1.5ℓぐらい出ます)たくさん噛んで、しっかり唾液を出しましょう。
お口の中がパサつくような感じはないですか?
唾液の分泌が減ってくると、そのように感じます。
加齢によるもの、ストレスや生活習慣によるもの、薬の副作用によるもの、全身的な病気によるもの、がん治療での放射線によるもの等、いろいろな原因があります。
対処として、その原因により水分補給、薬剤の副作用の軽減、唾液腺マッサージ、保湿剤、お薬、人口唾液、生活習慣の改善、口呼吸への対応等があります。
すこしでも潤いアップのため、かかりつけの歯科医院へ相談してください。
≪生活の中で気をつけていただきたいこと≫
●よく噛んで食べましょう
●水分を十分にとりましょう
●お酒・たばこはよくありません
●コーヒー・紅茶の飲み過ぎに注意しましょう
●口呼吸は口が渇くもと
噛 む
健康の秘訣は、よく噛むことです。よく噛むことにより、体も心も脳も健康になります。
人間が生きていくためには、食事は欠かすことができません。
美味しいものを食べることは、とても楽しいことです。心が安らぎ幸せな気分になれます。
大切なことは、美味しいものを食べるだけでなく、美味しくいただけることです。
そのためには、健康な歯が必要です。
不幸にして歯をなくされた方も、しっかりと噛める入れ歯を入れておくことが大切です。
★奈良県歯科医師会では、事業所における歯科健診事業を実施しています。
詳しくは、奈良県歯科医師会までご連絡ください。(電話0742-33-0861、ホームページはこちら)
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