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CKDシリーズ①CKDって?世界腎臓病デー

  

こんにちは!協会けんぽ奈良支部の保健師と管理栄養士です!

今回は、「CKDとは?と腎臓のはたらき」についてお伝えします。

 

◆皆様はCKDをご存知ですか?


慢性腎臓病のことでChronic(慢性) Kidney(腎臓)Disease(病)を略してCKDと呼んでいます。

あまり耳慣れないかもしれませんが、なんと日本人の8人に1がCKD患者で、慢性腎不全や心筋梗塞、脳卒中などのリスクを高め、新たな国民病と言われています。

 

増え続ける腎臓病を防ぐため、2006年より毎年3月の第2木曜日が「世界腎臓病デー」と定められ、腎臓病の治療と対策を啓発するためのイベントが各地で催されます。

 

◆どのような状態をCKDというのでしょう・・・?


①    蛋白尿などの腎障害の存在を示す所見がある

②    e-GFR 60(ml/分/1.73㎡)未満

①・②のいずれか、または両方が3ヶ月以上続いた状態をCKDと定義します。

 

腎臓は一度機能が低下すると元に戻りにくい臓器です。また、腎機能が低下してくる初期のうちは自覚症状が現れにくいのが特徴です。

CKDが進行してくるとだるさめまいむくみなどの症状が現れますが、その頃にはかなり重症となっています。

腎臓の機能が低下すると尿中に蛋白が漏れ出たり、 蛋白質の老廃物であるクレアチニンが血液の中に増えたりします。

ですから、定期健康診断で

•尿検査で蛋白尿や微量アルブミン尿が出ていないか

•血液検査のクレアチニン値から推算したe-GFR(推算糸球体ろ過量)が低下していないか

などをチェックし、異常所見が出た時には早めに医師に相談しましょう。(e-GFRは血液中のクレアチニン値、年齢、性別から推算されます)

 

CKDの危険因子でもある高血圧症や糖尿病、高尿酸血症などがコントロールされないまま放置されると腎機能が急激に低下し、人工透析や腎移植の道を辿ってしまうことになります。(危険因子は他にもあります。それについては次回お伝えします。)

 

下の<CKD重症度分類>を参考にご覧ください。

 

さて、これまで簡単にCKDについてお伝えしました。

◆私たちの腎臓はどのような働きをしているのでしょうか・・・?


腎臓は腰の少し上あたりに左右1個ずつあり、ソラマメのような形をしている臓器です。

1個の腎臓の中にはネフロン(糸球体という細い血管のかたまりと尿細管がセットになっている)が約100万個詰まっています。(ネフロンは血液のリサイクル装置のようなもの)

腎臓はたくさんの働きをしていますが、その中でも最も大切な役割は「体内を流れる血液を糸球体でろ過してきれいにし、取り除いた老廃物を尿として体外に排泄すること」です。この働きがうまくいかなくなると、からだの中に毒素がたまり尿毒症となり命を脅かします。

その他にも

     ・血圧をコントロールするホルモンの分泌

     ・からだの中の水分量や塩(ナトリウム)を始めとする電解質(イオンバランス)の調整

     ・赤血球をつくる刺激ホルモンの分泌→貧血にならないようにする

     ・ビタミンDを活性化させカルシウムやリンの吸収を促進→骨を丈夫にする

など、大切な役割がいっぱいです。

 

加齢により腎機能は年々低下していきます。その低下スピードに追い討ちがかからないよう、早いうちから腎機能低下の予兆を発見し、腎臓を守っていくことが大切です。

CKDは治療や生活習慣の改善により、ある程度進行を抑えることができます。

 

 ◆CKDとはどんなものか、おおよそを知っていただけたでしょうか・・・?


CKDは「高血圧」「糖尿病」「脂質異常症」「高尿酸血症」「肥満」「貧血」や「生活習慣」などとの関わりがあります。

シリーズ第2回は「CKD(慢性腎臓病)と関連する疾患」について、シリーズ第3回は「CKD予防、悪化予防のための生活習慣改善」についてお知らせしたいと思います。

 

3月の世界腎臓病デーには、日頃から頑張っている腎臓の存在を意識し、その大切な腎臓を長持ちさせるためにはどうしたら良いか考えてみませんか?

次回以降も是非ご覧ください。

 

 

CKD重症度分類> 

原疾患

                    蛋白尿区分          

A1

A2

A3

糖尿病

尿アルブミン定量

(mg/)

尿アルブミン/Cr

(mg/gCr)

正常

微量アルブミン尿

顕性アルブミン尿

30未満

30299

300以上

高血圧   腎炎

多発性嚢胞腎

腎移植 不明 その他

尿蛋白定量

g/日)

尿蛋白/Cr

g/gCr

正常

  ±)

軽度蛋白尿

(+)

高度蛋白尿

(2+  3+)

.15未満

.15~.49

.50以上

GFR区分

(mL//1.73)

G

正常

または高値

90

 

 

 

G

正常

または軽度低下

6089

 

 

 

G3a

軽度

中糖度低下

4559

 

 

 

G3b

中等度

高度低下

3044

 

 

 

G4

高度低下 

1529

 

 

 

G5

末期腎不全

15

 

 

 

重症度は原疾患・GFR区分・蛋白尿区分をあわせたステージにより評価する。

CKDの重症度は死亡、末期腎不全、心血管死発症のリスクを緑のステージを基準に、黄、オレンジ、赤の順にステージが上昇するほどリスクは上昇する。(KDIGO CKD guideline 2012を日本人用に改変)    CKD診療ガイド2018