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糖尿病シリーズ②糖尿病の怖いところ

こんにちは!協会けんぽ奈良支部の保健師と管理栄養士です。

皆様の健康生活にお役に立つ健康情報を発信していきますので、ぜひお読みくださいね。

さて、11月14日は、世界糖尿病デーです!皆様はご存知でしたか?

糖尿病シリーズ①(こちら)でお伝えした「年々増え続ける糖尿病、糖尿病と言われたことがあるのに未受診あるいは治療中断者が多い」という現状。

この現状を改善しなければならない理由の一つは、「糖尿病は放置しておくと命を脅かす怖い病気」だからです。

自覚症状が現れにくいのが特徴である糖尿病ですが、自覚症状が無いからと血糖値が高いまま放置しておくと、どうなっていくのでしょう?

今回は、「糖尿病の怖いところ」についてお伝えします。

糖尿病は血液中の糖(ブドウ糖)が増えすぎた状態が続く病気です。

からだにとって、ブドウ糖(主にご飯・パン・めん類・芋類などの糖質に含まれる)は重要なエネルギー源です。しかし膵臓から分泌されるインスリンに不具合が起こると、エネルギー源として貯めておく肝臓・筋肉・脂肪組織にそのブドウ糖が上手く取り込まれず、血液の中の糖が多くなってしまいます。(高血糖状態)

[インスリンの不具合の原因は主に2つあります]

① インスリンの働きが悪い(インスリン抵抗性) ・・・肥満や運動不足、食べ過ぎ、飲み過ぎなどによって起こりやすく、特に内臓脂肪が増えるとインスリンの働きが悪くなります。

② インスリンが出にくい(インスリンの分泌低下)・・・遺伝的な体質や加齢によるものと考えられています。

 

血液中に糖が多い状態(高血糖状態)が続くと、どうなるのでしょう?

⇒全身に及ぶ合併症を引き起こします。

合併症の下地は「血糖値が高め」の状態(糖尿病発生前)から始まっています。

合併症には大きく分けて急性慢性があります。

 

急性合併症

糖尿病昏睡

急激に高血糖になることで意識障害を起こす。(重症では昏睡、時には死に至る)

 

慢性合併症

大小の血管が傷つくことにより起こる。

[三大合併症] 細小血管障害(細い血管が傷つくことによる障害)

●神経障害(末梢神経障害・自律神経障害)

初めに起こる合併症。末梢神経障害は手足のしびれなどから始まり、感覚が鈍くなる。壊疽(えそ)(血流が途絶え組織が腐ってくる)などに進行

⇒重症化すると下肢切断

●網膜症

目の網膜の血管が傷んで起こる。網膜出血や網膜剥離をきたし、視力低下

⇒重症化すると失明(成人の失明の原因の第2位)

●腎症

腎臓の血管が傷み、機能が低下して、慢性腎炎・腎不全(塩分・水分の調整が十分にできなくなる。尿中に出るはずのないタンパクが慢性的に出る。老廃物を尿に出せなくなるなど)

⇒重症化すると人工透析

[大血管障害] 動脈硬化

●脳梗塞

脳の血管の動脈硬化が進んで、血のかたまりが詰まりやすくなる。

糖尿病でない人と比較すると2倍発症しやすくなる。

●心筋梗塞・狭心症

心臓の血管の動脈硬化が進んで、血のかたまりが詰まったり(心筋梗塞)、血の流れが悪くなる(狭心症)。

糖尿病でない人と比較すると2~4倍発症しやすくなる。

●閉塞性動脈硬化症

足の血管の動脈硬化が進んで、血液の流れが悪くなり、歩くのが困難になる。

血流が途絶えると組織が壊死し、重症化すると切断せざるを得なくなる。

糖尿病でない人と比較すると4倍発症しやすくなる。

 [その他]

●歯周病

歯ぐきの細い血管が傷ついて、出血しやすくなり、歯周組織がもろくなって歯が抜けてしまう。

●肺炎・皮膚炎など

免疫機能が低下して、感染症や炎症がおこりやすくなる。

 

高血糖が続くと、糖尿病でない人に比べて認知症がん骨粗鬆症になりやすいとも言われています

★喫煙は動脈硬化を進めます。糖尿病に喫煙が重なると、血管障害が非常に起きやすくなり、心筋梗塞や脳卒中など、生命を脅かす病気を起こす危険性も高まります。

★糖尿病の人はもちろん、糖尿病予備軍の人でも、高血圧・喫煙・高コレステロールが重なると合併症が起こりやすいので注意しましょう。

★内臓脂肪が多いと、インスリンの働きをよくする善玉物質(アディポネクチン)の分泌量が低下し、逆にインスリンの働きを悪くする悪玉物質(TNF-α)が増加し、インスリンが十分に働かなくなり、血糖値が上がってしまいます。血糖値を下げてからだを守るためには、余分な内臓脂肪を減らすことが効果的です。

★かけがえのない自分の体を守るために高血糖に早めに気づくことが大事です。そのためにも定期検診は必ず受けましょう。

「高血糖が見られない方」は糖尿病にならないよう生活習慣を振り返って予防を、「糖尿病と診断された方」「糖尿病になる可能性がある(糖尿病予備軍)と言われた方」は定期受診をして日頃の血糖値を把握し、良好にコントロールすることが大切です。    

糖尿病の予防、悪化防止のためには、日頃の生活の中で何に気を付ければ良いのか・・・?

次回の「糖尿病シリーズ③予防・悪化防止のための生活習慣」でお伝えしたいと思います。

参考:病気が見えるvol.3糖尿病・代謝・内分泌 第4版