自己判断でお薬をやめていませんか?
令和02年04月10日
(公益社団法人 石川県薬剤師会より記事提供)
自己判断でお薬をやめてはいけません。
聞いたことがあると思いますが、それはなぜか考えたことはありますか?
今回は自己判断でお薬をやめるとなぜいけないのか、具体例を挙げて考えてみましょう。
<① 肺炎の場合>
肺炎の治療は抗生物質を使います。抗生物質は細菌を抑えたり殺したりするお薬です。肺炎は肺炎球菌という細菌が体の中で増え、一般的に発熱(38度以上の高熱)、咳、たん、息切れなどの症状が発現します。
Q.肺炎の治療で使う抗生物質を自己判断で勝手にやめてしまうとどうなるの?
・抗生物質の効果が出ない【耐性化】した細菌が発現する
・抗生物質が効かないので、症状が改善しなくなる
(例えば、熱が下がらない、咳やたんが止まらない など)
・免疫力が低下している子どもやお年寄りの方にとっては致命的となる
お薬を正しく使わないと体の中の細菌が中途半端に残ってしまい、【耐性化】がおこるのです。
抗生物質は医師が処方された日数をしっかり使う必要があります。
<② 喘息の場合>
喘息のお薬には飲み薬や貼り薬、吸入の薬などがありますが、喘息の症状が緩和したと自己判断し、お薬をやめてしまう場合があります。
Q.喘息のお薬を自己判断でやめてしまうとどうなるの?
・症状が緩和しても気管支の中で炎症は継続しているため、炎症をお薬で抑えていないと何らかの
原因で発作が始まる
・あとから更につらい状態になることがある
なぜ自己判断でお薬をやめてしまうのでしょうか。そこにはお薬を使っている方々の不安や疑問があると思います。
そういった場合、自分や医療関係者ではない方だけで判断せず、必ず医師や薬剤師に相談しましょう。自分で抱え込まず、いつでも相談にのってもらえる【かかりつけ医】、【かかりつけ薬剤師】をもちましょう。