1品でたんぱく質、脂質、炭水化物、ビタミン類、ミネラル類がとれるバランス食を食べてメンタルのバランスもとりましょう。
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ウィンナーは5mm厚さの輪切り、玉ねぎ、にんじん、ピーマンはみじん切りにする。 | |
フライパンに油を入れ、玉ねぎと鶏ひき肉を中火で色が変わるまで約2分間炒める。 | |
次ににんじんを加えて約30秒間炒めてからウィンナー、ピーマン、コーンを入れ、さらに1分間炒める。 | |
材料に火が通ったら、温かいごはんを入れ、顆粒コンソメ、塩、こしょうをふりかけ、全体が混ざったところで半量のケチャップを入れ、最後にしょうゆを入れて味を調える(約1分間)。皿の上にオムライスの形に盛りつける。 | |
卵、牛乳を器に入れて、よく割りほぐす。フライパンにバターを入れ、弱火で溶かす。バターが溶けたら割りほぐした卵を入れ、少しかきまぜながら強火で平たく焼く。 | |
卵に七分どおり火が通ったら火を止め、4のケチャップライスにのせてオムライスにする。残りのケチャップをかけて飾る。 |
栄養のバランスが崩れると、体に様々な支障をきたします。アンバランスな食事を続けると、健診結果に反映されますが、そればかりではなく脳のバランスにも関係していきます。精神的なバランスをとるために、食事を見直してみましょう。WHO(世界保健機関)の健康の定義でも「健康とは、病気でないとか、弱っていないということではなく、肉体的にも、精神的にも、そして社会的にも、すべてが満たされた状態にあることをいいます。(日本WHO協会訳)」とされています。
バランスのとれた食事とは、五大栄養素(炭水化物、たんぱく質、脂質、ビタミン、ミネラル)をバランスよく含んでいる食事のことです。それには農林水産省の「食事バランスガイド」にも示されているとおり、「主食(炭水化物)」「主菜(たんぱく質、脂質)」「副菜(ビタミン、ミネラル)」のそろった食事をとることが大切です。毎食必ず主食、主菜、副菜がそろい、五大栄養素がバランスよく含まれているかを確認しながら食べるようにしましょう。「ダイエットのため炭水化物は食べない」という声を聞くことがありますが、脳には常に新しいブドウ糖が供給されていなければなりません。ブドウ糖は炭水化物が分解されてできるため、食事中の炭水化物が少ないと新しいブドウ糖が供給されずに思考が滞ってしまいます。「ブドウ糖は血糖値を上昇させる」など悪いイメージもありますが、とても重要な役割を担っているのです。
では、具体的な栄養バランスのとり方を考えていきましょう。
主食 基本は「1」です。1食につき、ご飯1杯、パン1枚、麺類1人前のいずれかとなります。また、1食1種類ということも大切で、例えば定食でそば+かやくごはん、ラーメン+ライスなど1食に2種類以上の主食をとるのは禁物です。 |
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主菜 たんぱく質を多く含む食品のおかずで、いわゆるメインディッシュです。肉、魚、卵、大豆製品(豆腐や納豆など)のおかずです。これらの食品は必ず1食に1品はつけたいところです。食品によって栄養価が異なるため、3食とも肉のおかずや、ダイエットのため3食とも豆腐などという食べ方ではなく、肉、魚、卵、大豆製品と、まんべんなくたんぱく質性の食品をとりましょう。 |
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副菜 主に野菜、きのこ、海藻、こんにゃくのおかずです。毎食1~2品ほしいところです。不足しがちなビタミンやミネラル、食物繊維をとることができます。芋類も副菜に入りますが、毎食では糖質のとり過ぎになります。芋類を副菜にする場合は、1日につきじゃがいも中1個分程度の量までにしましょう。また、沢煮椀(12月のレシピにリンク)のような具だくさんの汁物は、食事バランスガイドでは副菜にカウントします。ただし、汁物は塩分の摂取量が多くなってしまいますので、1日1~2回までにしましょう。 |
以上のように食事に気をつけて栄養バランスをとることが、心身ともにバランスのとれた健康的な生活につながります。
今回の食事はオムライスで、これ1品で主食と主菜がそろった食事になります。これにサラダをプラスすると、栄養バランスのとれた食事になります。オムライスに脂質を多く使用しているので、マヨネーズを使用するサラダを避け、ノンオイルドレッシングを利用するとよいでしょう。
卵
卵かけごはん、卵入りチャーハン、だし巻き玉子、目玉焼き、茶碗蒸し、かきたま汁、プリン、ババロアなど、主食から主菜、副菜、スイーツに至るまで様々な料理に使われている卵ですが、とても栄養価が高く、「完全食品」ともいわれています。 卵の栄養価はたんぱく質のほか、脂質、鉄、ビタミンA、ビタミンB1、ビタミンB2などが挙げられます。 たんぱく質の栄養価は、9種類の必須アミノ酸(体では必要量を合成できず、食品からとらなければならないアミノ酸)の量とバランスで決まります。卵のたんぱく質には、必須アミノ酸が過不足なく理想の割合で含まれています。 |
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ごはんは、リシンという必須アミノ酸が少ないため、たんぱく質の栄養価は低くなっています。卵かけごはんや、玉子丼、オムライスなどのように、必須アミノ酸のバランスがよい卵と一緒にごはんを食べることで、たんぱく質の栄養価がとてもよくなります。 卵には、鉄が多く含まれています。しかも、体内への吸収がよいヘム鉄です。ビタミンAも卵黄に特に多く含まれています。どの卵も卵黄はほぼ20g程度です。下の表は100g当たりの栄養価ですので、卵黄だけなら5個分、全卵では2個分、卵白だけでは3~3.5個分の栄養価と考えられます。さらに、とりにくい栄養素であるビタミンB1やビタミンB2も豊富です。 また、卵黄に含まれるコリンを摂取すると、神経の伝達物質であるアセチルコリンが生成されるため、集中力を高めたり脳を活性化するといわれています。 一昔前までは「卵はコレステロールを多く含んでいるので、1日1個まで」「血中のコレステロール値が高い人は控える」などといわれていましたが、卵の摂取量と血中のコレステロール値の関係について十分な科学的根拠が得られなかったようです。ただし、下の表からもわかるように、カロリーが高いうえ、卵は牛乳、小麦とともに3大アレルゲンの一つですから、1日1~2個にとどめるとよいでしょう。 栄養価の高い卵を利用して、様々な料理に挑戦してみましょう。 |
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卵・卵黄・卵白の栄養価(100g当たり) | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
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[レシピ考案・監修] 相模女子大学短期大学部食物栄養学科 准教授
管理栄養士 井上 典代