第5回 肩こりの注意点
令和04年03月07日
多くの方が肩こりを経験されていると思います。
仕事、PC操作、スマートフォン、読書などで長時間同じ姿勢で過ごすことを繰り返して生じることは想像がつきますね。近年はゲーム、スマホを操作する時間が長くなっている小、中学生の肩こりが問題になっています。
肩こりは頚部、肩甲部、背部の関節、筋肉が硬くなることが元々の原因ですが、重症化して後頚部の筋肉が硬くなると頭痛を併発し、頚深部で硬くなった筋肉が腕に伸びる神経や血管を圧迫すると手の痺れ、痛みを生じるようになります。
肩こりの予防対策は、まず仕事やPC操作時の環境整備(机、椅子の高さ、照明、キーボードの操作性など)、姿勢、適度な休憩(休憩時は十分リラックスする)です。視力の調整、噛み合わせの調整、運動習慣(ストレッチだけでなく全身の筋肉をほぐすウオーキング、ジョギングも)、栄養摂取(貧血の原因となる鉄不足、筋肉を硬くしてしまうマグネシウム不足などミネラル不足やビタミン不足は重症化、慢性化の原因になります)、十分な睡眠時間も大切なポイントです。
さて、肩こりにはもう一つ見逃せないポイントがあります。
狭心症や心筋梗塞などの心臓病、肺癌、肝臓癌、膵臓癌など悪性腫瘍の一症状として肩こり(肩甲部や背部の痛みを伴うこともあります)があります。
内蔵疾患の痛みを、脊髄を通して脳に伝達する際にその途中の肩周囲の痛みとして捉えることがあるようです。長く症状が持続する場合には内臓疾患について診察を受けることをお勧めします。
定期的に健診や人間ドックでチェックすることや日頃から肥満、飲酒、喫煙など健康管理が大切です。
名越整形外科医院 院長 名越 充