第2回 ドライアイ~ドライアイってどんな病気?~
令和03年06月22日
「目の健康情報」をテーマにコラムをお届けしています。今回はドライアイについてのお話です。
ドライアイの人の割合
日本では2200万人ものドライアイ患者さんがいると言われています。オフィスワーカーを対象とした調査では、全体の60%以上がドライアイもしくはその疑いがあるという報告もあります。また、男性に比べ女性の方がドライアイにかかりやすいことも知られています。
ドライアイの症状
ドライアイは「目が乾く」という症状だけではなく、「目がかすむ」、「見えにくい」、「目が疲れる」、「目が痛い」、「涙や目やにが出る」、「まぶしい」といった様々な症状を引き起こします。このような症状が慢性的に続き生活の質を低下させます。
ドライアイを悪化させる要因
ドライアイは生活環境に大きく影響を受けることが分かっています。ドライアイを悪化させる代表的な要因は①パソコン、スマートフォン、タブレットなどの長時間使用(まばたきの回数が減り、乾きやすくなる)②コンタクトレンズ装用(涙の層が不安定になる)③過度なエアコンの使用(空気が乾燥し、涙が蒸発しやすくなる)等です。いずれも現代人の生活から切り離せないものですが、過度な使用は目の表面に大きな負担をかけていると言えます。
ドライアイの治療
以前は点眼薬を使用し、外から水分を補う事が治療の主流でした。しかし近年、目の表面から水分や涙の不足成分を分泌させる新しい働きの点眼薬も登場しています。眼の表面、涙の状態を診察し、このような点眼を組み合わせて治療します。また、パソコン使用時は意識的にまばたきを増やす、エアコンの風が直接当たらないようにする、加湿器を使用する、眼鏡を併用しコンタクト装用時間を短くするなど悪化要因を減らすことも大切です。
ドライアイは失明するような病気ではありませんが、見え方の質、生活の質を低下させます。気になる症状があれば早目に眼科を受診しましょう。
コラム執筆 井口俊太郎
いのくち眼科クリニック
岡山県眼科医会広報担当理事
岡山県眼科医会URLはこちら↓(外部ページへリンク)
(http://www.okayama.med.or.jp/gankaikai/)