
寒さで乾燥した日々が続き、風邪やインフルエンザが気になる時期ですね。健康は食事からとも言うように、免疫力を高める食事を意識することで、体をしっかり守りましょう。
今回は、冬にぴったりな免疫力アップの食材や食事のとり方について紹介します。
発酵食品で腸内環境を整えましょう
冬の寒さで体が冷えると、腸の働きも低下しがちです。腸は消化と栄養を吸収する場所で、体に悪いものが入ってきやすい場所です。免疫細胞が腸に多いと体に悪いものを吸収しないようにガードしてくれます。腸内の免疫細胞を活性化させるためにヨーグルトや納豆、キムチといった発酵食品を取り入れることで、腸内環境を整え、免疫機能をサポートしましょう。
旬の野菜・果物でビタミン類を補給
冬の野菜や果物はビタミンCが豊富で、免疫細胞を活性化させる効果があります。特に大根やキャベツ、ミカンなどがおすすめです。お茶や青汁など飲料から手軽に摂ることもできます。ジュースからビタミンCを摂る場合は、砂糖や添加物がないもの(100%果汁のものなど)を選びましょう。
抗酸化作用のある冬野菜を温かい食事で食べよう
冬の食卓に欠かせないニンジンやホウレンソウには、免疫力維持に役立つ抗酸化物質がたくさん含まれています。「体温が下がると免疫力が低下する」ことがあるので冷えを防ぐため、煮込み料理やスープにして温かく食べるのがおすすめです。
魚や大豆で良質なタンパク質やオメガ3脂肪酸を摂ろう
タンパク質は免疫細胞を作るのに必要な栄養素で、魚や豆類からたくさん摂れます。特に冬に多く採れるブリやサケには、タンパク質やオメガ3脂肪酸が豊富です。オメガ3脂肪酸は抗酸化物質を持っているため、免疫を強くする力があります。魚を積極的に取り入れましょう。
チェックリスト
以下項目をチェックして、日々の食生活が免疫力を支えているか確認してみましょう。
- ヨーグルトや納豆などの発酵食品を摂っていますか
- 旬の野菜や果物でビタミンCを補給するようにしていますか
- 抗酸化作用のある冬野菜(ニンジンやホウレンソウなど)を摂取していますか
- 温かい食事やスープで体を温め、冷えを防ぐよう意識していますか
- 魚や大豆製品から良質なタンパク質・オメガ3脂肪酸を摂るように心がけていますか
すべて当てはまると答えられた方は、免疫力を高める冬の食生活ができています。当てはまる項目が2~3個と少ない方は、食事のとり方をちょっと工夫してみませんか?
(参考文献)
- 1. DN Singh et al. (2023) “Common foods for boosting human immunity: A review” (Food Science & Nutrition)
- 2. Calder, P.C., et al. (2020). "Optimal Nutritional Status for a Well-Functioning Immune System Is an Important Factor to Protect against Viral Infections." (Nutrients, 12[4], 1181)
監修医 原口正
宇都宮大学保健管理センター・准教授、学生相談室長