標準報酬月額の決め方
標準報酬月額の決め方には、次の4通りの場合があります。
- 資格取得時の決定
新規に被保険者の資格を取得した人の標準報酬月額は、次の方法によって決めます。
a. 月給・週給など一定の期間によって定められている報酬については、その報酬の額を月額に換算した額
b. 日給・時間給・出来高給・請負給などの報酬については、その事業所で前月に同じような業務に従事し、同じような報酬を受けた人の報酬の平均額
c. aまたはbの方法で計算することのできないときは、資格取得の月前1か月間に同じ地方で同じような業務に従事し、同じような報酬を受けた人の報酬の額
d. aまたはbまでの2つ以上に該当する報酬を受けている場合には、それぞれの方法により算定した額の合計額
(関係条文 健康保険法 第42条 )
- 定時決定
平成18年7月1日より、報酬の支払基礎日数が20日以上から17日以上に改正されます。詳しくは、こちらをご覧ください。
よって、平成18年度以降の定時決定(算定基礎届)については、4月・5月・6月の報酬の支払基礎日数に17日未満の月がある場合には、その月を除いて決定します。
被保険者が事業所から受ける報酬は、昇給などで変動します。そこで、変動後の報酬に対応した標準報酬月額とするため、毎年1回、決まった時期に標準報酬月額の見直しをすることとしており、これを定時決定といいます。- 対象となるのは、7月1日現在の被保険者について、4月・5月・6月に受けた報酬の平均額を標準報酬月額等級区分にあてはめて、その年の9月から翌年の8月までの標準報酬月額を決定します。なお、支払基礎日数が、17日未満の月については、標準報酬月額の計算から除くことになっています。
- ただし、次のいずれかに該当する人は、定時決定は行われません。
- 6月1日から7月1日までの間に被保険者となった人
- 7月から9月までのいずれかの月に随時改定または、育児休業等を終了した際の改定が行われる人
短時間就労者(注)に係る平成18年度以降の定時決定の算定方法ついて
(注)短時間就労者とは、いわゆるパートタイマーの方々をいいます。
短時間就労者に係る定時決定時の標準報酬月額の算定については、次のいずれかにより行われます。1. 4、5、6月の3ヶ月のうち支払基礎日数が17日以上の月がある場合は、17日以上ある月の報酬月額の平均により算定された額により、標準報酬月額を決定する。
2. 4、5、6月の3ヶ月間のうち支払基礎日数がいずれも17日未満の場合は、その3ヶ月のうち支払基礎日数が15日以上17日未満の月の報酬月額の平均により算定された額により、標準報酬月額を決定する。
3. 4、5、6月の3ヶ月間のうち支払基礎日数がいずれの月についても15日未満の場合は、従前の標準報酬月額をもって当該年度の標準報酬月額とする。
支払基礎日数 標準報酬月額の決定方法 3ヶ月とも17日以上ある場合 3ヶ月の報酬月額の平均額をもとに決定 1ヶ月でも17日以上ある場合 17日以上の月の報酬月額の平均額をもとに決定 3ヶ月とも15日以上
17日未満の場合3ヶ月の報酬月額の平均額をもとに決定 1ヶ月又は2ヶ月は15日以上
17日未満の場合
(ただし、1ヶ月でも17日以上
ある場合は除く)15日以上17日未満の月の報酬月額の
平均額をもとに決定3ヶ月とも15日未満の場合 従前の標準報酬月額で決定
なお、短時間就労者にかかる随時改定時における標準報酬月額の算定については、前述の1から3のいずれかによらず、継続した3ヶ月のいずれの月においても報酬の支払基礎日数が17日以上必要となりますので、ご注意ください。(関係条文 健康保険法第41条、厚生年金保険法第21条)
- 随時改定
平成18年7月1日より、報酬の支払基礎日数が20日以上から17日以上に改正されます。詳しくは、こちらをご覧ください。
平成18年7月以降に行われる随時改定(月額変更届)については、昇(降)給等により、固定的賃金の変動のあった月以降(平成18年4月以降)継続した3ヶ月間のいずれの月も報酬の支払基礎日数が17日以上必要となります。
被保険者の標準報酬月額は、原則として次の定時決定が行われるまでは変更しませんが、報酬の額が著しく変動すると、被保険者が実際に受け取る報酬の額と標準報酬月額がかけ離れた額になることがあります。このため、被保険者が実際に受けている報酬の額に著しい変動が生じ保険者が必要と認めた場合には、標準報酬月額の改定を行うことができるようになっています。これを「随時改定」といいます。なお、改定された標準報酬月額は、次の定時決定までの標準報酬月額となります。
- 随時改定は、次の3つのすべてにあてはまる場合に、固定的賃金の変動があった月から4ヶ月目に改定が行われます。
- 昇(降)給などで、固定的賃金に変動があったとき
- 固定的賃金の変動月以後継続した3ヶ月の間に支払われた報酬の平均月額を標準報酬月額等級区分にあてはめ、現在の標準報酬月額との間に2等級以上の差が生じたとき
- 3ヶ月とも報酬の支払基礎日数が17日以上あるとき
- 固定的賃金とは?
基本給・家族手当・役付手当・通勤手当・住宅手当など稼働や能率の実績に関係なく、月単位などで一定額が継続して支給される報酬をいいます。(関係条文 健康保険法第43条、厚生年金保険法第23条)
- 随時改定は、次の3つのすべてにあてはまる場合に、固定的賃金の変動があった月から4ヶ月目に改定が行われます。
- 育児休業等を終了した際の改定
平成18年7月1日より、報酬の支払基礎日数が20日以上から17日以上に改正されます。詳しくは、こちらをご覧ください。
平成18年7月以降に行われる育児休業等終了時改定については、育児休業等の終了日の翌日の属する月以後3ヶ月間の報酬の支払基礎日数が17日以上ある月分の報酬の平均をもとに決定します。そのため、17日未満の月がある場合には、その月を除いて育児休業等終了時改定を行うことになります。
育児休業等を終了した(育児休業等終了日において3歳に満たない子を養育する場合に限ります。)後、育児等を理由に報酬が低下した場合であっても、随時改定の事由に該当しないときは、次の定時決定が行われるまでの間、被保険者が実際に受け取る報酬の額と標準報酬月額がかけ離れた額になります。このため、変動後の報酬に対応した標準報酬月額とするため、育児休業等を終了したときに、被保険者が事業主を経由して保険者に申出をした場合は、標準報酬月額の改定をすることができます。
なお、事業主はこの申出にあわせて、「健康保険・厚生年金保険育児休業等終了時報酬月額変更届」により保険者に届出をしなければなりません。
- 改定となる場合
- 被保険者が改定対象者に該当する場合であって、事業主を経由して保険者に申出をしたとき
【改定となる対象者】
- 1歳に満たない子または1歳から1歳6ヶ月に達するまでの子を養育するための育児休業を終了した被保険者
- 1歳から3歳に達するまでの子を養育するための育児休業制度に準ずる措置による休業を終了した被保険者
- 何を基準に改定するのか。
育児休業等終了月(ただし、終了した日が月末である場合は、その翌月)以後3ヶ月間に受けた報酬の平均月額を標準報酬月額等級区分にあてはめ、現在の標準報酬月額と1等級でも差が生じた場合には、改定します。 - いつから改定されるのか。
育児休業等終了日の翌日から起算して2月を経過する月の翌月から、標準報酬月額が改定されます。なお、改定された標準報酬月額は、次の定時決定までの標準報酬月額となります。(関係条文 健康保険法第43条の2、厚生年金保険法第23条の2)
- 改定となる場合