健康保険を使用してケガの治療をするとき
令和02年08月13日
交通事故やケンカなど第三者の行為でケガをしたときは 健康保険を使って病院にかかる場合は届出が必要です (健康保険法施行規則 第65条「第三者行為による被害の届出義務」) |
健康保険証を使って治療をする際にご確認ください
ア:労災保険の給付対象となりますので、詳しくはこちらへ。 イ:「第三者行為による傷病届」についてはこちらへ ウ:医療機関へ保険証を提示し、治療を受けてください。 |
健康保険証を使って治療をするポイントは3つです。
【ポイント1】すみやかに全国健康保険協会へ「第三者の行為による傷病届」の届出を
交通事故、ケンカ、他人の飼い犬等にかまれたときなど第三者の行為によって起こったケガや病気でも、健康保険を使った治療を受けられます。
第三者行為とは民法の不法行為にあたり、一般に使われている法令として、
「民法第709条 故意又は過失によって他人の権利又は法律上保護される権利を侵害した者は、これによって生じた損害を賠償する責任を負う。」とあります。
その治療に必要な医療費は本来、加害者が負担すべき医療費です。したがって、健康保険を運営する全国健康保険協会が立て替えた扱いになり、あとで加害者に請求することになります。(求償権の代位取得)
つまり、全国健康保険協会が、被害者である加入者様にかわって、給付を行った範囲内で加害者に損害賠償請求するわけです。
この請求に必要な事項を確認する書類が「第三者の行為による傷病届」となりますので、必ず加入されている全国健康保険協会の各支部まで届出されるようお願いします。
(なお、この届出において被害者とは医療機関に受診した方を、加害者とはその相手方を指します。ケガをされた本人の過失が大きい場合は「過失の大きい被害者」となりますが、この場合も同様に第三者行為による傷病届の提出は必要です。)
書類についてはこちらからダウンロードできます→「第三者の行為による傷病届」
第三者行為の主な例
例1.車同士の事故
車同士の事故で、信号無視、反対車線へはみ出しての衝突、後方からの追突などを除き、どちらもケガをした場合、どちらにも何らかの過失があることがほとんどです。その場合、どちらとも加害者であり、同時に被害者となりますので第三者行為となります。
例2.事故車に同乗していたとき
わき見運転等による自損事故によって同乗者がケガをした場合、運転者が加害者、同乗者が被害者となり第三者行為となります(同乗者が親族でも該当します)。
また、車同士の事故で同乗者がケガをした場合で双方に過失がある時は、被害者が乗車していた車両の運転手と相手方の運転手の双方が加害者になります。
例3.暴力行為により受けたケガ
見知らぬ相手に殴られて受けたケガなど、相手が特定できない場合も第三者行為となります。ただし、相手が判明した時点で、再度届出ていただくことになります。
例4.他人の飼っている動物などにかまれて受けたケガ
散歩中の犬に咬まれた場合も第三者行為となります。(民法第718条「動物の占有者等の責任」)
【ポイント2】示談は慎重に!
示談後も健康保険の給付を受けられるかどうかは、示談の内容によって決まります。後日思わぬ問題が生じることのないように、事前に全国健康保険協会鹿児島支部に相談してください。
特に以下の事例には留意されるようお願いします。
例1.健康保険で治療を受けている間に示談が成立した場合
被害者が治療費用を含む賠償金を受け取った場合には、その日以降、健康保険で治療を受けられなくなります。
例2.「健康保険で治療を受けているから医療費はいらない」といった示談をした場合
医療費の損害賠償請求を放棄したことになり、全国健康保険協会が立て替えている医療費を加害者に請求できなくなることから、医療費全額について被害者の自己負担となります。
【ポイント3】業務上や通勤途中の場合は?
業務上や通勤途中でのケガや病気は、健康保険を使った治療はできません。
業務上や通勤途中でのケガや病気については、第三者行為にかかわらず労災保険からの給付を受けることができます。勤務先にご連絡いただき、勤務先担当者や労働基準監督署と相談して手続きしてください。
詳しくは、こちらをご覧ください。
負傷原因の照会について
全国健康保険協会鹿児島支部では健康保険を使用してケガの治療をされた場合、ケガの原因等について、加入者様へ負傷原因を文書で照会させていただくことがあります。
大変お手数ですが、照会があった際には必ずご回答くださいますようお願い申し上げます。