知ってほしい《糖尿病》の恐ろしさ
平成29年06月30日
糖尿病ってどんな病気?
血液中に含まれる糖分(ブドウ糖)のことを血糖といい、血糖の量(血糖値)は、インスリンというホルモンの働きによって調節されます。
食後は、血糖値が上昇しますが、通常はインスリンの働きによって血糖値は下がります。しかし、何らかの原因でインスリンの分泌が低下したり、分泌されたインスリンがうまく働かなかったりすると、食事からとったブドウ糖がうまく処理されなくなり、血液中にたまって血糖値が高い状態が続きます。
この状態を「糖尿病」というのです!
糖尿病はなぜ怖い?
糖尿病自体は、直接命に関わる病気ではありませんが、自覚症状がないまま進行して、合併症を起こすことが大きな問題なのです。なかでも糖尿病特有な「三大合併症」をご紹介します。
糖尿病性網膜症
眼底の血管の障害を引き起こし、ものが見えにくくなります。最悪の場合失明になることもあります。
糖尿病性神経障害
末梢神経の障害を引き起こし、全身にさまざまな症状をもたらします。
第1段階 足のしびれ ⇒ 第2段階 足の神経が麻痺 ⇒ 最終段階 壊疽を起こし、足の切断を余儀なくされることも
糖尿病性腎症
腎臓機能の障害を引き起こし、タンパク尿やむくみが現れます。進行すると慢性腎不全になり、人工透析が必要になることもあります。
糖尿病の原因は?
糖尿病の多くは、悪しき生活習慣が最大の危険因子となります。
●糖尿病の危険因子
「過食」・「多量の飲酒」・「運動不足」・「喫煙」・「ストレス」・「高血圧」・「脂質異常症」・「肥満」・「遺伝的要因」
糖尿病を予防・改善するためには?
糖尿病の危険因子の多くは、生活習慣を改善することで減らすことができます!
●生活習慣改善のポイント
「過食・早食いをしない」
「野菜から食べ始める」
「食物繊維が豊富な野菜や果物を積極的にとる」
「動物性脂肪を控え、青魚などの魚を積極的にとる」
「コレステロールを多く含む食品を控える」
「塩分を控える」
「飲酒は適量を守る」
「適度な運動を習慣づける」
「喫煙者は禁煙を実行する」
健康診断の結果はここをチェック!
「空腹時血糖」
「ヘモグロビンA1c」
いずれも高血糖、すなわち糖尿病の有無を調べます。
糖尿病という病名はよく聞きますが、どうして治さなければいけないのか分からない方もいらっしゃるのではないでしょうか。糖尿病を放っておくとこんなに恐ろしい合併症を引き起こすことがあるのです。
「あのとき早めに治療していれば…。」とならないよう、ぜひご自身だけでなくご家族や会社の従業員様の中で、健診結果に異常となった方がいらっしゃいましたら、生活習慣の改善や早期治療のお声掛けをお願いします。