医療機関の皆様へ:仕事中や通勤途中にケガをしたときは健康保険を使用できません
仕事中や通勤途中に被ったケガは、労災保険から給付されますので、健康保険を使用することができません。(このことは法律で定められています)
つまり、仕事中や通勤途中に被ったケガの治療について、負傷された方自身(又は会社)が労災保険と健康保険のどちらを使用するか選択することはできず、必ず労災保険へ手続きを行っていただくことになります。
医療機関の皆様におかれましては、患者様から事故の状況を聞き取りされたうえで、労災保険の適用になるのかどうかを判断のうえ事務手続きを行っていただいているところですが、協会けんぽ愛媛支部においても、加入者・事業主・損害保険会社などへ医療制度に係る周知・啓発を行い、健康保険使用に関する適正化に努めてまいりますので、今後ともご協力をお願いいたします。
以下、健康保険から労災保険に切り替える手続きの際に、加入者から相談(問合せ)の多かった事例を以下にとりまとめましたので参考にしてください。
(事例1)損害保険会社から「健康保険を使用してください」と言われた。
交通事故などで損害保険会社に相談した際に、「健康保険を使用してください」と言われることがあります。これは損害保険会社の担当者が今回のケガを「業務外のケガ」として判断しているためです。損害保険会社の担当者に「仕事中または通勤途中のケガ」である旨を伝えて健康保険を使用しないようにお気を付けください。
また、損害保険会社の担当者には「仕事中または通勤途中のケガ」においても健康保険を使用できるという誤った認識をお持ちの方も見受けられます。その場合は、本協会愛媛支部にてその担当者の方へ医療制度につきご説明しますので、その際は、協会けんぽ愛媛支部へ連絡するよう損害保険会社の担当者の方へお伝えください。
(事例2)労災保険を使用すると勤務先に迷惑がかかるから使いたくない。
労災保険か健康保険のどちらを使用するかは選択できません。
なお、「通勤災害」で労災保険を使用しても労災保険料は上がりませんし、その他にも勤務先に迷惑をかけることはありません。「業務災害」の場合は一定の規模を満たした事業所のみメリット制が適用され労災保険料が増減します。(一定の規模は事業の種類によって異なります)
また、労働基準局では「労災かくし」の排除に係る対策を推進しており、「労災かくし」を行った会社に対しては司法処分を含めて厳正に対処しています。労災保険を使用すると迷惑をかけると思って健康保険を使用することが、かえって勤務先に迷惑をかけることもあります。
(事例3)パート・アルバイト勤務だから労災保険に加入していない。
労災保険における労働者とは、「職業の種類を問わず、事業に使用される者で、賃金を支払われる者」をいいます。したがって、労働者であれば、アルバイトやパートタイマー等の雇用形態は関係ありません。業務災害又は通勤災害が発生したときに適用事業所に使用されていれば、権利が生じることになります。また、一定期間以上継続して使用されていたかどうかは、関係ありません。
(事例4)軽いケガまたは自損事故だから健康保険を使用する。
ケガの程度、自損行為による交通事故、相手のいる交通事故などの違いで健康保険を使用できるかどうかは関係ありません。「仕事中または通勤途中のケガ」であれば、軽いケガの治療などであっても健康保険を使用することはできません。
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労災保険に関するリンク
財団法人労災保険情報センター (労災認定事例、労災なんでもQ&A など)
本件に関するお問い合わせ
全国健康保険協会(協会けんぽ)愛媛支部 レセプトグループ
電話 089-947-2117(直通)