胃の保護に役立つといわれる牛乳を使った煮込み料理で弱った胃腸を元気にしましょう。
〈ホワイトソース〉
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鶏むね肉は一口大に切る。玉ねぎはくし形、にんじんは皮をむいて乱切り、じゃがいもも皮をむいて4~6等分に切る。 | ||
鍋に油と1の全材料を入れ、塩・こしょうを加える。肉の表面の色が変わるまで中火で約2分間炒める。 | ||
弱火にして水と固形コンソメ、コーン缶(クリームタイプ)を加え、野菜が柔らかくなるまで約20分間煮る。 | ||
別鍋でホワイトソースを作る。鍋にバターを入れ弱火で溶かす。バターが溶けたら小麦粉をすべて入れ、弱火で炒める(約3分半)。バターと小麦粉を炒めたら、火を止めて牛乳を少しずつ入れ、木べらでかきまぜてなじませていく。牛乳をすべて入れたら弱火にかけ、こげつかないようにかき混ぜながら、とろみがついて鍋底が見えるようになるまで約5分間火を通す。 | ||
3の鍋の具材に火が通ったら、4のホワイトソースを入れ、弱火で約1分間かきまぜながらなじませる。 |
年末年始にかけての暴飲暴食により、「胃が重い」「胃もたれする」「みぞおちのところが痛む」等の症状が、この時期は多いのではないでしょうか?
食べ物の消化を助ける役割の胃酸は強い酸性ですが、胃の粘膜には強い酸性の胃酸から胃を守る仕組みがあります。強い酸性の胃酸と胃粘膜を守るバランスが崩れると胃痛という症状になって現れます。バランスが崩れる原因として、①空腹、②ストレスや暴飲暴食による自律神経の不調、③胃粘膜の傷、④ピロリ菌の存在などが挙げられます。
「胃が重い」「胃もたれする」「みぞおちのところが痛む」等の症状がある時は食欲も落ちてしまいますが、食べなければ胃の中に何も入っていない“空腹”になり、かえって症状を重くしてしまうという悪循環に陥ります。そんなときは、消化吸収がよく胃にやさしい食べ物をとりましょう。
胃にやさしい食べ物として、うどんやそうめん、柔らかく煮込んだ薄味の野菜、胃粘膜を保護するのに役立つ牛乳などがおすすめです。牛乳は冷たいと胃に刺激を与えてしまうので、胃にやさしいホットミルクにしましょう。
逆に胃に負担をかける食べ物は、アルコール、カフェイン、カレーなどのスパイシーな食べ物、お酢や梅干し・かんきつ類など酸味の強い食べ物、冷たい飲み物です。
また、規則正しい食生活を送ることが大切です。“ヒトのお腹には腹時計がある”といわれるように、規則正しい食生活を送っている人は、食事時間になると胃腸で消化・吸収の準備を始めます。しかし、不規則な食生活では消化・吸収の準備が整わないうちに食事をとることになるので、食べ物が胃に残った感じになり、「胃が重い」「胃もたれする」等の症状が現れるのです。
今回の鶏のクリームシチューは野菜をよく煮込んであり、胃粘膜の保護に役立つ牛乳も使用しています。胃にやさしい温かいシチューを食べて、寒い2月を元気にお過ごしください。
牛乳
牛乳といえば「カルシウム豊富」とよくいわれますが、良質なたんぱく質やビタミン類、ミネラルも豊富な、栄養価が高い食品です。 牛乳中のたんぱく質は必須アミノ酸(体では必要量を合成できず、食品からとらなければならないアミノ酸)9種類がバランスよく含まれた良質なたんぱく質です。 牛乳のミネラルとして代表的なものはカルシウムです。表からもわかるように100g中110mgのカルシウムを含んでいます。「日本人の食事摂取基準(2015年版)」によると、成人男性は1日668~778mg、成人女性は約660mgのカルシウムをとることが推奨されています。200gの牛乳(約コップ1杯分)で220mgのカルシウム=1日の推奨量の約1/3のカルシウムが補給でき、とても優良なカルシウム源です。 |
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ビタミンではビタミンA、ビタミンB2が特に豊富です。エネルギー代謝に関係するビタミンB類はとりにくいビタミンですが、200gの牛乳(約コップ1杯分)で0.30mgのビタミンB2が補給でき、1食に推奨されるビタミンB2量の男性で約6割、女性で約7割に当たります。 しかし、「冷たい牛乳を飲むとお腹がゴロゴロする」「下痢をしてしまう」等の声がよく聞かれます。それは牛乳中に含まれる乳糖(炭水化物・糖質)の消化・吸収ができないために起こる症状です。そのようなときは温めて飲むか、料理に使用したりすると、お腹のゴロゴロ等の症状が緩和されます。 また、牛乳は、小麦、卵とともに食物アレルギーの原因となる三大アレルゲンといわれます。牛乳を飲んでアレルギーの症状が出たら、ただちに摂取するのをやめ、医師に相談してください。 |
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牛乳100g当たりの栄養価 | |||||||||||||||||||||||||||
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[レシピ考案・監修] 相模女子大学短期大学部食物栄養学科 准教授
管理栄養士 井上 典代