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4月 しなやかな血管のために

導入漫画 

 

●動脈硬化(血管の老化)とは?

「人は血管とともに老いる」と言われますが、健康的な生活習慣を続けていれば、血管も年齢に応じてゆっくりと自然に変化していきます。しかし、過食や運動不足など、不健康な生活習慣を続けると、実年齢以上に血管の老化を加速させ、動脈硬化を招いてしまいます。
「動脈硬化」とは、血管の壁が厚くなったり硬くなったりした状態を指します。正常な血管は柔らかく弾力性がありますが、動脈硬化を起こした血管は、使い古したゴムホースのように弾力性を失って硬くなっていきます。
そして、動脈硬化が進行するほど血管が硬くもろくなり、血管が詰まったり、破れやすくなり、私たちの生活を脅かすような大きな病気――脳卒中や心筋梗塞などの“血管病”の発症につながります。
これらの血管病を防ぐためにも、健康的な食生活や運動習慣を意識して血管のケアを積極的に行い、しなやかな血管を保ちたいものです。

●血管の健康のカギは「内皮細胞」

動脈の血管壁は、外膜、中膜、内膜の3層構造で成り立っています。この中で内膜層の最も内側にあり、血管内を流れる血液と接触している「内皮細胞」と呼ばれる細胞が、血管の健康のカギを握っています。
内皮細胞には、主に次の2つの働きがあることが知られています(表1)

表1 内皮細胞の主な働き

・血管壁を守る「バリア機能」

血液中の悪い成分が血管壁内に侵入するのを防ぐ堤防のような役割を果たす。

・血管の健康を促進する「活性化機能」

一酸化窒素(NO)を生み出し、このNOが血管壁を広げたり、血液中に放出されることで血液をかたまりにくくさせる。

内皮細胞は、皮膚と同じようにターンオーバー(新陳代謝)によって新しく生まれ変わっているため、すでに動脈硬化が始まっている段階でも、生活習慣を見直し、継続的に血管をケアすることによって、内皮細胞の機能を回復させることができ、血管自体の若さを取り戻すことが可能なのです。

●「内皮細胞」を元気にして“強い”血管をめざそう

血管を強くしなやかによみがえらせる秘訣は、内皮細胞にかかる負担を減らし、かつ適度な刺激を与えることです。具体的には次の3つのポイント(表2)があげられます。

表2 「内皮細胞」を活性化する3つのポイント

(1) 内皮細胞を傷める要因を減らす

不健康な生活習慣を続けていると、内皮細胞を傷める要因となる“活性酸素”と呼ばれる物質が大量に発生します。活性酸素を減らしたり無害化するため、抗酸化成分を豊富に含んだ緑黄色野菜を積極的に摂取するとともに、禁煙、ストレスの軽減を心がけましょう。

(2) 血圧を上げる要因を減らす

血圧が高い状態になると、内皮細胞が傷つき、その機能が低下していきます。血圧を上げる主な要因は塩分の摂りすぎと肥満です。減塩を中心とした食生活の改善で、血圧を安定化させ、血管にかかる負担を減らしましょう。

(3) 血管内を血液がスムーズに流れる環境をつくる

血液が血管内をスムーズに流れるようになると、内皮細胞に適度な刺激がかかります。血液ドロドロの原因となる過食や栄養バランスの偏りを改善し、適度な運動を行いましょう。

内皮細胞を活性化することで、血管が強くなり、ひいては血管病の予防や健康長寿につながっていくのです。

●健診結果から動脈硬化のサインを知ろう

動脈硬化は、進行しても自覚症状はほとんど現れませんが、放置すれば脳卒中や心筋梗塞などの重大な血管病を招くことから、「サイレントキラー」とも呼ばれます。このサイレントキラーの存在を自覚するきっかけとなるのが、健康診断です。
健康診断の結果を確認していますか? 何か問題はありませんか?
「まずいかな?」と思ったときこそ血管ケアの始め時。食生活の見直しや運動、禁煙、ストレスの軽減に取り組んで、しなやかで強い血管づくりを目指しましょう。

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[監修]新小山市民病院 理事長・病院長 島田 和幸