平成30年06月20日
ジメジメとした日が続くこのシーズンは、食中毒菌の繁殖が活発になる時期です。
食中毒は、大きく分けて下記の3つがあります.
●細菌性食中毒(カンピロバクター、黄色ブドウ球菌、サルモネラなど)
→食中毒菌が食品の中に混入したことによって起こる。
●ウイルス性食中毒(ノロウイルスなど)
→ウイルスが蓄積している食品を飲食したり、人の手を介したりすることで起こる。
●自然毒食中毒
→フグや毒キノコなど、
ノロウイルスをはじめとする「ウイルス性の食中毒」が冬シーズンに増えるのに対し、ちょうど6月頃から増えてくるのが「細菌性の食中毒」です。
梅雨は水分が豊富で、気温が高く活動には絶好のチャンス。さらに、食品の有機物汚れ、調理器具に付いた食品汚れがあれば、それを栄養にドンドン増殖していきます。
6月以降に増える食中毒で多いのは、カンピロバクター、ブドウ球菌、ウェルシュ菌の3種類です。それぞれの特徴をまとめてみました。
| カンピロバクター | ブドウ球菌 | ウェルシュ菌 |
特徴 | 空気にさらされると死滅するが、10℃以下のところでは生き続ける。 | 熱や乾燥に強く、酸性やアルカリ性が強いところでも増殖する。 | 空気のないところを好む。大量の食材を調理するときに起こりがち。 |
原因食品 | 鶏肉(刺身&半生製品)、牛生レバー及び加熱不足の鶏肉など | おにぎり、弁当箱、菓子類など | 肉類や魚介類を使った、たんぱく食品など |
主な症状 | 下痢、腹痛、発熱、頭痛、悪寒、嘔吐など | 悪心、嘔吐など。症状は通常24時間以内に改善する | 腹痛や下痢、吐き気 |
潜伏期間 | 2〜5日間 | 0.5〜6時間 | 6〜18時間 |
☆食中毒予防の原則☆
食中毒の原因菌を「つけない」「増やさない」「やっつける」、
原因ウイルスを「持ち込まない」「ひろげない」「つけない」「やっつける」
☆食中毒の予防方法☆
・料理で使う食材は、低温で保管する
・食品の中心部までしっかりと加熱する
・まな板、包丁、ふきんなどは、熱湯や漂白剤で殺菌する
・食べ物と調理器具・容器に分けて作業&保存を行う
・調理後の料理は早めに食べる、または低温で保管する
★チェックしてみましょう!
下のチェックリストで、予防を確認してみましょう。
【食品の購入】
□消費期限を確認し、生鮮食品は新鮮なものを購入する
□購入した肉や魚介類は、汁が漏れて他の食品につかないようビニール袋などに入れて持ち帰る
□冷蔵・冷凍食品の購入は買い物の最後にする
【家庭での保存】
□温度管理が必要なものは持ち帰ったらすぐに冷蔵庫、冷凍庫へ入れる
□ネズミやゴキブリの発生原因になるので、食品を床に置かないようにする
□食品の取扱前後には、手洗いをする
【調理前】
□肉や魚の汁が、野菜、果物や調理済みのものに触れないようにし、包丁やまな板は別々に用意する
□包丁、食器、まな板、ふきん、たわし、スポンジは使った後すぐ洗剤と流水でよく洗う
・包丁食器、まな板・・・洗った後、熱湯をかけて消毒する
・ふきん・・・・・・・・漂白剤につけこむ
・たわしやスポンジ・・・よく洗浄した後、煮沸すればより効果がある
【調理中】
□時計や指輪、アクセサリー、つけ爪などははずし、しっかりと手洗いする
もし怪我をしている時は、傷が食品に触れることのないよう手袋をする
□酢やしょうが、梅干し、わさびなど細菌が増えるのを抑える効果がある食材を活用する
□調理を始めたら最後まで作る。途中でやめなければならない時は冷蔵庫に入れ、再び調理をする際は十分に加熱する
【食事中】
□食べきれない時は、箸をつける前に別の容器や食器に取り分け、冷ましてから冷蔵庫に入れる
□調理前の食品や調理後の食品は、室温に長く放置しない
□作り置きの料理を食べる場合、十分に加熱する
最後に・・・
身体の抵抗力が弱い子供や高齢者だけでなく、誰でも起こりうる食中毒。
健康な成人でも風邪やストレスなどで、抵抗力は簡単に弱くなってしまいます。
食中毒の予防と同時に、もしかかっても重症化しないよう、抵抗力をつけておくことも大切なポイントです。
1年で最も食中毒の多いこの時期、バランスの良い食事と適度な運動・休養で菌に負けない体づくりも行ってくださいね。
保健師 吉岡瞳