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予防歯科コラム第2回

 「歯周病の予防法-プラークコントロール(1)-」

 

 前回、歯を失う主たる原因は歯周病であるという話をしました。

 歯周病は、歯と歯ぐきの境界部に形成される細菌の塊が原因となり、歯を支持している組織が破壊される炎症性の病気です。この細菌の塊のことを歯垢やプラークと呼び、最近ではデンタルバイオフィルムとも言われます。

 今回は、歯周病の予防法のうち、細菌感染症の側面からみた予防法であるプラークコントロールをとりあげます。

 

 歯周病が歯周病細菌による細菌感染症であることから、細菌をコントロールすることが歯周病の効果的な予防法になります。

 しかし、口の中には800種を超える細菌がいると言われています。

 プラークが歯の表面に形成される際には、まず、レンサ球菌など酸素存在下でも生育できる細菌がプラークを形成します(これらの細菌を早期定着菌と呼びます)。歯周病細菌の多くは、すでに形成されたプラークに後から定着する晩期定着菌です。

 また、歯周病最近の多くは、酸素の存在下では生育できないため、酸素の少ない歯肉溝(歯と歯ぐきの溝:これが病的に深くなったものを歯周ポケットと呼びます)などに定着していきます。

 このように、プラークは歯に付着してから時間とともにそれを構成する細菌叢が変わっていき、歯周病の病原性が高くなっていきます。

 歯に付着して間もないプラークは簡単に除去できますが、時間とともに歯に強固に付着するようになり、除去が困難になっていきます。もっと時間がたつとプラークは石灰化し、歯石になります。歯石になってしまうと、もう歯ブラシではとれません。

 歯石自体の細菌は石灰化しているので病原性はプラークに比べると低いのですが、よりプラークが繁殖しやすい状態を作り出してしまいます。

 プラークがつかないようにするためにも歯石がついている場合は、歯科医院で歯石をとる必要があります。

 しかし、定期的に歯科医院で歯石をとるだけでは歯周病予防には不十分です。なぜなら、プラークは2日ほどでまた歯の表面に形成されるからです。

 従って、歯周病を予防するためには日ごろのプラークコントロールが欠かせません。

 

 プラークコントロールにはいくつかの方法がありますが、現在のところ、歯ブラシの毛先をプラークの付着部分に当て、機械的に除去する方法が最も効果的です。

 洗口剤などの化学的プラークコントロールもありますが、薬効成分がプラーク内部まで浸透しにくいため、歯ブラシなどによる物理的プラークコントロールとの併用が望まれます。

 

 以上のように、歯周病の予防には、歯に付着したプラークが強固にならないうちに、ブラッシングでプラークを除去することが重要です。次回は、具体的なブラッシング方法についてお話します。

 

 

(関西女子短期大学 歯科衛生学科 教授 永田 英樹 先生)