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予防歯科コラム第1回

 「予防歯科をはじめませんか」

 

 初めまして。今回から「はじめましょう!予防歯科」というタイトルで口の健康に関するコラムを担当します永田です。どうぞよろしくお願いします。

 さて、皆さんは歯医者にどのようなイメージをお持ちですか。「怖い」「痛い」などマイナスのイメージをお持ちの方が多いのではないでしょうか。これは、子どもの頃のむし歯治療のイメージが強いからかもしれません。

 これまでは、「冷たいものがしみる」とか「歯ぐきが腫れている」など口の中に何らかの症状が現れてから歯医者へ行く人が多かったと思います。中には「年をとれば歯が抜けるのは仕方がない。歯が抜ければ入れ歯を入れればよい。」と考える人も少なからずおられるかもしれません。

 しかし、患者さんのなかには、歯を失ってから「若いうちからもっと気をつけておけばよかった。」と後悔される方がたくさんいます。どんなによい入れ歯を入れても自分の歯に勝るものはありません。だれでも一生自分の歯でおいしく食事ができ楽しく会話ができるのが一番いいですよね。

 

 歯を失う主な原因はむし歯(う蝕)と歯周病です。特に、最近は歯周病が歯の喪失の最大の原因であると言われています。厚生労働省の平成23年歯科疾患実態調査の結果では、一人平均喪失歯数は40~44歳で0,9本、60~64歳で5,9本、80~84歳で16,1本となっています。

 昔に比べれば改善してきているのですが、60歳を超えると急激に歯がなくなることがわかります(ちなみに人間の歯の数は親不知を除くと28本です)。ただ、これは年をとってから急にう蝕や歯周病にかかり、歯が抜けたのではありません。若いうちからの積み重ねの結果、60歳を超えて急激に歯がなくなっていくという現象につながっているのです。

 幸い、う蝕や歯周病は予防できる病気です。どちらも基本的には細菌による感染症ですが、その発症や進行には生活習慣が深くかかわっています。したがって、若いうちから口の中をきちんとケアすることや規則正しい生活習慣に努めることにより、年をとっても十分自分の歯を残すことが可能です。

 そのためには、自分で行うセルフケアと歯科医院などで行うプロフェッショナルケアをうまく組み合わせて継続的な口腔ケアを行う必要があります。

 歯医者は病気を治療するだけではありません。歯や歯ぐきの健康な状態を保持増進するのも歯医者の重要な役目です。これからは、口の中に問題が起こってから歯医者に行くのではなく、歯や歯ぐきの健康な状態を保つために歯医者を利用しませんか。

 そうです、予防歯科をはじめませんか。

 

 次回以降、具体的なう蝕や歯周病などの口の病気の予防法について話をしたいと思います。

 

(関西女子短期大学 歯科衛生学科 教授 永田 英樹 先生)