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健康経営コラム第7回

健康経営の取組 その2

 

健康経営‐時間を投資する取り組み

 経営者自らが、健康経営について情報を収集し、従業員の健康状況や職場環境の状況を把握することは、経営者の大切な時間を費やすことになります。つまり時間投資です。

さらに健康経営宣言の内容を吟味して、健康経営宣言が出来上がります。

 さて、次に投資するのは、従業員の時間です。例えば、法定健診は、通常勤務時間に実施している事業場が多いと思いますが、これも労働時間を健康診断に投資していることになります。健康診断結果に基づく保健指導も同じです。また、従業員を対象として健康づくり研修会や労働衛生週間に健康講演会を開催して、健康に関わる情報を提供することで、自分自身の健康管理に有効に活用できるようになります。つまり、自分自身の健康を保持するための知識やスキル(ヘルスリテラシー)が身につくことになります。異常な血圧や血糖値を放置することなく、自ら受診して重症化を予防する行動に結びつくことになります。重症化すれば、受診回数が増え、入院加療、長期休職となる危険性も高まります。経営者にとっては生産性が低下し、その対応に苦慮することになるのではないでしょうか。

 労働基準法では、8時間の労働に対して60分の休憩時間(昼休み)が定められています。しかし、午前中3時間継続して業務に集中することは疲労を伴うことになり、休憩時間を投資することも必要です。むしろ、その時間がその後の集中力を高め、仕事の効率を高める可能性が期待できます。午後もちょっとした休憩時間が必要です。午前午後に業間体操を実施している事業場がありますが、気分転換効果が期待できます。全身を動かすことは現代職場では必要不可欠です。パソコン画面を継続的に見つめていることで眼精疲労の原因となり、自律神経系のバランスが乱れ不快な症状が出現することもあります。一見無駄な休憩時間かもしれませんが、私たちの体は疲労には決して強くはありませんので、休憩をとることで仕事の効率が上がることが期待できます。

 長時間労働や休日労働を軽減することが、脳心臓疾患や2型糖尿病の発症に対して予防効果があることがすでに研究結果で明らかにされています。

 未来の企業への投資は、従業員の健康への投資によって叶えることができるのではないでしょうか。「時は金なり」といわれていますが、「健康は時なり」でもあります。睡眠時間、休息する時間、ボーとする時間などは、健康を維持するために必要な大切な時間です。病気で自分の時間を失うことにならないよう、時間に投資することが重要です。

 

(NPO法人 健康経営研究会  理事長  岡田 邦夫 先生)