お口の予防と定期健診(かかりつけ歯科)の意義
令和07年04月15日

お口の予防と定期健診(かかりつけ歯科)の意義
歯を失う原因の1位は歯周病(約4割強)、2位がむし歯(約3割強)、3位が歯の破折(約1割強)と言われています。
原因の1位、2位である歯周病とむし歯に対する予防法としてまず挙げられるのは、プラークコントロール(歯に歯垢などがたまらないようコントロールすること)です。
プラークコントロールは、日々個々人の歯磨き習慣が大切と言われており、ご自宅での歯ブラシ等による歯面の機械的清掃が重要となるわけです。
歯肉より上の歯面の清掃はみなさんにお任せするとして、歯肉溝、歯周ポケット内の清掃は大変難しく、専門家(歯科医師・歯科衛生士)による清掃が効果的とされています。
昨今ではお口の予防に対する意識が高まり、プラークコントロールがうまくいっている人も増え、年齢と共に歯を失う本数も減ってきている傾向です。
対して、増えてきているのが歯の破折による歯の喪失です。
歯の破折を予防するのに必要なキーワードは “フォース(力)コントロール”と言われています。歯の破折の原因は「くいしばり」や「歯ぎしり」によると言われ、根本療法としては「くいしばり」や「歯ぎしり」をしないように行動変容をしていくことです。
しかし、就寝中に行っていることも多く、自分で気づくことが難しいとされています。
定期健診は、我々専門家(歯科医師・歯科衛生士)の目と知識を活用して、ご自身の口腔内および、それを通して全身の現状を把握し、ホームケア(ご自宅)で出来る事と、オフィスケア(歯科医院)で担ってもらうものを一緒に考え、仕分け作業をする場であり機会でもあるのです。
かかりつけ歯科を持つメリットとして、過去の修理記録や修理方法、その後の経過観察を記録した「カルテ」を作成できる点が挙げられます。ご自身の予防法は直系の家族(両親や兄弟、子どもや孫)に応用できる可能性が高いとされています。
家族でかかりつけを持ち、みんなで一緒に予防していくことが、これからの歯科医院の利用の仕方のひとつだと私は思います。
公益社団法人 神奈川県歯科医師会
地域保健委員会 地域保健Ⅰ(健康増進事業部) 委員 髙橋 秀岳