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2020年1月 少子高齢化について

  先日、厚生労働省から「令和元年人口動態統計の年間推計」が公表され、2019年の出生数が90万人を大きく割り込み、過去最少の864千人となったことが報道されました。

一方、死亡数は1376千人、死亡数から出生数を差し引いた自然増減数は512千人で、いずれも過去最高の数値となっています。

 出生数が110万人から100万人を切るまでに11年要したのに対し、100万人から90万人を切るまではわずか3年で、その数は急激に減少しているのがわかります。

 人口減少社会において、どのようなことが起こるかを予想しているのが「未来の年表・未来の年表2」(著書:河合雅司 講談社新書)という著書です。その中で著者は、「出生数の下落は核・ミサイルと並ぶ国家の危機であり、国の存続さえ危ぶまれるこの問題を正面から議論しない政治家は、その資質を疑う」と述べています。

 また、人口減少と土地需要の低下により、現在でも所有者不明の土地は、九州本島の面積を上回っています。空き家率に関しては、現在の13.6%が、2033年には30.4%に達するとの予測もあります。一方、2036年に築30年以上のマンション総数は520万戸を超え、一戸建ての幽霊屋敷に加え、修繕もできないスラム化したマンションが各所にみられるようになると予想されています。

 さらに、産業面では、70歳を超える経営者が2025年に約93万人に達し、約152万人の個人事業主を加えると、約245万人にもなります。そのうちの約半数の企業で後継者が決まっていないという「大廃業時代」が迫っており、これによって650万人の雇用が失われると予測されています。

 我々は、社会保障のことを主として議論していますが、このような問題は社会基盤そのものの崩壊といえる事態であり、もっと広い視点でみていかなくてはならないと考えます。

 出生数の減少については、子どもを産むことができる適齢期の女性が減少しつつありますが、これは過去の出生数に左右されるため、出生数を増やしてもすぐには効果がないようです。しかし、できることはすぐにとりかからなければ、ますます将来は暗いものになるでしょう。若者たちが安心して子どもを育てられる環境を整え、出会いの機会を社会として考えていくことがなによりも必要と考えます。

 いずれ誰かがやってくれると先送りしてきた結果が今のこの状態であり、もう一刻の猶予も残されていないと考えるべきでしょう。