|
たばこは、吸っている本人だけでなく、たばこを吸わない周囲の人の健康にも悪影響を及ぼすことが広く知られるようになってきました。2020年4月からは、受動喫煙を防ぐために、飲食店や事務所など多くの人が利用するほとんどの施設が「原則屋内禁煙」になっています。社会の禁煙化が進み、たばこが吸いにくい環境になってきた今こそ、“禁煙のチャンス”ともいえます。
厚生労働省の調査によると、習慣的に喫煙している人のうち、4人に1人が「たばこをやめたい」と思っていることがわかっています。“たばこをやめたくても、やめられない”という人は、意志が弱いからではなく「ニコチン依存症」という病気である可能性があります。ニコチンは依存性が強く、たばこを吸い続けていると脳がニコチンへの依存状態となり、自分ひとりで禁煙するのは非常に困難になります。
“たばこをやめたくても、やめられない”という人は、医療機関の「禁煙外来」での「禁煙治療」をおすすめします。「禁煙外来」とは、たばこをやめたい人を対象に「禁煙治療」を行う専門外来のことをいいます。禁煙外来は、総合病院のほか、内科や呼吸器科、循環器科などさまざまな診療科で行われています。
禁煙外来では、医師があなたの喫煙状況を把握したうえで、禁煙補助薬の処方や治療中のサポートを行うため、禁煙に成功しやすくなります。
また、ニコチン依存症は“治療が必要な病気”であるという認識から、一定の条件を満たせば、健康保険を使って禁煙治療を受けられるようになっています。2020年4月からは、「紙巻たばこ」に加えて、「加熱式たばこ」も禁煙治療の対象になりました。
|
健康保険が適用される標準的な禁煙治療は、12週間に計5回のプログラムです。 禁煙治療は、5回とも通院する「対面診療」のほか、1回目と5回目のみ通院して、2~4回目はスマートフォンやパソコンなどを用いたテレビ電話で「オンライン診療」を受けることも可能です。「オンライン診療」は通院する時間的な負担が減り、特に忙しい働く世代にとっては大きなメリットになります。
禁煙すると、体の中からニコチンが抜けだすため、「タバコが吸いたい」「イライラする」などさまざまな離脱症状(禁断症状)があらわれます。
医療機関の禁煙治療では、医師が処方する「禁煙補助薬」を使用することができるため、離脱症状を緩和しながら禁煙することができます。健康保険が使える禁煙補助薬には、ニコチンを皮膚から吸収させる貼り薬「ニコチンパッチ(医療用)」、ニコチンを含まない飲み薬「バレニクリン」があります。
健康保険が適用される禁煙治療では、自己負担額(3割負担の場合)は13,000円~20,000円程度になります。1箱550円のたばこを1日1箱吸っている人の場合、たばこ代よりも禁煙治療で支払う金額のほうが安くなります。
※ | 禁煙補助薬を標準的な用法・用量で使用すると仮定(ニコチンパッチは8週間、バレニクリンは12週間)。 |
※ | 上記費用は2020年4月に改定された診療/調剤報酬点数に基づいて算出。 |
* | 1箱550円のたばこを1日1箱吸っている場合の金額になります。 |
禁煙治療の計5回のプログラムを終了した人のうち、約5割が禁煙に成功しています。ひとりで禁煙するより、禁煙を継続しやすい「禁煙外来」を利用して、ぜひ禁煙にチャレンジしてみましょう。
健康保険が適用される禁煙治療を受けたいときは、下記のホームページを活用しましょう。
【全国禁煙外来・禁煙クリニック一覧】
一般社団法人 日本禁煙学会が運営するホームページです。全国の「禁煙治療に保険が使える医療機関」の情報が掲載されています。
http://www.nosmoke55.jp/nicotine/clinic.html
![]() |
禁煙外来を利用して禁煙を成功させましょう! |