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10月 強い血管をつくる運動習慣

導入漫画 

 

●血管を強くする運動習慣を身につけよう

「運動の秋」です。体を動かすのに最適な季節になりました。適度な運動は、全身の健康づくりに不可欠ですが、実は血管の健康にも大きな影響があります。日頃運動不足を感じている人は、強くしなやかな血管のためにも運動習慣づくりに取り組んでみましょう。

●運動が血管の健康につながるのはなぜ?

運動をすると自然と体が温まることからもわかるとおり、適度な運動は全身の血行を促進します。血液が血管の中をスムーズに流れると、血管の内側の細胞(内皮細胞)にほどよい刺激が加わり、内皮細胞が活性化され、その結果として血管自体が強くしなやかになっていくのです。

→血管の内側の細胞(内皮細胞)が活性化する
→活性化された内皮細胞から、血管の健康を保つ物質(一酸化窒素など)が放出される

その結果…
  1. 血管壁が広がり、血圧が下がる
  2. 血液がスムーズに流れて、脳梗塞や心筋梗塞の引き金になる血栓ができにくくなる

もちろん、こうした直接的な血管への影響だけでなく、運動によって消費エネルギーが増えることで、肥満の予防や解消にもつながり、血圧や血中脂質、血糖値などが正常に保たれやすいなど、たくさんのメリットがあります。

●まずは「ウォーキング」から始めてみよう!

とはいえ、忙しくて運動の時間が取れない、何から始めればよいかわからない、という人も多いでしょう。運動習慣のない人や忙しい人にお勧めなのが、いつでもどこでもすぐに取り組める「ウォーキング」です。ウォーキングは、高血圧、糖尿病、脂質異常症といった生活習慣病や肥満の予防・改善に役立つ有酸素運動であり、かつ、急激な血圧の上昇を起こさないので、体にやさしい運動といえます。
まずは、普段の生活で自分がどのくらい歩いているのかを具体的に把握することから始めてみましょう。最近では、スマートフォンに予め歩数計が内蔵されているなど、比較的容易に自分の歩数を計測できます。
健康増進のための具体的な目標数値が示された「健康日本21(第二次)」では、1日の目標歩数が次のように設定されていますが、一方で、現在の日本人の1日平均歩数は、男女ともこの数値に1,000~1,500歩ほど足りていません。

1日の目標歩数

20歳〜64歳の目標歩数:男性9,000歩、女性8,500歩

平成27年の1日平均歩数:男性7,970歩、女性6,991歩

65歳以上の目標歩数:男性7,000歩、女性6,000歩

平成27年の1日平均歩数:男性5,919歩、女性4,924歩

→すべての年代で、目標まであと+1,000~1,500歩必要!

資料:厚生労働省「健康日本21(第二次)分析評価事業」

まずは自分の歩数を知り、足りない場合は日常生活の中で補ったり、ウォーキングの時間を設けて意識的に確保していきましょう。1,000歩、歩くのに必要な時間はおよそ10分。距離にして600~700mほどです。まずは毎日の歩行時間を10分ほど増やせばよいと思えば、できそうな気がしませんか?

継続しやすく効果的なウォーキングのポイント
(1)日常生活のなかで歩く機会を増やす
  • 電車やバスを目的地のひとつ手前で降りて歩く
  • エスカレーターやエレベーターの代わりに階段を使う
  • 少し遠めのお店にランチや買い物に出かける
(2)意識してウォーキングの時間をつくる
  • 朝や夕方など、毎日決まった時刻に実施する時間をつくる
  • 毎日が難しい場合は、週3~4回以上を目標に、週単位のリズムで行う
  • 少し息が弾むが笑顔が保てる“ニコニコペース”で姿勢よく歩く
  • 広い歩幅で歩く(自分の身長(cm)-100程度を意識してみましょう)

●「ストレッチ」や軽い「筋トレ」も血管ケアになる

ウォーキングに加え、より軽度の運動として気軽に行える「ストレッチ」や、きつすぎない「筋力トレーニング」を行うことも、強い血管をつくる運動習慣としてお勧めです。
ストレッチは筋肉の柔軟性を高める運動なので、ウォーキングの前後に行うと効果が増します。
筋力トレーニングは、年齢とともに衰えがちな筋肉を鍛えることで運動機能と血流が高まります。ストレッチやウォーキングと組み合わせて行うことでよりいっそうの血管病予防効果を期待できます。階段の上り下りやスクワット等、きつすぎない、息の上がらない程度の筋トレになる運動を、少しずつ取り入れてみましょう。
なお、運動習慣がない人にとって、瞬間的な力を要したり、激しい動きを伴う運動(球技や勝敗を競うようなスポーツ)は、血圧が急上昇しやすいため注意が必要です。特に、高血圧、糖尿病、脂質異常症の人など、動脈硬化の進行が疑われる人や治療中の人は、必ず医師に相談して自分の体の状態に合った運動を選ぶようにしましょう。

運動後のリカバリーに必要な栄養素が摂れる健康レシピ「シャキほくチンジャオロースー」はこちら

[監修]新小山市民病院 理事長・病院長 島田 和幸