寒い季節になると、手先や足先の冷えが気になりませんか。西洋医学には冷え性という病名はありませんが、東洋医学では冷えによる肩こりや腰痛、便秘や肌あれ、抵抗力の低下などといった症状が多数存在し、まさに「冷えは万病の元」と言えます。冷え性対策をしっかり行って、冬を元気に乗り切りましょう。
冷え性を招く原因にはさまざまありますが、最近は特にストレスや不規則な生活などによって体温を調節する自律神経がうまく機能しないことや、熱を作る筋肉量が少ないことのほか、きつい下着や靴による血行不良が挙げられます。また、まれに貧血や低血圧など血管系の疾患などの病気が隠れていることもありますので、症状が重い場合は一度検査を受けることをおすすめします。
女性は男性と比べて熱を生産する筋肉量が少なく、月経で貧血になりやすいほか、特に更年期はホルモンバランスが変化しやすく、自律神経に影響を及ぼします。また、一般に女性は皮下脂肪が多く、寒さに強いと言われますが、脂肪は一度冷えると温まりにくい性質があります。
冷え性の改善には、身体を内側から温め、血行を促すとともに自律神経がうまく働くよう生活習慣を整える必要があります。
栄養バランスのとれた食事を基本に、冷えが気になるときは身体を温める食材を積極的にとりましょう。反対に、身体がほてっているときは身体を冷やす食材をとります。なお、身体を冷やす食材は、熱を加えると身体を温める食材に変化するので上手にとりいれましょう。また、肉類などに多く含まれるたんぱく質は熱源となる筋肉を作るほか、シシャモやタラコ、アボカドやアーモンドなどに多く含まれるビタミンEには、末梢血管を広げて血液循環を良くする働きがあります。
<あったかアイテムを上手に取り入れよう>手軽にできる冷え対策は着衣などのアイテムの工夫です。ポイントを押さえれば、何枚も着込む必要はありません。
この季節においしい鍋料理ですが、具材を工夫することでより身体が温まる1品となります。豚肉には、熱源となる筋肉を作るたんぱく質が多く含まれ、しょうがには、辛味成分のジンゲロンに、身体を温め、血行を改善する効果があります。カレー粉には、発汗作用があり新陳代謝を高めます。