平成29年12月14日
冬も本番に迎え、乾燥が気になる季節になりました。お肌の乾燥は、こまめにケアしていると思いますが、体の乾燥のケアもしていますか?乾燥する冬に、本当に気を付けなくてはいけないのは、実は、体の乾燥なんです。
〇「冬のジンワリ脱水」と「夏のかくれ脱水」の違い
発汗から起こる夏の「脱水」の代表的な合併症が、熱中症。体温が下がらなくなり、全身の臓器に
ダメージが及びます。
それに対して不感蒸泄が増えることが原因で冬のジンワリ乾燥からの脱水は、水分がカラダから
じわじわと失われることで起こります。水分が失われると血液が濃くなり、ドロドロの状態になります。
その結果生じる代表的な合併症が脳梗塞、心筋梗塞、肺梗塞です。
血液がドロドロになると、血液中で血栓という血の固まりが生じやすくなります。血栓が脳の血管
で詰まると脳梗塞、心臓の血管で詰まると心筋梗塞、肺の血管で詰まると肺梗塞になります。
脳梗塞や心筋梗塞は冬になると増える病気です。以前は寒さで血管が縮むことが冬に増える原因
だと考えられていましたが、最近はそれに加えて不感蒸泄で失われた水分の補水を怠った結果、血液
がドロドロになることも脳梗塞や心筋梗塞が冬に増える要因の一つと考えられるようになりました。
さらに脱水症状が進むと、頭痛やめまい、吐き気、呼吸が乱れる、筋肉のけいれん、などを起こすことがあります。
〇冬の脱水症状のサイン ・手先の皮膚が乾燥する、手足が冷える
|
〇冬の脱水症状の予防法
1.こまめな水分補給
こまめな水分補給を心がけ、食事には野菜や果物など水分の多いものを食べるようにしましょう。
喉の渇きを感じる前に、水分を補給することが大切です。
2.肌からの乾燥を防ぐ
予防には、加湿と保湿が大切です。加湿器の使用や、室内に濡れタオルを干すことで、湿度を
50~60%に保つようにしましょう。保湿効果のあるクリームを肌に塗ることや、肌の露出面積の
少ない服装で工夫するのもよいでしょう。
3.感染症による脱水には経口補水液
冬に流行するノロウイルスやロタウイルスに感染すると、下痢や嘔吐の症状によって脱水症状を
起こす恐れがあります。脱水症状対策のために経口補水液を家庭に常備しておくと安心です。
(かかりつけ医から水分や塩分の制限をされている場合は医師に相談しましょう)
※自宅で作る経口補水液
・水1リットル
・砂糖40g(小さじ4と1/2)
・塩3g(小さじ半分)
→オレンジやグレープフルーツ果汁を混ぜると、カリウムも補給することができます。
クリスマスやお正月準備など何かと忙しい年末。脱水症に気をつけよいお年をお迎えください。
保健師 吉岡 瞳