平成31年01月10日
「健康経営」が福島県内に広まるよう、協会けんぽ福島支部では福島県や関係機関と連携して健康づくり事業に取り組んでいます。
先日、福島県の「ふくしま健康経営優良事業所」に認定され、さらに優秀な事業所さまということで表彰された事業所さまへ協会けんぽ福島支部長が訪問し、事業主さまへ受賞後の感想や今後の取り組みなどについて伺ってまいりました。
大槻電設工業さま社屋
代表取締役 大槻さま(左)と協会けんぽ福島支部長の齋藤(右)
・定期的な血圧の測定
・自転車通勤の奨励
・体操ストレッチの時間設定
・屋内禁煙の実施(福島県「空気のきれいな施設」認証)
・60歳社員の再雇用時の脳ドック検診費用の全額補助
・社内報での健康づくり啓発
・経済産業省・日本健康会議「健康経営優良法人2017、2018」取得
代表取締役 大槻 博太さまに懇談のお時間を設けていただきました。大変お忙しいところありがとうございました。
協会けんぽ福島支部長(以下「福島支部長」):
大槻電設工業さまは経済産業省・日本健康会議が主催する「健康経営優良法人2017、2018」、福島県の「空気のきれいな施設」「次世代育成支援企業」の認定、認証を受けられるなど、「健康経営」に関する各種認定を積極的に取得されています。今回、初めての県の表彰制度に大槻電設工業さまが受賞され、私どもとしても大変嬉しく思います。
そもそも「健康事業所宣言」にエントリーいただいたきっかけをお聞かせください。
大槻電設工業 大槻社長(以下「大槻社長」):
当初は「健康経営」と聞いても当たり前のことではと思い、あまりピンときませんでした。私たちの仕事は現場にかかりきりになり、1年ほど一般社会と隔離されることとなります。その間は仕事の話ばかりとなり、健康について関心を示す機会がありませんでした。
業務終了後に飲酒するためか従業員の健診結果を見ても肝機能の数値が良くない者が多く、何かしなければと考えていました。その際に「健康事業所宣言」を知り、思いとダブる部分があったためエントリーしました。
大槻電設工業 大槻社長
福島支部長:県の表彰については、どのような点が評価されたと思いますか?
大槻社長:
社員全員でラジオ体操を行うなど、業務時間内に自分の健康について考える時間を設けたことだと思います。
ラジオ体操は日本人になじみの深い文化だと思います。現場の社員は以前から就業前に行っていましたが、事務職も行うこととしました。日々の業務の中に入れ込み、毎日同じ体操をすることで、今日はここの調子が良くないなど、気付きにつながります。
また、自転車通勤を勧めていまして、わたしも試しに行ってみました。自宅から職場まで約5kmなのですが、思いのほか通勤時間がかかるのと、最後がゆるやかな上り坂で・・・(笑) 土曜日など余裕がある際に行おうと思います。
そのほか、定期的な血圧の測定や、屋内禁煙を実施し「空気のきれいな施設」の認定を受けました。
空気のきれいな施設のほかにも「次世代育成支援企業」など各種認証を受ける
福島支部長:
大槻電設工業さまを担当する保健師からは、トップダウンによる健康づくりの推進をされていると聞いていますが。
大槻社長:
健康づくりもですが、社員の状態のバロメーターとして、社員ごとの残業時間を活用しています。
残業時間は就業日の翌日には報告されますので、この現場の進捗はどうだとか、ほかの人員をまわそうかなど、会社の状況を把握するのに役立っています。
また、健診結果で要精密検査の判定が出たにも関わらず、医療機関への受診を勧めても受診しなかった従業員が病気になったことがあり、それ以来、健診結果を家族に郵送することにしました。会社がいくら言っても駄目なものも、奥さんやご家族の言う事なら聴くと思いまして。
福島支部長:脳ドック検診の補助もされているとか。
大槻社長:
70歳代の社員が数名おり、70歳からは毎年脳ドック検診の費用補助をして受診してもらっています。
また、60歳の誕生日に、誕生日プレゼントとして脳ドック検診の全額補助をしています。65歳の時にも補助をしています。
腰痛などはすぐに亡くなることはありませんが、脳血管の病気などはなってしまうと大変ですから、長く働き続けてもらうために検査を受けてもらっています。
福島支部長:従業員の皆さまの変化や、効果を実感できることはありますか?
協会けんぽ福島支部長 齋藤
大槻社長:
県の表彰を受け、私もですが、社員が大変喜んでいます。ラジオ体操も、以前よりも積極的に行うようになりました。
表彰を受け、マスメディアに自分の会社が出ることで、自分たちの活動が認められ、自信につながったのだと思います。業界の中の受賞ではなく、社会全体の中での受賞だということも大きいと思います。
福島支部長:健康経営に関して、今後の目標はいかがでしょうか。
大槻社長:
今は部長などが音頭をとっていますが、社員ひとりひとりが健康づくりのリーダーになって、自主的に動き出せると良いなと思います。
また、他の事業所さんの良い事例なども、積極的に取り入れていきたいと考えています。
福島支部長:大槻社長が実践している健康習慣は何かありますか?
大槻社長:
帰宅後のうがい・手洗いを必ず行うことにしています。
何か運動をしたいと考えているのですが、なかなか時間が作れなくて・・・。
甘いものが好きなんです、まんじゅうでも果物でも。若い頃と比べて太ってしまいました(笑)
福島支部長:
暖かくなりましたら、ぜひ、土曜日に自転車通勤をしていただければと思います(笑)
最後に、これから「健康経営」を考えている事業主さまへアドバイスを一言お願いします。
大槻社長:
大上段に構えず、ラクに出来ることからゆっくりと進めてみてはどうかなと思います。
通常の業務の中に健康づくりを組み込めると、スムーズに流れるのではないでしょうか。
福島支部長:我々も、企業の「健康経営」の力になれればと思います。今後ともどうぞよろしくお願いいたします。
福島県の表彰状
御社でも「健康経営」始めてみませんか?福島県内で1,209社がエントリー中です!(平成30年11月末現在)
今日から始める健康事業所宣言
※「健康経営」は、NPO法人健康経営研究会の登録商標です