令和01年08月01日
パスタは、穀類の中では血糖値の上昇が比較的ゆるやかな食品です。血糖値の上昇を抑えるはたらきがある食物繊維を多く含むきのこと一緒に食べることで、血糖値の上昇をゆるやかにできます。

- スパゲティ(乾麺)……60g
- オリーブオイル……小さじ1.5(6g)
- にんにく……少々(1g)
- 鷹の爪……お好みで
- 塩……一つまみ(0.3g)
- こしょう……少々
- しいたけ……中1個(10g)
- しめじ……30g
- エリンギ……30g
- あさり水煮缶……
あさり10粒(10g)・汁 大さじ1(15g)
- しょうゆ……小さじ1(6g)
- のり……お好みで
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きのこ類は石づきを取り、しいたけは3~5mm厚さにスライス、エリンギは大きい場合は縦・横半分にして3~5mm厚さにスライス、しめじは小房に分けておく。
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フライパンに油とにんにくのみじん切りを入れ、弱火で香りが出るまで炒め、種を取り除き輪切りにした鷹の爪、塩・こしょうを加える。さらに、1のきのこ類とあさりの汁を入れて約8分炒める。最後にあさりを加えて火を通す。
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鍋にたっぷりの湯を沸かし、塩大さじ1(分量外)を加え、スパゲティを入れてゆでる。最初の約4分間は菜箸でかきまぜる。表示時間の1分前に火を止める。
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2のフライパンにゆであがったスパゲティを入れ、全体をあえたらしょうゆで味つけする。
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器に盛り、刻んだのりをのせる。
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血糖値の上昇をゆるやかにする炭水化物のとり方
炭水化物は、糖質と食物繊維に分けられます。
「血糖値が上がらないように糖質(ごはんなどの主食)を控える」という考え方がありますが、糖質を極端に控えてしまうとからだにエネルギー源を確保できず、筋肉量や筋力が落ちてしまいます。健康な食生活を送るためには、主食(糖質)を適度にとりながら、栄養バランスのよい食事をとることが重要です。
糖質の種類によって血糖値の上がり方が異なります。血糖値の上がり具合を示す指標を「グリセミックインデックス(GI値)」といい、GI値が高いほど血糖値の上がり方が急激になり、高GI食品をとり続けると肥満や糖尿病になりやすいとされています。
分類 |
食品 |
高GI食品(70以上) |
赤飯・餅・米飯・粥・パン等 |
中GI食品(69~56) |
玄米・寿司めし・麦ごはん・発芽玄米ごはん等 |
低GI食品(55以下) |
スパゲティ・そば等 |
出典:『慈恵医大葛飾医療センター栄養部が推奨する低GIレシピ』(林進監修 2012年 法研)一部改変 |
糖質のうち、きのこや野菜に含まれる食物繊維には、血糖値の上昇を抑えるはたらきがあります。
血糖値が気になり始めたら、主食としてスパゲティなどの低GI食品を選んだり、食物繊維が豊富なきのこや野菜などを先に摂取することで、栄養バランスをとりつつ、血糖値の上昇をゆるやかにすることができます。

きのこ類
きのこは人工栽培が盛んなため、一年中安価に出回っている便利な食材です。
食物繊維には、水溶性食物繊維と不溶性食物繊維があります。水溶性食物繊維は小腸での栄養素の吸収の速度をゆるやかにして、食後の血糖値の上昇を抑える効果や、コレステロールを体外に排出させる効果などがあります。不溶性食物繊維は、水分を吸収して便通をよくする効果や、有害物質を便と一緒に排出して腸をきれいにする効果があります。
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きのこには水溶性食物繊維も含まれていますが、不溶性食物繊維が豊富に含まれており、腸をきれいにしてくれる効果が高くなっています。どちらの食物繊維も大腸内の善玉菌を増やし、腸内環境を改善する効果があります。
きのこには、カルシウムの吸収を助けるビタミンD、糖質がエネルギーに変換されるのを助けるビタミンB1、脂肪の代謝を助け、効率よくエネルギー変換するビタミンB2も豊富に含まれています。
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【今月の健康情報は「血糖値が気になったら」がテーマです】
[レシピ考案・監修] 相模女子大学短期大学部食物栄養学科 准教授
管理栄養士 井上 典代