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健康経営コラム第5回

「健康経営に取り組む企業」健康経営は健康投資から

 

健康経営と健康投資

 健康経営は、経営者が従業員の健康を経営の視点でとらえ、経営戦略として、つまり経営者が得意とする事業として展開し、その利益を得ること(黒字化により企業利益の創出と従業員の健康の両立)であるといえます。

 健康投資の第1は「時間投資」です。具体的には、経営者が経営の視点から健康づくり事業を検討する時間と労働時間内において従業員に対する健康教育を実施する時間の両者を生み出すことです。この点において、すでに健康づくりを実施している企業は、「人を大切にする企業理念」、「社是としての健康の増進」など経営トップが従業員にメッセージを発しています。今年度から創出されました「健康経営優良法人(中小規模法人部門)」の認定基準においては、「健康宣言の社内外の発信及び経営者自身の健診受診」が必須項目となっています。もちろん、従業員の健康診断受診率100%も重要な項目です。

 また、勤務時間内にインフルエンザワクチン等の予防接種の実施、腰痛予防教室の開催、メンタルヘルス研修会の実施など多くの取り組みが行われています。積極的に休暇が取れるような制度設計をしている企業もあります。運動会を開催して従業員が家族と過ごす時間を共有する機会を創出している企業もあります。

 第2は「空間投資」です。多くの健康経営を営む企業では、禁煙が第一選択肢になっています。快適な職場空間の醸成に必要不可欠であるといえます。健康の自己管理を促進するために、食堂に血圧計を設置して、有効な空間利用に努めている企業もあります。社内食堂がある企業では、ヘルシーメニューを提供して、食生活から従業員の健康づくりの支援をしています。

 第3は「利益投資」です。心の健康管理の促進のために相談できるようにカウンセラーを招き、健康をテーマにした講演会に専門家を招聘して従業員のヘルスリテラシ―の向上に努めている経営者もいます。また空気清浄機、手指の殺菌消毒液等を設置して、健康づくりを積極的に推進している例も見られます。

 

 以上のような取り組みは、むつかしいものではなく、結果として人と人の絆を強め、組織としての力が結集することになります。烏合の衆ではない、企業集団の力は、お互いの理解から生み出されるものです。その力は、経営者から力強く産出されます。

 人を大切にする企業は、経営者の考えが基盤となっています。ILOフィラデルフィア宣言において、労働は商品ではない、と記述されています。人を創り、企業を創り、そして社会を創るのが経営者です。

 

(NPO法人 健康経営研究会  理事長  岡田 邦夫 先生)