令和05年08月25日
第20回
健康と健口!体の不思議オーラルフレイルという言葉をご存じでしょうか?
オーラル(口)フレイル(虚弱)とはお口の機能が虚弱化することです。(例えば、むせる、飲みこぼす、活舌が悪くなる、口が乾きやすい等)これらオーラルフレイルが段階的に始まることにより、全身のフレイル(虚弱)も始まり比例して悪くなります。
重度に進行した場合は可逆する(元に戻る)ことは難しいと言われておりますが、早期に発見して、早期に解決することでフレイル予防ができると言われています。
最近では、健口(お口の健康)は健康(体の健康)の入り口!オーラルフレイル予防!等と、色んなところで目や耳に入るようになりました。
また介護の現場では、オーラルフレイルに関し非常に重視され、フレイル予防をすることで、入所者の介護度が安定し重症化等を防ぐと言われております。
そして臨床の現場でも、いろんな体験をすることもあります。
自院でのことですが、認知症の施設入所の方が、介護スタッフの気づきにより上の入れ歯がないことが判明。
約2年の間、認知症だった方が、義歯を入れ、噛む機能が回復したことにより、認知機能も回復したことがあります。
まさに、咬むことによる脳への刺激、口と体との密接な関係を目の当たりにした瞬間!
私自身、非常に感動しましたし、何よりも家族の方に喜んでもらえ「歯科医師になって良かった~」と思う瞬間でした。
私たち歯科医療従事者は、口腔ケアのお手伝いと きっかけ作りはできますが、お口の健康は自分自身の毎日のセルフケア(歯磨き等)で守ることが非常に重要となります。
その為には、定期的な歯科健診を受けることから始めていただき、そのうえで、個々の状況に応じたプロフェッショナルケアや指導を受けることで、より良い健康と生活がその先に待っている事でしょう。
日本歯科医師会PRキャラクター「よ坊さん」 |
徳島県歯科医師会 理事 上原 康助 先生 |