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12月 年末年始、アルコールはほどほどに

●飲酒も生活習慣病の原因になります

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・アルコールによる影響は、脂肪肝からはじまる

体の中でアルコールによる影響を最も受けやすいのは肝臓です。肝臓は、アルコールを分解したり、余ったエネルギーを中性脂肪として蓄えたりする働きがあります。しかし、アルコールのとりすぎによって、摂取したエネルギーが消費するエネルギーを上回ると、余ったエネルギーは肝臓に運ばれて中性脂肪になり、どんどん肝臓にたまり、脂肪肝を招きます。
脂肪肝の初期は自覚症状があまりなく、そのまま飲酒を続けるとアルコール性肝炎となり、さらに飲み続けてしまうと、治すことが困難な肝硬変に至ります。肝臓は「沈黙の臓器」と呼ばれ、よほどのことがない限り音を上げないため、定期健診などで早期発見することが大切です。飲酒による脂肪肝であれば、短期間の禁酒で改善することも可能です。

・アルコールが招く生活習慣病に注意

お酒の飲みすぎが、肥満を招いている場合も見受けられます。お酒と一緒に高カロリーなつまみをとり、摂取カロリーがオーバーしがちだからです。
長期間にわたる飲酒は血圧を上げ高血圧の原因になると考えられています。また、アルコールそのものの作用や代謝に伴い、血糖値にも影響を与えるので糖尿病のリスクも高めてしまいます。飲みすぎは生活習慣病を招くことにつながるので、気をつけましょう。

●節度ある飲酒習慣にしよう

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・適量を守り、休肝日をつくりましょう!

節度ある適度な飲酒とは、純アルコールを1日平均20g程度です(健康日本21より)。大体「ビールなら中ビン1本」「日本酒なら1合」「チューハイ(7%)なら350mL缶1本」「ウイスキーならダブル1杯」などに相当します。また、いつも働き続けている肝臓のためにも、週に2日は休肝日を設けて休ませることが重要です。
寝酒は睡眠を浅くしてしまうので、良質な睡眠のためにもアルコールの助けは借りないほうがよいでしょう。悩み事など精神的に不安な状態のときや興奮しているときは、飲みすぎてしまうことも多いため、できるだけ飲酒は控えましょう。薬を服用しているときも控えてください。

・体にやさしい飲酒

お酒は、食事といっしょに適量を楽しむことが一番です。麦や米などを原料とするので糖質などの栄養素があるものの、お酒は「エンプティカロリー」といわれ、カロリーはあっても栄養成分はほとんどありません。適度な量のたんぱく質や糖質、野菜をバランスよく食べながら、お酒を楽しむようにしましょう。冷奴や枝豆、お刺身やあぶら身の少ないお肉、ゆでたり蒸したりした野菜など、カロリーを抑えた料理がおススメです。
ウイスキーなど度数の高いお酒は水割りなどで薄めて飲むと、体への負担を減らすことができます。いろいろな種類のお酒を飲む「チャンポン」は、味が変わることで、飲むお酒の量が増えてしまう傾向があるので注意してください。

●飲みすぎは毒になる

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・急性アルコール中毒は、命にかかわる場合もあります

年末年始になると、お酒を飲む機会が増える人も多いかもしれません。しかし、できるだけ適量を守り、飲みすぎと飲み方に注意しましょう。多量のお酒を一息に飲み干す一気飲みなどは、急性アルコール中毒を起こし、意識レベルが低下し、嘔吐や呼吸状態の悪化を招き、場合によっては命にかかわることもあります。
アルコールの分解力は人によっても、その日の体調によっても異なりますので、自分のペースで飲むことが大切です。飲みすぎは帰宅途中で転んだり、酩酊して、周囲の人とトラブルを起こす場合もあるので、お酒によるけがにも注意しましょう。

・アルコールの依存性

「酒は百薬の長」といわれる一方で依存性のある嗜好品でもあります。習慣的に飲酒を続けると、同じ量の飲酒でもあまり酔わなくなり、「酔い」を求めて徐々に酒量が増加していきます。そして、お酒に対する欲求が高まり、飲み方がコントロールできなくなります。さらには、お酒が切れると、不眠・発汗・手足のふるえ、不安・いらいら感などの「離脱症状」と呼ばれる症状が出現します。
アルコールの過剰摂取は、肝臓以外にも膵臓、脳・神経などのさまざまな臓器に悪影響を及ぼします。また、生活面でも飲酒による体調不良で遅刻や欠勤をしたり、二日酔いで頭が働かなくなるなど、仕事にも影響が及ぶ場合があります。さらには、家族間の信頼が失われ、関係がギクシャクし、その結果ストレスをためて一層お酒の量が増えてしまい、やがては社会に適応できなくなることも起こりえます。お酒の飲みすぎには注意が必要です。

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[監修]東京大学付属病院アレルギーリウマチ内科 医師・医学博士
女子栄養大学大学院 成人・高齢者保健学 非常勤講師
関谷 剛