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10月 筋力と基礎代謝

●食べすぎ・肥満は万病の元

導入漫画1

・男性は肥満傾向、20代女性はやせすぎ傾向

食欲の秋と呼ばれる、この季節。旬の味覚が出回り、つい食べ過ぎてしまいがちで、体重が増えやすい季節でもあります。
2012年の「国民健康・栄養調査」では、男性の29.1%、女性の19.4%が肥満(BMI≧25)で、30年前と比較すると、男性は、20歳以上のどの世代でも肥満の割合が増加しています。車社会になり歩く機会が減っていることや、食生活が欧米化したことなどによるものといわれています。一方、20歳代の女性の21.8%が「痩せ」(BMI<18.5)となっており、これも30年前と比較するとその割合は増加しています。

*Body Mass Index:体重(kg)/身長(m)2。BMI22.0が医学的に最も病気のリスクが少ないBMIとされています。

・「太りすぎ」「やせすぎ」どちらも健康不安あり!

過食や運動不足による「肥満」は、がん、脳血管疾患、動脈硬化による心疾患、高血圧、糖尿病など多くの生活習慣病と関連があるため、改善することが大切です。一方、体調不良や不健康なダイエットなどによる「痩せ」は、だるさ、疲れやすさの原因となるだけでなく、女性の場合は無月経を招く恐れがあるともいわれています。
毎日を楽しく健康に過ごすためにも、太りすぎや、やせすぎではない適正な体重の維持を心がけましょう。

●筋肉を落とさず、適正体重を目指そう

導入漫画2

・BMIが正常値でも隠れ肥満の場合あり

肥満度の判定はBMIが用いられ、男女とも18.5≦BMI<25.0が、普通体重とされています。しかし、BMIは身長と体重から単純計算された値のため、これだけでは筋肉質なのか脂肪過多なのかの区別はつきません。BMIは普通体重でも、筋肉と比べて脂肪が多く、体脂肪率が高い、隠れ肥満となっている場合もあるので注意が必要です。

・20代からはじまるサルコペニア

以前よりも体重が増えたり、お腹周りが気になったり、BMIが25.0以上の肥満となってしまった場合、食事量を減らしてダイエットすればいいと考えがちです。
しかし、極端に摂取カロリーを制限する方法や、特定のものばかりを食べるダイエット法などでは、低栄養状態になったり、体重とともに筋肉が落ちてしまうこともあり、サルコペニア(加齢に伴い、筋肉の量が減少していく現象)のリスクを高めることにもなります。サルコペニアは25~30歳頃から始まり、生涯を通して進行しますが、筋力・筋肉量の向上のためのトレーニングによって、サルコペニアの進行の程度を抑えることが可能ですので、運動を心がけ、筋肉量を維持することが大切です。

●体を動かしやすい秋にこそ、筋肉量をアップ

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・基礎代謝アップで冬太りを防ぐ

肥満の予防には、エネルギー量の摂取(食事)と消費(運動)のバランスを改善することが大切です。効果的に摂取量を減らし、消費量を増やすには、運動は欠かせません。運動は、消費エネルギーを増やすとともに、体の筋肉量を増やす効果があります。同じ体重でも筋肉量が多い方が、基礎代謝*は高くなり、消費エネルギーも大きくなるため太りにくくなります。
体には体温調節機能があり、エネルギーを放出して、暑さ寒さなどの温度変化に備えます。気温が下がる冬は基礎代謝が上がるので、体を動かしやすい今の時期から運動をして筋肉量を増やせば、冬太りを予防できるだけでなく、寒さに対応しやすくなるはずです。

*基礎代謝:心身ともに安静な状態の時に生命維持のために消費される必要最小限のエネルギー代謝量。

・秋の味覚を楽しみつつ、筋肉をつける

筋肉をつけるには、ウォーキングやジョギングなどの有酸素運動とともに、筋トレを組み合わせるのが効果的です。運動器具を使わず、自宅でもすぐに始められるスクワットは、人の身体の中でも筋肉が集まっている下肢全体(太腿の表・裏、お尻やふくらはぎなど)をまんべんなく動かすため、効果的に足腰を鍛えることができます。
あわせて、食事の際に筋肉をつくるたんぱく質、ビタミン類をしっかりとることも大切です。秋の味覚のさんまや戻りかつお、鮭など旬の魚には、たんぱく質やビタミンDが豊富です。秋の味覚を堪能しながら、日常でも体を動かして活動的に過ごすことで、筋肉量アップを図りましょう。

(膝や腰が悪い人は医師やスポーツトレーナーのアドバイスを受けながら行いましょう)

健康レシピ「牛肉の野菜ロールフライ」はこちら

[監修]東京大学付属病院アレルギーリウマチ内科 医師・医学博士
女子栄養大学大学院 成人・高齢者保健学 非常勤講師
関谷 剛