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制度変更等に関する情報について

健康保険に関する制度や運用等の変更に係る関係機関での検討状況などをお知らせするページです。

 

持続可能な医療保険制度を構築するための国民健康保険法等の一部を改正する法律案
(医療保険制度改革法案) H27.5.27

 持続可能な医療保険制度を構築するための国民健康保険法等の一部を改正する法律案(医療保険制度改革法案)が本日の参議院本会議において可決成立されました。なお、法律施行日案(平成27年4月1日)につきましては衆議院での修正案を受け、法律の公布日からとされました。協会けんぽに係る改正概要は以下のとおりです。

 ① 協会けんぽに対する国庫補助率「当分の間は16.4%」
   なお、国庫補助率の本則における範囲は13%~20%とされました。

 ② 後期高齢者支援金の全面総報酬割への移行

 ③ 入院時食事療養費の見直し(+100円、+200円の2段階で引上げ)

 ④ 紹介状なしでの大病院受診に定額負担(5千円~1万円)の導入

 ⑤ 健康保険の標準報酬月額及び標準賞与額の年間上限の引上げ
   (標準報酬月額…139万円、標準賞与額年間上限…573万円)

 ⑥ 健康保険料率の上限を引上げ(12%→13%)

 ⑦ 患者申出療養の創設

 ⑧ 傷病手当金、出産手当金における標準報酬日額を算定するための対象期間を制定
   (原則として直前12カ月)

 

持続可能な医療保険制度を構築するための国民健康保険法等の一部を改正する法律案
(医療保険制度改革法案) H27.3.11

 政府が3月3日付けで国会に提出した上記法案の概要については、以下の「医療保険制度改革骨子」にて概要をお知らせしておりますが、法案では下記の点が追加されましたのでお知らせします。

 

傷病手当金、出産手当金の標準報酬日額

 傷病手当金の標準報酬日額について、1日につき、傷病手当金の支給を始める日の属する月以前の直近の継続した12ヶ月間の各月の標準報酬月額を平均した額の1/30に相当する額とされました。(出産手当金の標準報酬日額についてもこれを準用することとされました。)

 

医療保険制度改革骨子 H27.1.15

 1月13日に、政府の社会保障制度改革推進本部において「医療保険制度改革骨子」が決定されました。私達に大きく関わってくる改正の概要についてお知らせします。

 

①協会けんぽに対する国庫補助率

 これまでお伝えしてきましたとおり、協会けんぽに対する国庫補助率につきましては、健康保険法の本則において「16.4~20%の範囲内で定めること」とされているところを、附則において「当分の間13%」と本則の範囲を外れた国庫補助率が定められ、適用されてきました。

 ところが近年、保険者間の財政力格差が拡大したことから、平成22年度から平成26年度までは特例として16.4%が適用されています。

 改革骨子では「当分の間の料率を16.4%に定める」とされました。この結果、これまでのような特例期限を意識した財政基盤強化のための活動は不要となります。

 ただし、法定準備金(平成26年度予想は約6,500億円)を越えて積み上がった準備金のうち、国庫補助にあたる16.4%相当は翌年度に減額することとされています。

 

②後期高齢者支援金の全面総報酬割移行

 現在の1/3総報酬割を平成27年度には1/2、平成28年度には2/3とし、平成29年度からは全面総報酬割の実施が記載されています。

 平成29年度の全面総報酬割により浮いてくる財源2,400億円については、1,700億円が国保の支援に、100億円は拠出金負担の重い保険者の負担軽減に充当、600億円が前期高齢者納付金負担の軽減等に充当されることとされています。

 私達の反対意見にもかかわらず、健保組合、共済組合の負担増により浮いてくる財源の7割を国保に投入することが明らかとなりました。

 

③入院時食事療養費の見直し ※低所得者を除く

 一般所得の方の入院時の食事代(現行:1食260円)について、入院と在宅療養の負担の公平等を図る観点から、食材費相当額に加え、調理費相当額の負担を求めることとし、平成28年度から1食360円、平成30年度から1食460円に段階的に引き上げることとなりました。

 

④紹介状なしでの大病院受診に定額負担の導入

 外来の機能分化を進める観点から、平成28年度から紹介状なしで特定機能病院および500床以上の病院を受診する場合等には定額負担を求めることとし、金額については今後検討することとされています。5,000円から1万円の範囲が例示されています。

 

⑤健康保険の標準報酬月額の上限、標準賞与額の年間上限の引上げ

 現在の47等級の上に、127万円、133万円、139万円の3等級を追加すると記載されています。標準賞与額の上限については540万円から573万円に引上げられることとされています。

 

⑥健康保険料率の上限引上げ

 現行の上限12%を13%へ引き上げるとされています。

 

⑦患者申出療養(仮称)の創設

 国内未承認の医薬品等を迅速に保険外併用療養として利用したいという患者の思いに応える目的で、患者からの申出を起点とする新たな保険外併用療養の仕組みを創設することとし、平成28年度からの実施とされています。

  

混合診療の拡大③(患者申出療養制度) H26.11.12

 公的医療保険が使えない治療(未承認の新薬や医療機器等)であっても、医師の説明を受けて納得した上で治療を申し出れば、「保険が使える治療」との併用が認められる「患者申出療養制度」の厚生労働省案が明らかになりました。

 11月5日の中央社会保険医療協議会(中医協)に提出された内容は、最初の患者は原則として全国約100か所の大病院(東大病院などの「臨床研究中核病院…全国15か所」に加え、大学病院など高度な医療技術を提供する「特定機能病院…全国80か所超」)でのみ治療を受けることができることとされました。

 当初、規制改革会議や産業競争力会議においては、身近な医療機関(全国約1,000か所)で受診できる体制が検討されていましたが、実質的には高度先進医療を担う中核病院にほぼ限定される見通しとなりました。報道によれば、同日の中医協では、患者らの細胞を使って体組織を修復する再生医療製品を新たに加えることとして、了承されたとのことです。

 政府は社会保障審議会での議論を経て、来年の通常国会に関連法案を提出し、平成28年の導入を目指す模様です。

 

第82回社会保険審議会医療保険部会における提案概要について H26.10.18

 10月15日に開催されました表題の会議において、厚労省は当面の医療改革案を提示しました。この中には、後期高齢者の保険料負担を最大9割軽減している特例措置を段階的に縮小してはどうかとの案と並行して、現役世代の皆さまに対する下記のような負担増案が示されました。

 

①標準報酬月額の上限引上げ

 私達の加入する健康保険においては、月収に応じて標準報酬月額が定められ、それを基に保険料が決定される仕組みとなっています。現在はその上限が121万円とされていますが、145万円に引き上げる案が提案されました。厚労省によれば、高所得者約30万人の保険料負担が増加する模様です。

 

②「紹介状なし」での大病院受診に定額負担導入

 大病院を、かかりつけ医の紹介状を持たずに受診した場合には、初診料での追加負担を求めることが提案されました。対象の大病院は500床以上、初診料は5,000円程度が有力です。

 

③入院中の食事負担の引上げ

 入院時の食事療養費は食材費相当額として1食260円を自己負担していますが、調理費用も含めて1食460円程度への引上げが諮られました。

 

④個人に対する健康・予防インセンティブの付与

 負担増案とは別に、日本再興戦略に掲げられた「個人に対する健康・予防インセンティブ」としてヘルスケアポイントの付与や現金給付等の取組みを保健事業として導入することができないか、検討課題として提出されました。

 

後期高齢者支援金の負担方法について H26.10.9

 10月6日の社会保障審議会医療保険部会において、厚生労働省は後期高齢者支援金の負担方法について「全額総報酬割」を提案いたしました。現在適用されている「2/3を人数割りとし、1/3を総報酬割」とする負担方法が、収入の低い協会けんぽ加入者に重い負担を強いているという私たちの主張が容れられたものであります。この変更によって協会けんぽの負担額は表面上は2,100億円の軽減となります。

 これに加え、厚労省は前期高齢者(65~74歳)の加入率に応じて調整を加えることを提案いたしました。厚労省案によれば、協会けんぽの負担が更に300億円軽減され、合計で2,400億円の負担が軽減されることとなりますが、これまでお伝えしてきた通り、協会けんぽに対する国庫補助から同額が減額される仕組みとなっております。従って、実質的に負担軽減となるのは国庫となります。

 今後の審議は、この負担軽減によって生まれる財源(2,400億円)の使途が争点となってくるようです。これまでの審議の経緯や新聞の論調から、厚労省の青写真は国民健康保険への投入のようです。協会けんぽとしては、引き続き「被用者(サラリーマン)保険における負担方法の変更によって生じる財源は、被用者保険の負担軽減に充当するのが筋道である」と主張してまいります。

 

混合診療の拡大②(患者申出療養制度) H26.6.16

 6月10日に開かれた産業競争力会議において、混合診療の拡大を含む成長戦略骨子が公表されました。同日に安倍首相は慶応大学病院を視察し、記者団に「患者申し出療養制度(仮称)」を創設する方針を明らかにし、来年の通常国会に法案を提出すると発表しました。

 これは、先に明らかになった医師と患者の合意を条件に混合診療を大幅に広げる「選択療養制度」に対し、「①安全性や有効性が確保できない、②国民皆保険制度を揺るがしかねない」として厚労省や医師会、保険者団体、患者団体が強く反対したことから、政府内で調整していたものです。

 発表された「患者申し出療養制度」は保険外併用療養費制度の一分野との位置づけのようです。この制度案では、前例のない治療を患者が希望する場合は臨床研究中核病院が国に申請し、6週間以内に専門家による合議機関が安全性や有効性から可否を判断します。前例がある場合は中核病院が原則2週間で判断することとしています。また、これまでに較べ、審査期間の大幅短縮や新たな治療を受けるチャンスが拡大するだけでなく、身近な医療機関での治療も想定されているようです。

 今後は、厚労省が社会保障審議会等での議論を踏まえながら制度設計を進めることとなりますので、随時、お伝えしてまいる予定です。

 

 富山支部メールマガジン6月20日号に掲載の新聞各紙は次のとおりです。

 A紙=毎日新聞、B紙=読売新聞、C紙=日本経済新聞、D紙=朝日新聞、E紙=産経新聞

 

混合診療の拡大①(選択療養制度) H26.5.30

 政府の規制改革会議は28日、健康保険が使える保険診療と使えない自由診療を組み合わせた「混合診療」の拡大につながる「選択療養制度」の創設を求める意見書を厚労省に提出しました。

 保険診療は安全性・有効性が確認された治療であるのに対して、自由診療は確認されていないことなどを理由に、現在は「混合診療は原則禁止」とされています。例外的に認められた治療(保険外併用療養費制度)を除き、実施した場合は、保険適用されるべき治療も含めた一連の治療行為全体が保険適用外とされ、全額自己負担となります。

 規制改革会議は「困難な病気と闘う患者が希望する治療を受けられるよう選択肢を拡大する」ことを目的に選択療養制度の提言を行いましたが、厚労省、医師会、保険者や難病患者の団体からは安全性が確認できないことや国民皆保険を揺るがしかねないとの懸念が表明されています。

 そこで、規制改革会議では、医師が治療に対する十分な説明を患者に行ったうえで両者が合意すれば、保険外治療を受けながら保険適用の診療が受けられるという制度を提案し、これを「選択療養」とネーミングしたのです。実質的な混合診療の拡大といってよいでしょう。

 この他、規制改革会議と厚労省との間には、申請から治療開始までの期間や治療実施医療機関の数についても考え方に大きな隔たりがあり、6月にまとめられる新たな成長戦略に向け、政府内での調整が行われるようです。

  

平成26年度診療報酬改定について⑤ H26.2.8

 支払側委員と診療側委員の議論が平行線をたどっていました初診料・再診料の引き上げ案については、2月5日(水)開催の中央社会保険医療協議会において、公益代表委員の裁定により厚労省案(内容は前回1月31日付でお知らせしました)が了承されました。
 この結果、今月12日に平成26年度診療報酬改定案を田村憲久厚生労働大臣に答申されることとなりました。
 なお、当協会けんぽや健保連などの支払側委員7名は12日の中医協総会後、厚労省内で記者会見を行う予定です。

 

高額療養費制度の見直し③ H26.2.5

 高額療養費制度の見直しについては三つの案が提示されていましたが、平成26年度予算案において、第3案(現行の3区分を5区分に細分化する案…前回に詳細を報告)が盛り込まれていることが社会保障審議会医療保険部会で明らかになりました。

 これにより、平成27年度の当協会財政負担が約300億円増加することから、小林理事長が遺憾の旨を述べ、決定に至る経緯について厚労省に説明を求めました。これに対し保険局の大島総務課長は、「与党とも協議した結果である。今後、協会けんぽへの国庫負担を議論するなかで、財政全般について改めて議論したい」との発言がありました。

 

平成26年度の診療報酬改定について④ H26.1.31

 厚生労働省は1月29日開催の中央社会保険医療協議会において、4月の消費増税に伴う病院や診療所の料金引き上げに関し、これまでの両論併記から1案に絞り込みのうえ提示しました。

 これによりますと、基本的な考え方としては、「診療報酬において、基本診療料に点数を上乗せすることを中心に対応し、補完的に個別項目に上乗せする」こととしています。

具体的な提案内容のうち初診料等について見ますと、医科における初診料は120円上げて2,820円に、再診料は30円上げて720円とし、歯科については、初診料を160円挙げて2,340円に、再診料を30円上げて450円とする案になっています。

 また、調剤基本料については、400円を10円上げて410円とする案になっています。

 報道によれば、医療機関側が賛成し、支払側が異を唱えたことから、結論は次回に持ち越したとのことです。

 

平成26年度の診療報酬改定について③ H26.1.9

 厚生労働省は1月8日の中央社会保険医療協議会分科会において、初診料や再診料の引き上げに関し2案を提示しました。これは4月の消費税増税により、医療機器等の仕入に伴う消費税負担増の補てん策として考えられているものであり、すでに政府方針として決定された診療報酬改定の具体的な措置の一部であります。

 提示された第1案は、初診料を120円引き上げて2,820円に、再診料を30円引き上げて720円にするというものです。この案は患者に幅広く負担いただくということで日本医師会などの診療側が支持しているようです。

 第2案は、初診料の引き上げは80円、再診料は20円に抑え、それでカバーできない消費税負担に対しては個別の治療行為に診療報酬を上乗せしようとするものです。協会けんぽや健康保険組合連合会等の保険者の意向が少しばかり反映されたものとなっています。

 報道によれば、分科会での意見が分かれたことから、結論がでなかったとのことであります。

 

平成26年度の診療報酬改定について② H26.1.8

 平成26年度の診療報酬改定が「0.1%アップ」に決着しました。マイナス改定を求めていた協会けんぽにとっては誠に残念な結果に終わりました。

 診療報酬について改めておさらいをしますと、私達が健康保険を使って医療サービスを受けた場合に支払う全国一律の価格のことであり、2年おきに国が改定いたします。その内訳を見ますと、医師や調剤薬局の技術料にあたる「本体部分」と、医薬品や医療材料の「薬価部分」に分けられます。

 今回の内訳を見ますと、薬価が市場の実勢価格に応じて1.36%引き下げられることとなりました。一方で、消費税が5%から8%に引き上げられることに伴い医療機器等の仕入れ負担が増加することから消費税対応分として1.36%が加算されます。さらに、医療提供体制の充実のためとして0.1%が加算されることとなり、診療報酬全体としては0.1%引き上げられることとなったのです。

 これまで協会けんぽは、各種審議会等を通じて意見を発信してまいりましたが、保険関係6団体(協会けんぽ、全国健康保険組合連合会や国民健康保険中央会、全日本会員組合、経団連、連合)が共同して、11月15日に厚生労働大臣宛てに要請書を提出しました。
 内容は、「①過去12年間のGDPが7%以上減少したのに対し、国民医療費は約28%も急増し国民生活を圧迫してきた。②医療経済実態調査によれば、医療機関の経営状況は安定し他産業と比較しても上位の利益率を計上している。また、医師の給与も増加傾向にあるのは過去のプラス改定の結果である。」と指摘し、全体としてマイナス改定を強く求めたのであります。

 残念ながら、診療報酬改定を審議する中央社会保険医療協議会においては、支払側(協会けんぽ等)のマイナス改定意見と診療側(医師会等)のプラス改定意見とが平行線をたどり、合意を得ることができませんでした。このため、公益代表である会長を中心に両論併記の意見書が取りまとめられ、12月20日の政府決定となったのであります。2年前の「プラス0.004%」の再現フィルムを見るような決着となりました。

 

プログラム法案④ H25.12.7

 社会保障制度改革の道筋を示したプログラム法案が、5日夜の参議院本会議において可決、成立しました。
 いよいよ実行段階へと移行しますが、残された具体的な検討課題等については、引き続き各種審議会等を通じて当協会の意見を発信してまいる所存であります。

 

プログラム法案③ H25.11.21

 社会保障制度改革の全体像とその進め方を明らかにする「プログラム法案」が19日午後の衆議院において可決され、参議院に送られました。

 

平成26年度の診療報酬改定について① H25.11.20

 診療報酬の改定は2年に一度となっており、平成26年度が改定の年となっています。11月8日に開催された社会保障制度審議会の医療保険部会と医療部会に厚生労働省の基本方針が示されました。
 それによりますと、社会保障と税の一体改革の基本的な考え方を踏まえ、医療機関の機能分化・強化と連携、在宅医療の充実等に取組むことを基本方針とし、消費税率8%への引上げに伴う対応としては、高額な医療機器等の取得に対する消費税影響分に対しては診療報酬改定により対応するとしています。単純計算によれば1.23%アップの 改定となるとの試算が11月14日の中央社会保険医療協議会に提示されました。(1%アップは4,200億円の国民負担増となります。)
 なお、当協会の小林理事長は、消費税影響を検討するにあたっては診療行為との関連性が疑われるような投資有無を精査し、負担の実態により近い改定をするよう強く要望しています。

 一方、財政制度等審議会(財務相の諮問機関)は病院経営の改善が進んでおり、医師の技術料である本体部分を引き上げる状況にはないとしています。さらには、これまでの薬価部分の引き下げで浮いてくるお金を本体部分に回すという考え方には否定的な見解を表明しており、来年度予算編成に向けて議論が白熱してくるものと思われます。

 

プログラム法案② H25.10.23

 第185回臨時国会(会期:10月15日~12月6日)が開催されていますが、今国会には「持続可能な社会保障制度の確立を図るための改革の推進に関する法律案」(いわゆるプログラム法案)が提出されました。

 同法案は、「社会保障制度改革国民会議の報告書」や社会保障制度改革推進法に基づく「法制上の措置の骨子について」を踏まえ、受益と負担の均衡がとれた持続可能な社会保障制度の確立を図るための改革を推進することを目的とし、その全体像と進め方を明らかにしています。

 また、推進するための組織として、内閣に総理大臣を本部長とする「社会保障制度改革推進本部」と、有識者からなる「社会保障制度改革推進会議」を設置することとされています。

法案のうち、協会けんぽに関わる部分の概要は以下のとおりです。

改革の方向性

① 情報通信技術やレセプト等の活用により、地方公共団体、保険者、事業者等による保健事業の推進、
 後発医薬品の使用及び外来受診の適正化の促進その他必要な措置を講ずる。

② 協会けんぽに対する国庫補助率の検討。

③ 後期高齢者支援金の全額総報酬割。

④ 70歳~74歳の窓口一部負担の取扱い(1割→2割)。

⑤ 高額療養費の見直し(負担能力に応じて増減)。

⑥ 外来及び入院に関する保険給付の見直し。

スケジュール

① については、平成29年度までを目途とし、平成26年通常国会に必要な法案の提出を目指す。

② から⑥については、平成26年度から29年度までを目途に順次講ずるものとし、平成27年の通常国会
 に必要な法案の提出を目指す。

 

高額療養費制度の見直し② H25.10.9

 10月7日に第68回の社会保障審議会医療保険部会が開催されました。前回お知らせしました高額療養費の所得区分に関する細分化案が厚生労働省から提示されましたので、70歳未満に関する区分案の概略をお知らせします。なお、厚労省は平成27年1月からの実施を目指すとしています。 

(案1)では9区分に、(案2)では6区分に、(案3)では5区分に細分化されています。マスコミ各社の報道によりますと(案3)が有力とのことでありますので、今回は(案3)についてお知らせします。 

 現在の所得区分における上位所得者(年収約770万円以上)は2区分とします。年収1,160万円以上の層(対象者330万人)は負担限度額を7割近く引き上げ、<252,600円+1%>とします。また、年収770万円~1,160万円の層(対象者1千万人)の負担限度額は約1割引き上げられ、<167400円+1%>とする案となっています。
 一般所得者も2分割され、年収370万円~770万円の層(対象者4,150万人)は負担限度額が据え置かれますが、年収370万円以下(対象者4,060万人)は負担を約3割引き下げ、<57,600円>とされています。
 低所得者(住民税非課税)については据え置かれるものとなっています。 

 以上のとおり、所得の高い1,330万人の負担限度額が引き上げられ、所得の低い層4,060万人(住民税非課税世帯除く)が引き下げられることにより、各保険者の高額療養費の負担が増加するものと予想されています。なかでも低所得者の多い当協会の負担は年間約300億円の増加となり、厳しい財政に拍車をかけることとなりそうです。
 報道によれば、導入に対する慎重論が多かったようですが、今後の推移には十分注視していきたいものです。

 

高額療養費制度の見直し① H25.9.11

 厚生労働省は高額療養費制度の見直しの方向性について、9日の社会保障審議会医療保険部会に提示しました。これは社会保障制度改革国民会議が、高額療養費の所得区分を細分化し負担上限額を所得に応じた負担に見直すよう盛り込んだことを受けたものであります。

 見直しの対象が70歳未満の場合では、上位所得者を細分化し全ての区分において負担上限額を引き上げる案となっています。一般所得者については3区分とし、高い方の区分では負担限度額を引き上げ、中間区分は据え置き、低所得区分では引き下げる案としています。

 また70~74歳の年齢層では現役並み所得者と一般所得者をそれぞれ2区分に細分化し、いずれも高い方の区分の負担限度額を引き上げる方向としています。

 なお、具体的な所得区分や引き上げ額等については次回会合で提示される予定であります。

 

社会保障制度改革 プログラム法案① H25.8.24

 社会保障制度改革国民会議から8月6日に提出された報告書を踏まえ、改革の項目や実施日程を定める「社会保障改革プログラム法案」の骨子が21日に閣議決定されました。10月から始まる臨時国会に法案が提出される予定であります。

 報道等によれば、医療制度に係る法案骨子のうち主要項目の概要は以下のとおりであります。

 一、情報通信技術,レセプト等の活用により保健事業の推進、後発医薬品の普及、外来受診の適正化
   等に必要な措置を講ずる。

 二、病床の機能分化・連携及び在宅医療・在宅介護の推進などの医療提供体制の見直し……29年度
   までに実施。必要な法案は来年の通常国会への提出を目指す。

 三、国保の都道府県移管と保険料徴収や保健事業における市町村との役割分担……29年度までに実
   施。必要な法案は27年度通常国会への提出を目指す。

 四、被用者保険者に係る後期高齢者支援金を全額総報酬割とする。……27年通常国会に法案提出を
   目指す。

 五、国保の保険料の賦課限度額及び被用者保険の標準報酬月額の上限額の引き上げ……29年度まで
   に実施。

 六、70歳から74歳の窓口負担を2割へ引き上げ……26年度以降段階的に実施。

 七、高額療養費の負担上限額の引き上げ……26年度にも実施。

 八、協会けんぽに対する国庫補助率……26年度までに検討を実施し必要があると認められた場合は、
   所要の措置を講ずる。

以上が概要ですが、当協会が求めていた、

① 国庫補助率20%への引き上げは結論が先送りされました。

② 後期高齢者支援金の全額総報酬割は道筋が立てられました。

③ ただし、②により浮いてくる国庫補助金2,300億円の使途については「2(6)①イ 国保の財政支援の
 拡充」に流用される余地のある法案骨子となっています。

 今後の法案作成プロセスとしては、プログラム法案の提出に合わせて個別法案の立法作業に着手するものと考えられます。私たちは引き続き協会けんぽの要望を粘り強く訴えていく覚悟であります。

 

社会保障制度改革国民会議④ H25.7.4

 6月24日に第16回社会保障制度改革国民会議が開催されました。同日で2巡目の議論が終了したことを受け、清家会長は、「8月21日という設置期限に向け、議論を集約していく必要がある」と述べ、報告書素案のタタキ台を作成する起草委員として5名の選任を諮り、了承されました。

次回は7月上旬にタタキ台が議論される予定とのことです。ただし、年金・少子化対策など大方のコンセンサスが得られているものもありますが、国保の都道府県への移行や後期高齢者支援金の総報酬割で浮いてくる国庫補助金の使途のように未だに意見が平行線をたどっているものもあります。また、高齢者医療制度そのもののように、議論がほとんど見られていない項目も残されています。

私たちは、次回の会議に提出されるタタキ台の内容を十分精査し、言うべきことがあれば、社会保障審議会医療保険部会等を通じてしっかりと意見発信していきたいと考えています。

 

社会保障・税の共通番号(マイナンバー)導入に向けた動きについて④
                                H25. 5.25

 マイナンバー法案が成立しました。

 社会保障と税の共通番号(マイナンバー)法案が5月24日の参議院本会議において可決、成立しました。この結果、国民一人ひとりに番号をふり、社会保障と納税を1つの番号で管理する制度がスタートすることとなりました。

 マイナンバーは、平成27年の秋頃から個人番号の通知を開始し、平成28年1月から利用を開始する予定であります。

 なお、多くの国民が個人情報の漏えい等を懸念していることから、その保護を強化するため、情報の取扱いを監視する第三者機関が設置される予定です。

 

社会保障制度改革国民会議について③ H25.4.26

 4月22日に開催された第10回国民会議において、「医療・介護分野におけるこれまでの議論の整理(案)」について意見交換が行われました。これに関し、翌日の新聞各紙は、表現に濃淡はありますが、「①国民健康保険(国保)の運営主体を市町村から都道府県へ移管する。②後期高齢者支援金の負担方法を全面総報酬割とする。③全面総報酬割による協会けんぽの負担軽減に伴い、浮いてくる国庫補助金2,000億円を国保の支援に回す方向で大筋合意した」と報道しています。

 確かに、全国知事会が赤字構造を残したままでの移管には消極的であったことから、国保の都道府県移管が中心的に議論されたことは事実のようであります。

 一方で、議論の整理(案)には、「浮くとされる国庫負担分を協会けんぽの国庫補助率20%の引き上げに使うべきとの意見や、前期高齢者の給付費に充当することによって被用者保険全体の負担軽減を図るべきなど、様々な意見があることも踏まえ、浮いた財源の使途も含めて、検討すべき」という意見も記載されています。

 私たちは従来から、「全面総報酬割の導入は、被用者保険(協会けんぽ、健保組合、共済組合)間の負担の公平性を実現するため」と主張してまいりました。従って、それにより浮いてくる財源については協会の国庫補助率の引き上げなど被用者保険の負担軽減に充当するのが筋ではないでしょうか。国民会議の設置期限は8月21日とされています。それまでに、より多くの国民会議委員の理解が得られるよう努める覚悟です。

 

社会保障制度改革国民会議について② H25.4.18

4月4日に開催されました第8回会議は保険者団体との意見交換がメーンテーマでありました。当協会の小林理事長が出席し意見を述べましたので、その概要をお知らせいたします。

 先ず初めに、自ら保険財政を運営することができる場合は協会けんぽから抜けて健康保険組合を設立出来る一方で、健保組合が解散ないし健保組合に加入できない事業所が協会けんぽに加入するという制度上の仕組みから、被用者保険(サラリーマンが加入する保険)の最後の受け皿としての機能を担っている点に理解を求めました。

 次に、長引く経済不況による保険料収入の低下に加え、医療の高度化や高齢化による支出の増大により財政赤字が拡大傾向にあること。さらに、高齢者医療への拠出金負担が支出の4割以上を占め、毎年2~3,000億円増加していることが企業の経営基盤、従業員の雇用、生活に直接影響し、もはや保険料負担は限界であることを訴えました。

 そして、特例措置の延長により保険料率を10%に据え置いているこの2年間のうちに、「税や社会保険料の主たる負担者である現役世代の立場に立った改革」と「現役世代内での公平性の確保」の実現を強く求めました。
 同時に、増え続ける医療費の根本的な抑制策、医療提供体制の見直し、医療給付の重点化・効率化についての方向性を示すよう要請いたしました。

 具体的な要望事項としては、①国庫補助率の20%への引き上げ、②高齢者医療制度における公費負担の拡充、支援金の全面総報酬割負担、70~74歳の窓口負担2割の実現を要望いたしました。

 報道によれば、16日の衆議院予算委員会で安部首相は、70~74歳の窓口負担について「基本的には原則はそう(2割)だから、我々もその方向に向けて実施をしていきたい」と述べられたとのことです。…日経新聞

 

社会保障制度改革国民会議について① H25.3.15

 昨年8月に施行されました社会保障制度改革推進法に基づいて設立されました表題の会議について、これまでの議事についてお知らせいたします。

 同会議の委員には学識経験者15名が委員に任命され、清家篤慶応義塾長が会長に指名されています。昨年11月30日に第1回会議が開催され、3月13日には第6回の会議が開催されています。今回は第1回から第6回までの議事についてお知らせいたします。

 会議は、最初に「これまでの社会保障改革の取組状況の把握と今後の課題について」の確認からスタートし、その後、各方面(注1)からの意見聴取なども行い、第6回の会議においては、これまでの主な議論が取りまとめられました。私達に特に関係が深いものは以下のとおりです。

① 制度が持続可能となるよう、負担の引き上げ、給付の削減を議論すべき。

② 一定以上所得者の給付の見直しは医療と介護を制度横断的に検討すべき。

③ 低所得者対策に公費を重点化し、保険料財源で調整出来るところは調整すべき。

④ 健保組合と協会けんぽの間でも構造的要因に着目した財政調整に踏み込むべき。

⑤ 高齢者医療や介護への拠出金について、総報酬割を導入すべき。

 なお、今後のスケジュールは、医療・介護に関し、関係者(注2)を交えての議論を行うなど集中的に討議が行われる予定であります。

(注1)経済団体(経団連、経済同友会、日本商工会議所、連合)

     地方団体(全国知事会、全国市長会、全国町村会)

     財政制度審議会

(注2)日本医師会、日本歯科医師会、日本薬剤師会、日本看護協会、四病院団体協議会、

    全国老人福祉施設協議会、民間介護事業推進委員化、協会けんぽ、健康保険組合連合会、

    国民健康保険中央会、全国後期高齢者医療広域連合協議会

 

社会保障・税の共通番号(マイナンバー)導入に向けた動きについて③
                                 H25. 3. 1

 マイナンバー法案は昨年2月の国会に提出されましたが、衆議院の解散により廃案となりました。その後、自民・民主・公明の3党が修正協議を進めていましたが、このほど一部を修正した法案がまとまり、3月1日の閣議で決定され、衆議院に提出されました。

修正内容は、施行1年後をめどに情報流出を防ぐ第三者機関の権限拡大を検討することを盛り込んだもので、今国会での成立を目指しています。

 当初は平成27年1月の導入を予定していましたが、法案提出の遅れを勘案し、平成28年1月の利用開始を予定しています。

 

 平成25年度予算の概算要求について  H24. 9. 7 

 厚生労働省は9月5日、「平成25年度予算概算要求の主要事項」を公表いたしました。この中で協会けんぽ等の国庫補助等については、「高齢者医療の支援金の総報酬に応じた負担と併せて、協会けんぽの平成25年度以降の国庫補助についても、予算編成過程で検討する。」とされています。

 なお、9月6日(木)付け日本経済新聞においては、厚生労働省の来年度概算要求に関し、「中小企業の会社員が加入する全国健康保険協会(協会けんぽ)の補助金は削減する前提だ。」と報道されていますが、上記のとおり年末の予算編成過程で検討すると整理されています。

 

 後期高齢者支援金の加算・減算について  H24. 7. 18  

 平成20年度から平成24年度(第1期)における特定検診・保健指導の実績に応じて、平成25年度以降は各保険者が負担すべき後期高齢者支援金に+10%から-10%の範囲内において加算・減算されることとされています。

 このほど、その取り扱いに関し、厚労省保険局から「保険者による健診・保健指導等に関する検討会のとりまとめ」が公表されました。 

 この中で、平成25年度の協会けんぽに係る取扱いについては、24年度の実施状況により、

①  特定健診の実施率については、事業主健診の取得率が一定程度以上となるまでの間については、
     規模の大きい(健診対象者10万人以上)市町村国保と同一グループにおいて調整を行う。

②  特定保健指導の実施率については、単一健保と比して、各事業所との距離が相対的にあることを
   勘案して、総合健保と同一グループにおいて調整を行うこととされています。 

 その結果、協会けんぽにおいては、加算対象保険者には該当しない見通しとなりました。

 

 パート労働者への社会保険適用拡大について③ H24. 6. 27  

 社会保障と税の一体改革関連8法案が6月26日の午後、衆議院本会議で可決され、参議院へ送付されました。表題に関わる通過法案は、政府当初案が修正され、以下の内容となっています。

 社会保険加入の対象者は、① 週の労働時間が20時間以上、② 月額賃金が8.8万円以上、③雇用期間が1年以上、④勤務先の従業員規模が501人以上の全ての条件を満たす労働者となります。
収入条件を当初案より厳しくしたことから、社会保険適用者の増加は45万人から25万人に縮小しています。

 また、制度の開始は当初案より半年遅れ、平成28年10月となっています。

 なお、将来的な適用範囲の拡大については、「施行後3年以内に検討を加え、その結果に基づき、必要な措置を講じる」こととされています。

 

 社会保障・税の共通番号(マイナンバー)導入に向けた動きについて② H24.5.7

 平成27年1月の運用開始を目指し、今国会に提出されている「マイナンバー法案」は、この大型連休明けにも国会審議が開始されるようです。政府は所得の正確な把握や年金、生活保護、介護保険や税の申告などに使用するだけでなく、多くの行政手続きに、このマイナンバー制度の活用を検討しているようです。その概要が明らかになりましたのでお伝えいたします。 

 個人の場合、結婚や転居、退職時などにマイナンバーを使ってインターネットで届け出をすれば、複数の届け出が一括して可能となるシステムを目指しています。インターネット環境が整っていない場合にはICカードを無料配布し、行政機関の窓口に持参すれば同様の手続きができるようにするようです。
 例えば、転居に伴う手続きは最多で26種類があり、関係する行政機関が7つあるとのことですが、マイナンバーを使って転入届を提出すれば、年金の受け取りや奨学金の返済など関係ある行政機関への届け出住所が自動的に変更されるようになる見込みです。 

 また、行政側からはサービスの情報提供や手続き漏れを注意喚起する仕組みも検討されています。将来は確定申告の自動作成システムや年金保険料の納付実績・納税記録の閲覧にも活用範囲を広げることが考えられているようです。

 

 パート労働者への社会保険適用拡大について② H24.3.15

 3月14日、政府・民主党はパート労働者に対する社会保険の適用拡大について合意しました。対象者は①週の労働時間が20時間以上、②年収94万円以上、③雇用期間1年以上の条件を全て満たす労働者とする。勤務先の従業員規模が501人以上の企業には平成28年4月から適用し、3年以内に対象者を拡大することを盛り込んだ法案を今国会に提出する方針が固まったとのことです。

 この結果、平成28年4月には新たに45万人が社会保険の被保険者となる見通しです。 前回お伝えした改正案第1弾(従業員1,001人以上、年収80万円以上)の対象者50万人よりも小規模となりました。パート労働者を多数雇用している流通業界や外食産業からの反対意見が根強いことから、対象企業は広げるものの、年収基準を引き上げることによって、前回案より企業負担(保険料は労使折半)が軽くなるよう配慮したようです。

 

 パート労働者への社会保険適用拡大について① H24. 3. 9

 「社会保障と税の一体改革」に盛り込まれている短時間労働者(パート労働者)に対する社会保険(協会けんぽや健康保険組合等の健康保険・厚生年金)の適用拡大に関する厚生労働省(案)が明らかになった、と報道されました。それによりますと、適用拡大に伴う企業負担の増加を緩和するため、2段階での実施が考えられているようです。 

 適用の対象者は、①週の労働時間が20時間以上、②年収が80万円以上、③雇用期間が1年以上の条件を全て満たす労働者とし、
・第1弾は、従業員1,001人以上の企業で働くパート労働者を対象とし、法案成立から3年後の実施
 (早ければ2,015年ごろ)を想定しているとのことです。
・第2弾は、従業員301人以上もしくは501人以上の企業のパート労働者に拡大します。(人数規模
 については、両案のいずれかで調整の見込み)

 その結果、第1弾では適用対象者数が50万人、企業の負担が約800億円発生し、第2弾では70~80万人が新たに対象となり、企業には最大約1,600億円の負担が増加することとなります。(合計、120~130万人、企業負担は最大約2,400億円)
 また、金額は明らかにされていませんが、協会けんぽと健康保険組合の財政が悪化し、共済組合と国民健康保険の財政が改善されることになるようです。
 このため、報道によれば企業や保険者の多額の負担増に対する激変緩和措置が検討されているとのことです。

 

 健診・保健指導等の達成状況に係わるペナルティ制度 H24.3.8

 高齢者の医療の確保に関する法律では、平成24年度における健診・保健指導等の参酌標準(目標)の達成状況により後期高齢者支援金に最大10%の範囲内で加算・減算を行うこととされていますが、その詳細は実施状況を踏まえて検討することとなっています。

 この度、厚生労働省内において保険者検討会が開催され、厚労省サイドの考え方についての説明と意見交換が行われましたので、その概要についてお知らせいたします。

<検討会概要>

一、保険者によって大きく異なる現状の実施率を踏まえ、参酌標準の達成状況に加えて、国保、協会
 けんぽ、健保組合、共済組合等の保険者種別ごとの実施率等に大きな乖離がある実態を勘案する必
 要があるとの考えが示されました。

二、加算・減算の指標となる参酌標準は、①特定健診実施率(協会けんぽは70%)、②特定保健指導
 実施率45%、③メタボ該当者と予備軍の5年間での減少率10%となっていますが、③については
 健診実施率によって特定保健指導の対象者が大きく変動することから、適正な評価が困難であると
 して、平成24年度の指標から除外するとの意向が伝えられました。出席委員からは大きな異論はなかっ
 たとのことです。

三、加減算の具体的な実施方法については4パターンが示されましたが、出席委員からは加算に対す
 る反対意見や慎重な意見が多く、引き続き議論を続けることとなりました。(なお、4パターンの
 説明は省略させていただきます。)

四、加減算の実際の適用時期については、平成24年度の実績が確定するのが平成26年度秋頃となることか
 ら、平成25年度の確定後期高齢者支援金の精算(平成27年度)に反映させるとの考えが示されました。

 

 社会保障・税の共通番号(マイナンバー)導入に向けた動きについて①
                                 H24.2.2

 社会保障と税に関する情報を管理する共通番号「マイナンバー」導入に向け、その実務を担う新たな公的機関の設置案が通常国会に提出されるようです。報道によれば新機関の名称は「地方公共団体情報システム機構」とし、住民基本台帳ネットワークを運営する財団法人の業務を吸収するようです。社会保障と税の一体改革の陰に隠れてあまり議論の対象となりませんでしたが、昨年の6月30日の政府・与党社会保障改革検討本部において「社会保障・税番号大綱」が決定されています。その後、名称の一般公募により「マイナンバー」と決定されています。

 大綱では、その目的を「所得情報等を把握し社会保障や税の分野で活用」、「IT化を通じて適切な所得再配分制度の設計」、「低所得者対策」、「行政事務の効率化」、「国民の利便性向上」、「医学の進歩に資すること」としています。

 政府は広く国民の意見を聴くため、パブリックコメントに付したり、全国各地でシンポジウムを開催するなど行ってきたところでありますが、内閣府発表の世論調査結果は、「必要」と「どちらかと言えば必要」が計57.4%、「必要ではない」「どちらかと言えば必要ではない」が計27.3%であったものの、一方で、「内容を知らない」が41.5%もあり、知名度の低さが浮き彫りになりました。広く理解が得られるよう一層の情報提供が求められるところです。

 

 高額療養費改定と受診時100円上乗せ負担 H23.12.28

 医療費は患者の3割負担が原則ですが、高度な治療を受けた場合には月額百万円を超えることもあります。このため、1か月の月額自己負担額が高額になる場合、家計の負担を軽減するために一定の金額(自己負担限度額)を超えた部分が払い戻される制度を高額療養費制度と言います(入院の場合は、事前に限度額適用認定証を受けることで病院窓口では上限額だけを支払えばよくなる制度があります)。また、治療が長期にわたる重病患者の負担軽減制度もあります。

 現在は被保険者の所得に応じて、低所得者(住民税非課税世帯)、一般(中所得者)、上位所得者(標準報酬月額53万円以上)の3段階の区分となっており、中所得者(年収約210万円から790万円)の場合、月間の上限額が8万円強に定められています。

 厚生労働省はこの中所得者層のなかでも、下位の所得者には負担感が増していると判断し、24年度の法改正を目指しています。 

 10月12日、厚労省は社会保証審議会医療保険部会に中所得者を三ランクに細分化し自己負担を軽減する案を提示。同時に、その財源を捻出するため、外来患者の窓口負担に一律100円を上乗せする「受診時定額上乗せ負担制度」の導入を提案しました。同部会では高額療養費制度の拡充に異論はありませんでしたが、窓口負担の上乗せ案については賛否が分かれ、両論併記の取りまとめとなりました。

 この100円上乗せ案に対しては、民主党内における反対意見が圧倒的多数を占めたことから、政府は導入を断念。社会保障・税一体改革素案骨子案を、「所要の財源を確保したうえで年収3百万円以下程度の低所得者に配慮した制度改正を引き続き検討すること」と修正いたしました。
この修正案は12月20日の関係5大臣会合において了承され、一体改革素案骨子が決定されました。

 

 平成24年度の診療報酬改定② H23.12.26 

 報道によれば、12月21日に官房長官、財務相、厚生労働相が会談し、来年度の診療報酬を0.004%引き上げることで合意したとのことです。薬価部分で1.375%引き下げる一方で、本体部分(医師の報酬など)を1.379%引き上げるとの内容です。つまり、薬価引き下げで浮いてくる5,000億円を本体部分に充当するだけでなく、若干の上乗せをするということなのです。

 前回お知らせした「提言型政策仕分け」における本体部分に関する意見(据え置き6人、抑制3人、引き上げ0人)と、それを予算編成で反映するよう指示するとの野田総理の発言はどうなったのでしょうか。

 この結果を受けて、当協会の小林理事長は、「加入者の賃金が一貫して下がり続けており、大変厳しい経済環境にある中小零細企業のことを考えると、決定は納得できない。保険料率が10%を超えないようマイナス改定を要請してきた協会けんぽとしては大変残念というより他ありません」とコメントしています。

 なお、厚労省の22日付プレス・リリースによれば、本体+0.138%、薬価等▲0.138%、全体+0.00%と発表されています。

 

 70歳から74歳の高齢者の窓口負担 H23.12.22

   現在、医療費の窓口負担は、0歳~小学校就学前の乳幼児(2割)、小学生~70歳未満(3割)、70歳以上(1割)となっています。法律上は70歳以上75歳未満は2割負担と定められていますが、毎年約2千億円の予算を投入して1割負担に据え置かれているのです。

 これに対して、世代間に不公平が生じているとの指摘もあり、高齢世代・若年世代にとって公平で納得のいく負担を目指す見地から、法律の定める2割負担とすることが社会保障改革案に盛り込まれました。

  社会保障審議会医療保険部会における議論は、当協会の小林理事長をはじめとして多くの委員が、法定の2割に戻すことや公費の拡充等を求めましたが、最終的には、「速やかに法定の2割に戻すことが適当とする意見が多かった」ものの、「1割のままとすべきとの意見もあった」と整理されました。

  一方、民主党厚労部門会議医療介護ワーキングチームは、負担を1割に据え置く特例措置を継続するよう取りまとめ、党に提出しました。

政府は党の意向を受けて改革素案骨子を修正し、民主党の社会保障と税の一体改革調査会は12月16日にこれを了承しました。これにより、平成24年度も現行の1割負担が維持されることとなり、そのための予算措置がなされることになりました。

世代間の不公平感が解消されない残念な結果と言わざるを得ません。

 

 社会保障と税の一体改革 H23.12.13

 平成22年10月、菅首相のもと、政府・与党社会保障改革検討本部が設置され、社会保障と税の一体改革に関する検討が開始されました。以来、同年11月から12月にかけて有識者会議を開催、本年2月から6月にかけては集中検討会議が開催されてきました。この間、与党においても改革調査会等に置いて検討され、これらの議論を経て6月30日には改革検討本部で具体的な方向について取りまとめられました。

 以下に医療に関して取りまとめられた改革案を列挙しますが、それぞれのテーマについては、具体案を厚生労働省が作成し各種審議会や民主党内での議論を経て、平成23年度中をメドに社会保障・税一体改革の素案を取りまとめる予定であります。素案のうち、年金・医療・介護などの社会保障改革については12月15日までには骨子の策定を目指すとのことです。

一、 医療提供体制の効率化・重点化と機能強化では

 ① 病院・病床機能の分化・強化と連携

 ② 在宅医療の充実等

 ③ 平均在院日数の減少等

 ④ 外来受診の適正化等

 ⑤ 情報通信技術の活用による重複受診・重複検査・過剰な薬剤投与等の削減

ニ、保険者機能を通じたセーフティネット機能の強化・給付の重点化、逆進性対策として

 ① 短時間労働者に対する被用者保険の適用拡大

 ② 長期高額医療への対応、高額療養費所得区分の見直しによる負担軽減等

 ③ 受診時定額負担等

 ④ ジェネリックの更なる使用促進

 ⑤ 医薬品の患者負担の見直し

 ⑥ 高齢者医療費の支援金の総報酬割導入

 ⑦ 高齢者の自己負担割合の見直し等

 なお、5月の厚労省案に記載されていた「協会けんぽの財政基盤の安定化・強化」の文言が削除されています。このため、国庫補助率の引き上げに加えて、保険料率アップの最大要因である高齢者支援金等については公費の拡充をはじめとした見直しを強く要望しています。

 

 平成24年度の診療報酬改定① H23.12.9

 診療報酬とは患者や健康保険が病院や薬局に支払う報酬の公定価格で、医療機関への報酬である「本体部分」と薬や医療材料の「薬価部分」とから構成されます。診療報酬が仮に1%のプラス改定になれば協会けんぽの保険料率は0.09%の引き上げとなります。これまで2年に1度の改定を行っており、来年が改定の年にあたります。 

 9月中旬、小宮山厚生労働大臣の「少しでもプラスに」との発言を皮切りに、10月26日には厚労省の方向性を示す原案が社会保障審議会医療保険部会に提示され、本格的な検討がスタートしました。審議会の委員である当協会の小林理事長は、「ここ10年ほぼ一貫して賃金が下がり続けている協会けんぽ被保険者の現状や、保険料率が10%を超えようという大変な状況のなかで、患者負担や保険料負担の増加につながる改定には反対である」と発言を続けてまいりました。

 さらに11月11日には、中央社会保険医療協議会(中医協)の支払い側6団体(注)が同様の趣旨で厚生労働大臣に対して、「平成24年度診療報酬改定に関する要請書」を提出しています。25日の中医協総会では、小林理事長を含む支払側委員7名が「診療報酬全体の引き上げは国民の理解と納得が得られない」との意見を提出しましたが、診療側委員は「引き上げ」を求め、意見は平行線をたどりました。その結果、12月7日には厚生労働大臣に対し賃金・物価動向がマイナスで推移していることや、薬価や材料価格が実態と大きく乖離していることを指摘し、かつ、提言型政策仕分けの意見を承知しているとしつつ、両論併記の意見書が提出されました。日経新聞の社説によれば、「総枠を減額改定しないよう示唆する意見書」との評であります。

 また、11月22日に開催された「提言型政策仕分け」において、医療がテーマに取り上げられました。診療報酬本体については委員9人のうち、「据え置き」とする意見が6人、「抑制」とする意見が3人となり、引き上げを支持する意見はありませんでした。仕分け会場を視察していた野田首相は、「予算編成で反映していくことを改めて各閣僚に指示したい」と発言しています。

 一方、30日の民主党厚生労働部門会議では、「社会保障と税の一体改革大綱」に向けて医療・介護作業チームが取りまとめた「ネット(診療報酬全体)でプラスを目指すべき」とする報告書案が了承されています。

  12月2日に報告された薬価調査では、割高の薬価を実際の取引価格に近づければ、薬価を6%引き下げ、5,000億円の薬剤費が節約できることがわかりました。新聞報道によれば、厚労省ではこの5,000億円を本体部分に回したい(診療報酬全体で据え置き)と考え、財務省は介護報酬に投入したい(診療報酬全体はマイナス)と考えている模様であり、年末の来年度予算案作成から目が離せない状況が続きそうです。

(注)中医協支払い側6団体・・・健康保険組合連合会、国民健康保険中央会、全日本海員組合、
                経団連、連合、協会けんぽ