医療保険制度の将来にわたる持続的なかつ安定的な運営を確保するため、健康保険制度および船員保険制度が改正され、平成18年10月より順次施行されています。
ここでは、主なポイントをご紹介いたします。

平成18年10月施行

70歳以上の現役並み所得を有する方の一部負担金(窓口負担)の割合が変わります。<健康保険・船員保険>

現役並み所得を有する70歳以上の方の一部負担金(窓口負担)について2割から3割となります。

 ※ 現役並み所得を有する方とは、標準報酬月額が28万円以上である70歳以上の被保険者及びその70歳以上の被扶養者です。単身世帯で年収383万円、夫婦世帯で520万円未満であるときは申請により、1割となります。

現役並み所得を有する70歳以上の方の一部負担金(窓口負担)について2割から3割となります。

※公的年金等控除の見直しに伴う現役並み所得者の経過措置について
 公的年金等控除や老年者控除の見直しにより、現役並み所得者となる70歳以上の方については、平成18年9月から最大2年間、月ごとの自己負担限度額は、現役並みよりも低い「一般」の額が適用されます。
 【経過措置の対象となる方の一部負担金等】
  窓口負担割合 3割
  外来限度額 12,000円 自己負担限度額 44,400円

出産育児一時金・家族出産育児一時金の支給額が変わります。<健康保険・船員保険>

被保険者・被扶養者である家族が出産したときに支給される一時金が5万円増額され、1児につき35万円が支給されます。
また、被保険者の医療機関等での窓口において出産費用を支払う負担を軽減するため、政府管掌健康保険および船員保険では10月より出産育児一時金の医療機関等による受取代理を実施することといたしました。      
全国健康保険協会管掌保険における取り扱いは、こちらをご覧ください。

改正前

30万円
右向き矢印 改正後

35万円

埋葬料(費)・家族埋葬料の支給額が変わります。<健康保険>

被保険者が死亡したときは埋葬を行った家族に故人の標準報酬月額の1ヶ月分(10万円未満のときは10万円)、家族がいないときは埋葬を行った人に埋葬料の範囲内で埋葬にかかった費用(埋葬費)が、また被扶養者となっている家族が死亡したときは被保険者に10万円が支給されていましたが、今回の改正により、埋葬料・家族埋葬料については一律5万円が支給されます。埋葬費については、5万円の範囲内で埋葬にかかった費用が支給されます。

埋葬料(費)・家族埋葬料支給額変更の図

 

葬祭料・家族葬祭料の支給額が変わります。<船員保険>

職務外の事由により被保険者が死亡したときは、葬祭を行った家族に故人の標準報酬月額の2ヶ月分(10万円未満のときは10万円)、家族がいないときは葬祭を行った人に葬祭料の範囲内で葬祭にかかった費用が、また被扶養者となっている家族が死亡したときは被保険者に標準報酬月額の1.4ヶ月分が支給されていましたが、今回の改正により、葬祭料・家族葬祭料については一律5万円が支給されます。

葬祭料・家族葬祭料に併せて付加給付が支給されます。<船員保険>

葬祭料、家族葬祭料に併せて以下の付加給付が支給されます。

①葬祭料付加金
   葬祭を行った家族に、被保険者の資格喪失当時の標準報酬月額の2ヶ月分から葬祭料の額を控除した額が支給されます。家族がいない場合は葬祭を行った人に葬祭にかかった費用(標準報酬月額の2ヶ月の範囲内)から葬祭料の額を控除した額が支給されます。
②家族葬祭料付加金
   被保険者の資格喪失当時の標準報酬月額の1.4ヶ月分から家族葬祭料の額を控除した額が支給されます。
 

平成19年4月施行

標準報酬月額の上下限が変わります。<健康保険・船員保険>

現在標準報酬月額は、下限9万8千円、上限98万円となっていますが、平成19年4月より下限が5万8千円、上限は121万円となります
また、平成19年4月1日において同年3月の標準報酬月額が9万8千円である方(当該標準報酬月額の基礎となった報酬月額が9万3千円以上である方を除く。)または98万円である方(当該標準報酬月額の基礎となった報酬月額が100万5千円未満である方を除く。)については、保険者による職権改定(平成19年4月~8月の標準報酬月額に適用)が行われます。
(4月に随時改定等が行われる者を除かれます。)

(全39等級)

現行の上限 98万円 

現行の下限 9万8千円
右向き矢印 (全47等級)

見直し後 121万円

見直し後 5万8千円

また、それにともない健康保険及び厚生年金保険の標準報酬月額が上限・下限等にある方の随時改定の取扱いが変更されました。具体的な標準報酬月額の取り扱いについては、社会保険庁のホームページをご覧下さい。

標準賞与額の上限が変わります。<健康保険・船員保険>

賞与が支給された際の保険料は、標準賞与額(賞与支給額の1000円未満を切り捨てた額)に保険料率をかけて計算することとなっています。標準賞与額の上限は、これまで1か月あたり200万円を上限としていましたが、平成19年4月より年度の累計額540万円を上限とすることとなりました。
年度の途中で被保険者資格の取得・喪失があった場合の標準賞与額の累計については、保険者単位とすることとなっています。したがって、同一の年度内で複数の被保険者期間がある場合については、同一の保険者である期間に決定された標準賞与額について累計することとなります。

 ※厚生年金保険の標準賞与額の上限は、1か月あたり150万円で変更はありません。

具体的な標準賞与額の取扱いについては、社会保険庁のホームページをご覧ください。

現行の上限額

1か月あたり200万円
右向き矢印 見直し後の上限額

 年度の累計額540万円
(年度は毎年4月1日から翌年3月31日まで)

傷病手当金、出産手当金の支給額が変わります。<健康保険・船員保険>

これまでは、1日あたり標準報酬日額の6割が支給されていましたが、平成19年4月より、標準報酬日額の3分の2相当額が支給されることとなりました。

現行の支給額

標準報酬日額の6割
右向き矢印 見直し後の支給額

標準報酬日額の3分の2

任意継続被保険者の給付の一部が廃止されます。<健康保険>

任意継続被保険者に対する傷病手当金、出産手当金の支給が廃止されます。

被保険者資格喪失後の出産手当金が廃止されます。<健康保険>

資格喪失後6ヶ月以内に出産した場合に支給されていた出産手当金が廃止されます。

 疾病任意継続被保険者の給付の一部が廃止されます。<船員保険>

疾病任意継続被保険者及び疾病任意継続被保険者の資格喪失後6ヶ月以内出産した方に対する出産手当金の支給が廃止されます。また、傷病手当金の支給については、疾病任意継続被保険者の資格を取得し1年以内に発した傷病に限定されます。

70歳未満の方の入院等に係る高額療養費の支払の特例(いわゆる現物給付化)が実施されます。<健康保険・船員保険>

医療機関での窓口負担を軽減するため、70歳未満の被保険者及び被扶養者の方についても事前に全国健康保険協会の都道府県支部(平成20年9月末までは社会保険事務所)の認定を受けることにより、同一の月にそれぞれ一の医療機関での入院療養等を受けた場合においては、所得区分に応じ、現行の高齢受給者と同様に、窓口での一部負担金等の支払いを高額療養費の自己負担限度額までとすることが出来るようになります。
保険者の認定を受けるためには、「健康保険限度額適用認定申請書」(所得区分が上位所得者、一般に該当する方)もしくは「健康保険限度額適用・標準負担額減額認定申請書」(所得区分が低所得者に該当する方)を管轄の全国健康保険協会の都道府県支部に提出してください。

 

平成20年4月施行

窓口負担割合が改正されます。<健康保険・船員保険>

現在3歳未満の乳幼児については一部負担金の割合が2割となっていますが、少子化対策の観点から今後は義務教育就学前までに拡大されます。

【70~74歳の方(注1)の窓口負担について】

平成20年4月から平成21年3月までの1年間窓口負担が1割に据え置かれます。
(注1)既に3割負担を頂いている方、長寿医療制度(後期高齢者医療制度)の対象となる一定の障害認定を受けた方は除きます。
(注2)昨年の制度改正では、70~74歳の方の窓口負担については、平成20年4月から2割負担に見直されることとされていたものを据え置くものです。

長寿医療制度(後期高齢者医療制度)が創設されます。<健康保険・船員保険>

75歳以上の方または65~74歳の方で一定の障害の状態にあることにつき広域連合の認定を受けた方は、長寿医療制度に加入することとなります。
この場合、現在加入している全国健康保険協会管掌健康保険の被保険者・被扶養者ではなくなります。
また、被保険者が資格喪失した場合、75歳未満の扶養されている方も被扶養者でなくなるため、新たに国民健康保険等に加入することとなります。

【全国健康保険協会管掌健康保険の被保険者の方が長寿医療制度に移行することにより、その扶養家族である被扶養者の方が新たに国民健康保険に加入する場合の手続きについて】

詳細はこちらをご覧下さい。

【長寿医療制度における75歳以上の被扶養者の保険料について】

平成20年4月から9月までの6か月間は無料となり、平成20年10月から平成21年3月までの6か月間は、頭割保険料額(被保険者均等割)が9割軽減された額となります。


(対象者)
75歳以上の方(注1)で、長寿医療制度の被保険者になる日の前日(平成20年3月31日又は75歳の誕生日の前日)において被用者保険(注2)の被扶養者となっている方

(注1)65~74歳で一定の障害認定を受けた方を含みます。
(注2)全国健康保険協会管掌健康保険や企業の健康保険、公務員の共済組合等、いわゆる「サラリーマン」の健康保険であり、国民健康保険は該当しません。
(注3)昨年の制度改正では、被用者保険の被扶養者の方については、長寿医療制度の被保険者となった日の属する月から2年間、被保険者均等割を5割軽減することとされていますが、今回の措置はそれに加えて行うものです。

高額介護合算療養費が創設されます。<健康保険・船員保険>

療養の給付に係る一部負担金等の額及び介護保険の利用者負担額(それぞれ高額療養費又は高額介護サービス費若しくは高額介護予防サービス費が支給される場合には当該支給額を控除して得た額)の合計額が著しく高額である場合の負担の軽減を図る観点から、高額介護合算療養費が支給されます。

特定保険料率が創設されます。<健康保険・船員保険>

新たな高齢者医療制度の創設に伴い、保険者の単位で見て、長寿医療制度や前期高齢者を多く抱える保険者等に対する支援を行うという主旨の明確化を図るとともに、保険者の単位で見て、各人が共同連帯の理念等に基づき、高齢者等に対してどの程度支援を行っているかについて理解を深めるといった観点から、一般保険料率について基本保険料率と区分して特定保険料率が創設されます。

 全国健康保険協会管掌健康保険の特定保険料率は3.3%、基本保険料率は4.9%です。
 船員保険の特定保険料率は3.6%、基本保険料率は5.5%です。