協会けんぽにおける来年度保険料率の見通しについて
○保険料収入が落ち込む一方、医療費の支出が増え、協会けんぽの財政は非常に厳しい状況となっています。
○このため、平成4年以降、暫定的に引下げられていた国庫補助率を元に戻し、健康保険料率の上昇を出来るだけ圧縮するよう、政府・与党などの関係方面に要請を続けてまいりました。
○これらの結果、3年間の特例措置として以下の制度改正がなされることとなり、健康保険料率の引上げ幅が抑えられます。
◆制度改正の内容(いずれも法改正が必要なもの)
①協会けんぽの国庫補助率を暫定的に引下げられた率(13%)から健保法本則上の補助率(16.4%)へ戻す(22年7月~)
②後期高齢者医療制度への支援金の負担方法について加入者割から総報酬割へ(支援金総額の3分の1(22年度は9分の2))
③21年度末の赤字額(4,500億円)を3年間で償還
○しかしながら、来年度の健康保険料率は、全国平均で9.3%台への大幅な引上げ(現在8.2%)となる見通しです。
○これに加えて、40歳以上65歳未満の被保険者の介護保険料率は、全国一律で1.50%への引上げ(現在1.19%)となる見通しです。
○新しい保険料率は、一般の被保険者の方は3月分(4月納付分)から、任意継続被保険者の方は4月分からとなります。
※ 保険料率は都道府県ごとにそれぞれの医療費を反映したものとなっていますが、都道府県間の保険料率の差が小さくなるよう、22年度は、都道府県ごとの医療費を反映した保険料率と全国平均の保険料率(約9.3%)の差の調整幅が1.5/10となる見通しです。
※ このような一定の調整について、平成25年までの間行われることが法定されていますが、国において期間の延長に関して検討されています。
※ 都道府県ごとの保険料率は国の認可を得て正式に決まります。
◆月収28万円の場合の健康保険料の増加額
・労使で月額約3,200円増
・労使で年額約4.2万円増(ボーナス分を含む)
◇40歳以上65歳未満の方で月収28万円の場合の介護保険料の増加額
・労使で月額約870円増
・労使で年額約1.15万円増(ボーナス分を含む)
○上記の措置により引上げ幅を相当圧縮できるものの、来年度の保険料率は、かつてない大幅な引上げを行わざるをえなくなりました。厳しい経済状況の中ではありますが、加入者の皆様の医療を支えるため、事業主・加入者の方々には、このような負担につきまして、何とぞご理解をいただきますようお願い申し上げます。
大幅な保険料率の引き上げの背景
○近年、医療費(保険給付費)の伸びが保険料収入の伸びを上回っており、その収支差は拡大しています。このため、平成18年度に5,000億円あった準備金(積立金)は、減少を続け、本年度中には枯渇する見込みです。
○昨今の不況の影響により、中小企業等で働く方々の賃金が下がり、これに伴い保険料収入は大きく落ち込む一方、新型インフルエンザの影響により医療費が増加し、平成21年度末には単年度で6,000億円の赤字となり、準備金(積立金)残高は4,500億円という大きな赤字となる見通しです。
※詳細については以下をご覧ください。
(参考資料)大幅な保険料率の引き上げの背景
(1)保険財政における全般的な傾向
近年、患者負担引上げ[H15]、診療報酬のマイナス改定[H14,H16,H18,H20]、老人保健制度の対象年齢引上げ[H14~19]等が講じられてきましたが、平成19年度以降はそのような対策の効果も薄れ、構造的な赤字が顕在化し、準備金を取崩しながら運営している。

(2)準備金の状況
○平成18年度に5,000億円あった準備金は、近年の収支状況の悪化により減少を続け、本年度中には枯渇の見込み。
○平成21年度は、単年度で▲6,000億円、準備金は▲4,500億円という大幅な赤字となる見通し。

(3)直近の保険料収入の状況
当協会に加入する被保険者の月収(標準報酬月額)は、予想を超えて下がり続けている。これに伴い保険料収入は大きく落ち込む見通し。

(4)直近の医療費支出の状況
今年度の加入者一人当たり医療費の伸びは、昨年度より高い。加えて9月後半以降、例年と違い、インフルエンザの報告数が急増している。

(参考)保険料の使われ方(給付の内訳)
○加入者や事業主の皆さんに納めていただいた健康保険料は、病気やけがになったときの医療費や病気などにより会社を休んだ際の手当、健康診査など皆さんの医療と健康と生活を支えるために使われています。
○例えば、保険料を納められている被保険者1人当たりに換算すると、保険料負担と給付の関係は、以下のようになります。
◆保険料負担:年約33.9万円 ⇒ 給付:年約39.4万円
※保険料のほか国庫補助(税金)等により約5.5万円が給付に充てられています。
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(内訳) ・医療費:約35.9万円 ・病気などによる休業時の手当等:約2.7万円 ・健康診査等:約0.4万円 ・その他収納や給付に必要な事務経費等:約0.4万円 |
平成22年1月26日改訂



