第24回 気になる子どもの『お口ポカン』
令和06年08月20日
『お口ポカン』とは、その名の通り日常的に口が開いている状態のことで、臨床的には『口唇閉鎖不全症』と呼ばれています。
第10回のコラム『小児における口腔機能発達不全』の1つで、12歳児の約4割にこの状態が見られることを示した調査結果も出ています。
マスク生活が長く続いたことで呼吸がしづらくなり、マスクの中で常に口を開けて口呼吸をし、口の周りや舌の筋力が低下して、お口ポカンになった子供が増加していることも指摘されています。
では何が問題なのか?成長期の子供の『お口ポカン』は、大人が思っている以上に体への悪影響があり、早めの対処が必要です。
具体的な悪影響として、①虫歯や歯周病になりやすい(口の中が乾燥し、唾液の働きの低下により口臭や虫歯、歯周病の原因になる)②風邪や感染症にかかりやすくなる③歯並びが悪くなる(出っ歯)④姿勢が悪くなる(口呼吸は顎を突き出す姿勢になりやすく、猫背となる)などがあります。
お口ポカンになる原因としては、口周りの筋力不足により口を閉じた状態を維持できないことや、鼻詰まりによる口呼吸、舌癖、歯並びが悪く口を閉じることができない、などが挙げられます。
特に筋力不足については、やわらかい食べ物が増え、よく噛まずに水などで流し込んでしまうことや、子供の口遊び(口笛、風船やシャボン玉を膨らます、笛の玩具、吹き戻し)が少なくなっていることも原因と考えられます。
この対策には、かみ応えのある食事、かむ回数を増やすことはもちろん、口遊びを増やしたり、口や舌を大きく動かす『あいうべ体操』などで筋肉を鍛えることも効果的です。
一見すると可愛らしい表情にも見える『お口ポカン』ですが、早い段階の対応が必要です。歯並びや耳鼻科疾患とも関係しているため、矯正歯科や耳鼻咽喉科とも連携して治療していくことがあります。気になることがあれば、お近くの歯科医院で一度ご相談ください。
徳島県歯科医師会
理事 脇川 史子 先生