第25回 歯科用金属アレルギーとは
令和06年11月15日
むし歯治療で歯を削った際に扱う詰め物や被せ物には様々な素材が使われていますが、その中でも金属は古くから利用され、日本の歯科治療では銀歯の詰め物や被せ物が広く利用されてきました。
金属の中にはアレルギーを引き起こすものも多く存在します。金属のアレルギーには個人差がありますが、歯科治療で使われる金属の中にもアレルギー反応が起こることで知られているものはいくつか存在します。
このような症状は歯科用金属アレルギーと呼ばれており、歯の治療で金属を使うことは全ての人にとって絶対に安全とは言い切れません。
金属アレルギーの症状には大きく分けて金属接触アレルギーと全身型金属アレルギーの2種類があります。
金属が触れている部分が炎症を起こす金属接触アレルギーは、アクセサリーなどが日常生活で汗をかいた肌に長時間触れる状態にあると起こしやすいとされています。
一方、歯科用金属や食品などに含まれる金属が体内に侵入することで発症するのが全身型金属アレルギーです。歯科用金属アレルギーは、歯の治療に使用された金属が唾液に溶けてイオンとなり体内に取り込まれ、汗として皮膚から分泌すると症状が現れます。金属接触アレルギーとは違い、全身から汗と共に出てくるので特に手の平や足底に症状が多くみられます。
一般的な歯科用金属アレルギーで起こる症状には以下のようなものがあります。
- 顔や全身の発疹、かゆみ
- 手足の皮のただれ・水疱
- 舌のただれ
- 味覚の異常
- 口内炎・口唇炎
- 頭痛・肩こり
- 全身の倦怠感・立ちくらみ
歯科用金属アレルギーが疑われた際には、原因となっている金属を特定して、原因となる口腔内の金属を除去し、別種の金属や陶材などにすることによって症状を改善します。
どの金属に反応するかを確認するには、まず皮膚科でパッチテストを受けます。パッチテストは背中に20種類くらいの金属を溶かした薬を皮膚に貼り付けて1週間ほど様子を見て、反応のある金属を特定します。
原因の金属が分かれば、その金属が含まれていない別の金属に変えるか、金属アレルギーの心配のないセラミックやレジン(プラスチック)を使った治療に変更します。歯科用金属アレルギーの診断がされれば、通常金属でしか保険適応の認められない詰め物や被せ物が入った歯も金属を使用しないものへの変更について保険適応が認められるケースがあります。
お口の中に金属が存在し、かゆみや湿疹などのアレルギーのような症状が手や足、背中などで現れている方、上記の症状がみられる方は一度歯科医院にてご相談してみてください。
徳島県歯科医師会
理事 多田 雄一郎 先生